夕べ、最期の客を、送り出して、店を閉めている所に、娘さんの所に行っている冬子さんから、電話があった。
本当なら、今日あたり、帰るつもりでいたのだけれど、この雨じゃあ
、帰れませんものねと言って、暫し沈黙が流れた。
マスターが、「無理なさらないで、台風が落ち着くまで、そちらにいた方が良いですよ。」と、言うと、
娘にも、きつく言われて居りましてねと言って、悲しそうに笑った。
雨の様子や、店の心配をした後、マスターの淹れてくれる☕が、飲みたくてねと、言って長い電話が、切れた。
マスターに分けて頂いたコーヒー豆を挽いて、飲んでいるのだけど、マスターの味には、かなわないとも言っていた。
冬子さんは、この店の開店当時からの常連客だ。
店を、オープンした頃は、会社員を辞めて、コーヒー専門学校で、習っただけの素人だった。
それでも、冬子さんや、ヤマさん、加藤のおじいちゃんの応援のおかげで、マスターのコーヒーじゃなければと、言ってもらえるようになれた事に、感謝している。
前回の台風の時も、店を休むつもりでいたが、結局、店を開けてしまった。
今日も、どうしようか悩んでいたら、久実さんから、メールが来て、これから、行っても良いかと、
尋ねてきた。
皆に、美味しい☕を、淹れてあげる。
自分に出来ることは、それ位しかないから、どうぞ、お待ちしてますと、返信するつもりだ。