渚ちゃんの休日  101

2021-09-29 16:52:55 | 小説

あれ?今日休み?

マスターが尋ねると、そーですとだるそうに渚ちゃんが答えた。

休館日は、日曜なんですけど、後一日スタッフで調整して休めるんです。

普通、月曜が休館の図書館が多いよね?

うちは、何故か日曜が休みなんです。

じゃあ、友達と出かけやすくて良いね。

普段ならですけど、コロナ禍じゃ、学生時代の友達とも段々疎遠になっちゃって・・・。

そうだよね、緊急事態宣言が解除になるからって、ワーッツて出かけても良いもんじゃないしね。

アイスカフェオレにしたけど、良かった?

goodです。

久実さんが、やって来た。

久実さんも、店が休みだそうだ。

お休みに、マスターの所で油売ってないで、デートでもしたら?

解除になったらって空君が言ってるから・・・。

ふ~ん、大丈夫?

多分・・・。

どうしたのよ?何時もの渚ちゃんらしくないじゃない?

水川さんが空君を好きな熱量程、あたし、空君を好きなんだろうか?とか、考えると、あんまり自信なくて・・。

人ってさ、不思議なんだよね、とマスターが話に加わる。

幸せを計る機械は売ってないからさ、自分に聞いてみるしかないんだよね。

水川さんと比べないことだよ。

そうよ、空君が好きなのは、渚ちゃんなんだからあんまり悩まないほうがいいと思うな。

久実さんの励ましを受けて元気になったのか、渚ちゃんは勝手に厨房に入って皿洗いを始めた。

後でやるから、そのままで良いよと、マスターの止めるのも聞かずに、

鼻歌を歌いながら皿を洗っている。

どうやら、何時もの渚ちゃんに戻ったようだ。

 

 

 

 

 

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