あれ?今日休み?
マスターが尋ねると、そーですとだるそうに渚ちゃんが答えた。
休館日は、日曜なんですけど、後一日スタッフで調整して休めるんです。
普通、月曜が休館の図書館が多いよね?
うちは、何故か日曜が休みなんです。
じゃあ、友達と出かけやすくて良いね。
普段ならですけど、コロナ禍じゃ、学生時代の友達とも段々疎遠になっちゃって・・・。
そうだよね、緊急事態宣言が解除になるからって、ワーッツて出かけても良いもんじゃないしね。
アイスカフェオレにしたけど、良かった?
goodです。
久実さんが、やって来た。
久実さんも、店が休みだそうだ。
お休みに、マスターの所で油売ってないで、デートでもしたら?
解除になったらって空君が言ってるから・・・。
ふ~ん、大丈夫?
多分・・・。
どうしたのよ?何時もの渚ちゃんらしくないじゃない?
水川さんが空君を好きな熱量程、あたし、空君を好きなんだろうか?とか、考えると、あんまり自信なくて・・。
人ってさ、不思議なんだよね、とマスターが話に加わる。
幸せを計る機械は売ってないからさ、自分に聞いてみるしかないんだよね。
水川さんと比べないことだよ。
そうよ、空君が好きなのは、渚ちゃんなんだからあんまり悩まないほうがいいと思うな。
久実さんの励ましを受けて元気になったのか、渚ちゃんは勝手に厨房に入って皿洗いを始めた。
後でやるから、そのままで良いよと、マスターの止めるのも聞かずに、
鼻歌を歌いながら皿を洗っている。
どうやら、何時もの渚ちゃんに戻ったようだ。