花の寄せ植え

先日、テラスモールに行って来た。
バーゲンの時期ではないので、あまり混んでなくてゆっくりできて良かった。

別館の方には、今まであまり行かなかったが、ナチュラル系の衣類を扱っているブティックや、
アメリカンな雑貨を扱っている店、カフェ、パンやなどの他に、ガーデニングショップもあった。

店先に並んだ素焼きの鉢に、色鮮やかな春の花が寄せ植えされていた。
中でも目を引いたのは、白い花ばかり集めた寄せ植えだ。

ストックや、マーガレット、ゼラニューム、アリッサムなどの白がグリーンに映えて美しさを競っている。
家の素焼きの大鉢に、キンギョ草、ラナタンキュスの白い花を花屋で買って来て、元々家に咲いてたアリッサムやゼラニューム、薄紫のミニバラと寄せ植えしてみた。

白い花の中にミニバラの薄紫が効いて、なかなかの仕上がりになった。
玄関に、寄せ植えの鉢を飾ったら、一足早い春がやって来たみたいだ。　　

雨水がぴったりの日

朝、仕事に出かけようとしたら、雨が降り出した。
ドアを開けたら、雨と言うより霙混じりの氷雨だ。

もう長く勤めているので、通勤そのものが習慣になっていて、あまり行きたくないとか、
休みたいとか思わないのだけど、今日だけは、仕事に行くのが辛かった。

2月に入って、少し暖かな日があったので、今日の寒さは応えた。
雪国に住んでいる人には笑われそうだが、生まれた時から温暖な土地に住んでいると、
このくらいの寒さでも、ちょっとキツイ！

夕方の天気予報を観ていたら、森田さんが、今日は24節気の雨水です。
雨水に、ぴったりの天気でしたねと言っていた。

ぴったりでなくて良いから暖かな方がいい。
明日も、雪が降るとか？

車窓から、梅の花が咲いているのを見つけた。
雨に濡れ、はかなげな感じがした。

桜より梅が好きって人がいるけど、やっぱり桜の方が好きだな。
ぱあっと華やかで、明るい気分にさせてくれるもの。

雪降らなかったね。 ⑨

「雪、降らなかったね」と言いながら、例の喫茶店のドアを開けた。
店には、相変わらずのヤマさんと、めずらしく理由あり風のカップルがいた。

「天気予報が、はずれて良かったじゃない」とマスターが言った。
「でも、バスは遅れるし、電車は間引きで、大変だったんだから」と言うと、

まあまあ、と言いながらココアを出してくれた。
マスターのこういうとこが好きなんだよね。
黙っていても、ココア飲みたいなって察してくれるとこが・・・。

「おせじは、いらないからチョコをくれだってさ」とヤマさんがまぜっかえす。

「そうか、もうすぐバレンタインだね。
何だか仕事が、忙しくてまだ何にも用意してないな。」

「マスターが、チョコなんていらないよ。ああいうのは、とっくに卒業」と呟く。

「そうかね、俺なんか貰えたら、ちょっと嬉しいけどね」とヤマさん。

ココアのお陰で冷え切った身体が、大分温まった。

いつの間にか、雨が止んだらしい。

静かな店の中で、理由あり風カップルのささやき声が、いつまでも続いている。