うまくいかないものね・・・。99

2021-09-15 17:06:12 | 小説

水川黎が帰った後、

ハーブティー、ご馳走様でしたと言って、南条君も帰って行った。

うまくいかないものね、一人残った冬子さんが呟く。

何がですか?

あの二人よ、二人とも今どきの人にしては、とても礼儀正しくて、

ステキなのにね、話も弾んでたみたいだし・・・。

ドラマみたいには、いきませんよ。

そうね、水川さんが好きなのは空君だし、南条君は、渚ちゃんだものね。

空君達は、上手くいってるのかしら?

どうなんでしょうね?

雨が降ってくると困るから私もそろそろ帰ろうかしら?

冬子さんが重い腰を上げた時、ちょうど、加藤のおじいちゃんがやって来た。

もう、お帰りですか?

加藤のおじいちゃんに声を掛けられた冬子さんは、加藤さんがいらしたんだったら、もう少しいようかしらね?

と、言って腰を掛け直した。

そうなさいよ、夕飯ご馳走しますよと、加藤のおじいちゃんが言った。

そうね、家で一人で食べても美味しくないし、マスターに美味しいものでも作って頂きましょうか・・・。

マスターが、加藤のおじいちゃんに☕を運んできて、何か召し上がりたいものありますか?

と、尋ねた。

ハヤシライス何て無理かな?

お時間頂ければ作りますよ。

あら、私もハヤシライス食べたいわ

今は、ハッシュドビーフっていうのかしら?

マスターが笑って、どっちでも良いですよと言った。

 

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