七夕ってこんなに暑かった?   253

2024-07-07 12:38:08 | 小説

ヤマさんと、冬子さんが、さっきから七夕論争を繰り広げている。

「今年は、どうやら織姫と彦星が、会えそうね」冬子さんが、アイスコーヒーを飲みながら、マスターに、話しかける。

でも、こんなに暑い日に、デートなんてしたら、熱中症で、倒れちゃうんじゃない?

およそロマンとは、縁遠い発言をするのは、ヤマさんだ。

マスターも「確かに、いくら天の川が綺麗に見えるからって、今の季節に一年で一度の逢瀬を楽しむなんて、暑すぎて、思考が、停止しそうですよね。」と、呟く。

「昔の七夕は、こんなに暑くなかったと思うわ、夏の夜空を見上げて、こんな美しい物語を生み出したのだから・・・。」

ヤマさんは、首に巻いたタオルで、顔の汗を拭きながら、ともかく、暑すぎると、繰り返した。

商店街の七夕祭りの手伝いを頼まれたとかで、重い腰を上げて、店を出るヤマさんに、マスターが、塩アメと、ペットボトルを、手渡した。

冬子さんも、くれぐれも、無理をしないように、声を掛けた。

 

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