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sky is blue

言わなければよかったのに日記

Documentary of COUNTDOWN LIVE 2006-2007 A

2007-03-09 01:25:25 | AYU
『A BEST 2 -BLACK-』のDVDには、『BEST of COUNTDOWN LIVE 2006-2007 A』の完成までの軌跡を追ったドキュメンタリー映像が収録されている。私はそれを観て、確信したことがある。

「浜崎あゆみ」の一番の批評家でありファンは、「あゆ」だ。

これ、こうして書いてみても、「へぇ、そうなんだ」って感じかも知れないけど、私はちょっと、呆気にとられてしまったよ。

だって、一番、汗かいて、走り回って、笑って、怒って、悩んで、考えて、興奮して、感動してるのは、「あゆ」なんだもん。「何なんだこの人は!?」って思っちゃったよ。

私が一番好きなシーンに、「あゆの役を違う人がやって、会場で本番と同じように通しでリハーサルをやり、それをあゆが客席から確認する」ってのがあるんだけど(あゆ本人がやる通しリハーサルもありますよもちろん)、もうね、「ただのファン」なんだもん。ってか、「ただの無邪気な子供」じゃん! あんな「純粋無垢」な顔、私は見たことがありません。あゆは、「デビューしたばかりの新人さん」か!? グッと真剣に見ていたかと思えば、いきなり走り出して、色んな位置から確認し、ノリノリで見ていたかと思えば、いつの間にか感動して涙ぐんでるし。おいおい、この人、泣いてるよ! 自分のライヴだよ? まだリハーサルだよ? なのに、一番ノリノリなの。

そして、演奏やアレンジなどのサウンド面、ダンスの振り付け、衣装や演出など、すべてにおいて、もちろん人に任せるところは任せているけれども、誰よりも厳しい。名台詞、飛び出しまくりですよ。でも、絶妙なところで笑いをとって和ませたりして、ああ、あゆってば……。そんでもって、関わる人のことを一人一人ホントによく見てるんだよなぁ。「この中の誰か一人でも欠けていたらできなかったと思います」と、あゆはよく言うけれども、これって、嘘じゃないんだなぁ。あゆは、とんでもなく厳しいけど、でも、とんでもなく優しいんだなぁ。

歌うわ踊るわの身振り手振りぶりには、結構驚いたな~。私の中で勝手に、あゆは「頭で考える」ってイメージが強かったから、意外に「肉体派」っていうか「感覚派」っていうか、物凄い「瞬発力」。やっぱ、体に沁み込んでるもんがあるんだろうね。それは、相当のもんだと思う。色んな場数を踏んでるもんなぁ。

もう本当にね、「ドキュメンタリー」であっても、一つの「ショー」を観ているようでした。だから、つまり、こういうことなのではないだろうかと。

「浜崎あゆみが動いている」というだけで、「ショー」になり得る。

「いやいや、何をおっしゃいますやら」って笑い出す人もいるかも知れませんが、実は、このカウントダウンライヴのときにも思ったんだよね。花道をあゆがダーッと走る。たったそれだけのことで、もう客席は、ワー!キャー!あゆぅー!なんですよ。「走っている」だけですよ? 衣装だって、そのときは、ただの「TシャツGパン」ですよ。あゆのライヴは、衣装も演出も色々と凄いですが、結局は、「あゆが走るだけで大歓声」なんですよ。会場にいるのはファンだらけなんだから当たり前だっておっしゃる方もいるかも知れませんが、このような光景、私は滅多に遭遇しません。(前に、菊地成孔さんが言っていた「ボディが持つメッセージ性」ってのは、このことなのかなぁ)

あるライヴで、その人が動いているだけで観客が熱狂しているってことで、「人力がすべてに勝っている!」と評していた人がいたけど、まさにそれかも知れないなぁ。

えっと、話を戻すと、こういう「制作現場を追ったドキュメンタリー」って、「こんなに苦労して作ってるんです!」とか「作っていく過程を見せてクリエイティヴィティをアピール!」とか、妙に鼻につく感じになってしまって、ワザとらしかったり嫌味っぽくなってしまったりすることもあると思うんだけど、これはもうなんか、変な言い方だけど、「自然」に感じられちゃったんだよなぁ。「これが舞台裏です!特別に見せちゃいます!」って感じもなければ、作られた感もない。あきらかに非日常であるはずなのに、日常的にすら感じられてしまう。

私はそれを不思議に思っていたのだけど、やっと分かってきた。それはきっと、「浜崎あゆみが動いているだけでショーになり得てしまう」からなのだ。だから、ワザとらしくないし、作られた感じもしない。だって、表も裏もなく、すべてが「ショー」なのだから。

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カウントダウンライヴが行われた2006年12月31日、あゆは『紅白歌合戦』に出演した。前日の30日もライヴで、当日もリハーサルの合間を縫っての出演だ。私はTVで鑑賞していたのだが、「あゆ、喉辛そうだな」と思って観ていた。後日、視聴率のグラフを見たが、あゆは、「倖田來未」や「ドリカム」、「SMAP」に負けていた。

あゆは、今さら新しいファンを獲得しなくったって、従来からのファンだけで、もう十分にやっていけるのかも知れない。『紅白』にだって、出る必要もないのかも知れない。

でも、あゆは、『紅白』で、カウントダウンライヴでも歌わなかった「JEWEL」をわざわざ歌い、しかも、カウントダウンライヴ以上とも言える、気合の入った衣装やらネイルやらで登場した。私、登場した瞬間、吹き出しちゃったもん。更に、同日放送された『CDTV』の特番では、あゆは、まだどこでも披露していない「1 LOVE」を初披露してのけたのだった。

私は、『CDTV』を見逃してしまった。ごめん、あゆ。私は、何かを見落としていたよ。

何故、あゆは、『紅白歌合戦』で、カウントダウンライヴでも歌わなかった「JEWEL」を歌ったのか。
何故、カウントダウンライヴ以上とも言える、気合の入りまくった衣装&ネイルで出てきたのか。
何故、『CDTV』で、どこでも披露していない「1 LOVE」をやったのか。

あゆは、視聴率では、倖田來未やドリカムに負けた。
それが、「現実」なのだろう。
しかし、それだけでは見えない、「真実」というのもある。

かつて、<真実と現実の全てから目を反らさずに>と歌っていた彼女は、そのときから何も変わっていない。そこで戦い続ける彼女だからこそ、私は惹かれたのではなかったか。

今回のベスト、『A BEST 2』でも、あゆは私に色々なことを教えてくれた。

そして、『ASIA TOUR 2007 A ~Tour Of Secret~』へと続いていく。