阿部和重(毎日新聞社)
テンポよく、訳の分からないヤクザがでてきて、荒唐無稽な(でも実際にあるかもね)の話が描かれる。
でもホントちょっと面白いスピード感があるのです。
内容紹介は
『分断された世界に抗う男女の怒濤のラブストーリー!
落ちぶれた映画監督の前に突然現れた北の女密使。
出会うはずのない二人が、国家を揺るがす〈禁断の事実〉を追う。
出会うはずのない二人が、国家を揺るがす〈禁断の事実〉を追う。
いまから話す内容を決して口外してはならない――
大麻取締法違反で起訴され、初監督作品はお蔵入り、四十を前にキャリアを失い派遣仕事で糊口をしのぐ横口健二に舞い込んできたのは、一冊の映画雑誌を手に入れるという謎の「極秘任務」だった。
横口は北朝鮮からの"名前のない女"とともに、禁断の世界に足を踏み入れていく。一触即発のリアルな国際情勢を背景にくりひろげられるスリルと〈愛〉の物語。
大麻取締法違反で起訴され、初監督作品はお蔵入り、四十を前にキャリアを失い派遣仕事で糊口をしのぐ横口健二に舞い込んできたのは、一冊の映画雑誌を手に入れるという謎の「極秘任務」だった。
横口は北朝鮮からの"名前のない女"とともに、禁断の世界に足を踏み入れていく。一触即発のリアルな国際情勢を背景にくりひろげられるスリルと〈愛〉の物語。
朝日、読売、毎日、日経、産経、共同通信、南日本新聞、山形新聞、週刊現代、婦人公論、文學界ほか各紙誌で大反響!!
「リアルな国際政治状況を踏まえながら、こんな荒唐無稽で痛快無比な、一風変わった小説を書けるのは、阿部だけだろう」――佐々木敦(「週刊現代」)
「熱量あふれるエンターテインメントの大作だ」――久保陽子(「南日本新聞」)
「いかにもなフィクション的要素と史実を接続、融合させるのが阿部和重の面目躍如」――江南亜美子(「朝日新聞」)
「...これは阿部版『愛の不時着』かとも思わせる純愛物語になり、ほろりとさせられてしまう」――中条省平(共同配信)
「出会うものの一つずつは薄っぺらなのに、気づけば厚みが生まれる。つまり、この物語は人生そのものを描いている」――読売新聞
次は手前味噌な?評論(同紙の掲載?)
『◆国家機密巡るスリルと愛と
[評]重里徹也(聖徳大教授・文芸評論家)
[評]重里徹也(聖徳大教授・文芸評論家)
小説を読んでいるとさえない男性主人公によく出会う。臆病だったり、腕力が強くなかったり、金がなかったり。ところが、付き合っているうちに、ついつい彼の味方をしてしまう。実はけっこういいヤツだったり、自分のモラルを持っていたりするからだ。
この長編小説の主人公もそんなタイプの男だ。年齢は三十代の後半。映画監督を志して若いころから苦労し、二年半前に念願の初監督作品が完成したが、大麻取締法違反で逮捕されてしまった。映画はお蔵入りになり、キャリアはふいになり、多額の借金を背負い、現在は執行猶予中だ。
旧知の新潟の暴力団会長が突然、訪ねてきたことから物語が動きだす。暴力団会長が百万円の報酬を条件にした依頼は、ある映画評論が掲載された雑誌を探し出せというものだった。北朝鮮の軍か党の幹部が必死で探しているという。ヤクザは密入国したという長身の女性を連れていて、彼女もその組織から派遣されたらしい。主人公はこの女性と組んで、雑誌探しに奔走することになる。秘密厳守で、三日間という期限付きだ。
雑誌は国立国会図書館の蔵書検索ではヒットしない。知り合いの編集者や紹介された映画評論家に会い、神田神保町の古書店で懸命に探すことになる。この過程でさまざまな人間模様が楽しめるが、そのうち暴力団抗争に巻き込まれ、主人公は危機に陥る。
スリルとサスペンスに富んだ国際謀略小説といえるか。黒い服が似合う北朝鮮からの謎めいた密使と主人公の間には淡い恋愛感情が生まれる。少しだけ交わされる会話から、彼女の真情がじわじわと伝わってくる。
物語がうねるのを楽しみながら、私たちはふと、考えることになる。北朝鮮とは何なのか。日本人はどのように向き合えばいいのか。国家とは何か。国家と人々の幸せはどう関係しているのか。
「ブラック・チェンバー」とは外交や軍事の秘密情報部のこと。物語は深刻な内容にもかかわらず、ユーモアを含んで軽快で、音楽を聴くように楽しめる。
(毎日新聞出版・2200円)
1968年生まれ。作家。著書『グランド・フィナーレ』『オーガ(ニ)ズム』など。 』
・・・ちょっとせこい主人公が面白い。
・・・大部なので、次の本が図書館から来たので、途中でストップ。この手のお話が好きな方にはお勧め(と思う)。😜