
誰でも知っている有名な唱歌。作詞は犬童球渓(いんどう きゅうけい)。
この歌は映画などでも使われている。特に思い出すのが、市川崑監督の「ビルマの竪琴」の冒頭シーンで、日本陸軍の兵士たちがコーラスするシーンである。
ビルマ戦線で戦い続ける、疲れ果てた兵士たちが、束の間の休息時間に唱歌を歌う。
その顔に色濃く浮かぶのは「望郷の念」である。歌っている兵士もいれば、黙して想いにふける兵士もいる。
その兵士たちの顔が、美しい。ひげ面の、疲れ果てた顔が、である。故郷を思う想念が、彼らの顔を幼児(おさなご)のように見せている。
この歌は中国映画「城南旧事(北京の想い出)」でも使われていた。そのことはまた別の機会に書こうかと思う。
今回は、「旅愁」を聴きながら思いにふける兵士の顔を描きました。