メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

難民問題は「人間の価値に対する戦争」@ビッグイシュー

2019-03-19 17:03:26 | 
【THE BIG ISSUE VOL.351】


【内容抜粋メモ】

上の画像は、ギリシャのレスボス島に到着するゴムボート


ドキュメンタリー映画『ヒューマン・フロー大地漂流』
政府批判により身柄を拘束され、中国を追われた現代美術家アイ・ウェイウェイ氏が挑んだ作品
23カ国、40ヶ所の「難民キャンプ」を訪れて映像をまとめたて
世界の難民、6850万人の暮らしぶりを描き出す

ギリシャのレスボス島、アフガニスタンン、バングラデシュ、パレスチナ・ガザ地区、
トルコ、ケニア、ハンガリー、アメリカ、メキシコなど

キャンプの限られたスペースで遊ぶ子どもたちの映像
難民当事者、支援団体のスタッフにもインタビューした


ハンガリーの国境警官




トルコの難民キャンプ





最も弱く、力を持たない人々が犠牲となる

ウェイウェイ氏:
教育を受けられず、住む場所を追われ、
人間の価値に対する戦争が起きている

今まで築いた文明、今機能している民主主義社会、
未来に向けた私たちのビジョンが問われている

それは、これまで最も難しい課題と言えるのではないか


家族で故郷を追われた幼少期
ウェイウェイ氏の父は、反共産党主義者として北京を追放され
一家でウイグル自治区へ強制移住させられた経験がある

ウェイウェイ氏:
慣れ親しんできたものをすべて手放し、無理やり追い出されたのです
人間の中には残酷さ、臆病さ、利己的な部分があるということ


2008年 北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」の設計、
日本の森美術館での個展などで著名なウェイウェイ氏は
中国政府への批判から、81日間の身柄拘束、
1500万元(約1億8500万円)の追加課税を命じられた

ベルリンに移住後、難民調査団を設立


芸術は社会を変える

ウェイウェイ氏:
芸術は社会を変えるだけでなく、社会を形作る大きな要素
感情、行動、理性的な判断に大きな影響を与える


難民生活の平均は26年間
UNHCRが「長期化難民状況」とする難民生活の平均は26年続くという
中には38年以上という人もいる
その大半は、イラン、パキスタンに滞在するアフガニスタン難民


世界にある国境壁は70以上 新ビジネスになった壁の建設
1989年のベルリンの壁崩壊時、11だった国境壁は
2016年は70となった

イスラエルによるエジプト側に設置された壁は監視カメラ付き
カミソリの刃を取り付けたハンガリーの国境フェンス
インドとバングラデシュ間の4000kmの棘付き柵

世界の国境壁は、アメリカの同時多発テロ
2015年の欧州移民危機を機に急増

調査したカナダ・ケベック大学のヴァレ准教授によると
国境壁建設は、「よそ者」と「経済低迷」への不安払拭の万能薬として
武器製造に次ぐ防衛産業の新ビジネスになっているという


ウェイウェイ氏:
私たちは共感する力、他人を助ける力を持っている
それを生かせなければ、人間は空疎なものになる

世の中には常に「既得権益」をもつ人の犠牲になる人々がいますが
「人類は1つ」という考え方を分かち合うことで
初めてこの状況を改善できると思う

今、やらなければ人間社会全体が堕落することでしょう
豊かな人と、貧しい人がいる限り
世界は分断され、境界は存在しつづける

深い溝は、1人ひとりの心の中にあるのです



レスボス島に到着した難民とウェイウェイ氏




著 Steven MacKenzie, The Big Issue UK


One Vition/QUEEN を思い出した


***


「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」

“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”

[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない


[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする


[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している




【ブログ内関連記事】

「ボブとジェームズ、東京へ行く」@ビッグイシュー

「猫のボブが私をホームレスから一人の人間にしてくれた」@ビッグイシュー

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(A Street Cat Named Bob)』(2016 ネタバレ注意)


バックナンバーのご注文
“バックナンバーのご注文は、販売者まで、お気軽にお問い合わせください。
 販売者から購入できない方はバックナンバーに限り、
 3冊以上から送付販売をさせていただいております。”



 


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『あに・いもうと』(1953)@新文芸坐(2019.3.15)

2019-03-19 16:07:29 | 映画
原作:室生犀星
監督:成瀬巳喜男

出演:
京マチ子 もん
森雅之 伊之吉
久我美子 さん
堀雄二 鯛一
船越英二 小畑
山本礼三郎 赤座
浦辺粂子 妻・りき
潮万太郎 貫一
宮嶋健一 喜三
河原侃二 坊さん
山田禅二 豊五郎
本間文子 とき子婆さん
ほか


没後50年 名匠・成瀬巳喜男 戦後名作選




池袋の新文芸坐で成瀬巳喜男監督の特集がかかると知り
私の大好きな森雅之さん、久我美子さんの共演作に喜んで行ってみた

30分ほど前に行き、自販機でチケットを買って、受付でもぎり
全席自由で並んだ順 今日は空いているから大丈夫とのことだったけれども
そのまま軽食をとってから並び始めた

ちょうどいいサイズのスクリーンと劇場
観に来ているのは白髪のシニアの方々が多い 20~30人ほど

この日は『山の音』(1954/94分)との2本立て




もしかして、1枚のチケットで終日いられるのか?
以前も何度か来たことがあるけど、忘れてしまった

開演15分前に入場 その前の作品が終わって客が出てから入る

予告はなく、すぐ本編から始まる
ほどよい後方の端が選べた

始まってすぐフィルムが途切れ途切れになり
とうとう真っ暗になってしまった

「フィルムが途中で切れたため、修復まで数分お待ちください」

デジタル化して保存してあるだろうか 心配になる
数分後、本編の冒頭から始まった



【内容抜粋メモ】




豪華キャスティングながら、終始胸がガサガサとするストーリーだった

森雅之さんは、いつもの品のいいダンディさはなく
粗野でがさつ、顔つきまで違って見えて、演技の幅を感じる

京マチ子さんの艶っぽさ、対称的に久我美子さんの可憐な清純さ
その爽やかな笑顔に所々救われた

母役の浦辺粂子さんがまたイイんだよなあ!
母も身持ちが悪い出なのか? ハッキリした設定が分からない

古いフィルムのせいか、昔の言葉のせいか、時々意味の分からないセリフがあった

川で遊ぶ子どもたち あれは荒川?
サン:東京なんてすぐ向こうじゃないの って、なんだか『翔んで埼玉』な世界

父・赤座は昔は大勢を仕切っていた大将
土手沿いの堤防を石で造っていた頃は、一寸の狂いもなかったと話す
活気のあった当時を知る初老男性

今はみんなコンクリート 働く者も若くて何も分かってないヤツらばっかりだ」

赤座は、唯一話の合うその部下と酒を飲んでは昔の自慢話と愚痴を並べる

妻・りきは、小さな店をやっていて、
夏はラムネ、アイスキャンディ、冬はおでんなどを売っている

長女モンは、妹サンの学費のために東京に出たが
学生・小畑の子どもを妊娠して帰省する

兄・伊之吉はそんなモンに辛く当たる

サンも帰省し、幼馴染で仲がいい鯛一に挨拶すると
モンの噂が近所中に広まっていて
「あんな娘と付き合うんじゃないよ」と母から釘を刺される鯛一

兄とモンはひどくケンカをして
それきりモンはまた東京に出て、住所も知らせず数ヶ月経つ

家に小畑が謝罪に来る
親からなかば監禁状態でなかなか来られなかった
子どもは堕ろして欲しいことを遠回しに言い
少しですがと金を渡す

父は癇癪を起こすかと思われたが、モンは流産したことを告げると
どこか安心した様子の小畑
父:娘のためを思うなら、もう二度と来ないでくれ、と言って出て行く

リキは小畑に帰りに食べなと饅頭を渡す

帰り道に追って来る伊之吉
小畑を殴り、自分がこれまでモンをどれほど可愛がってきたか
家族が近所からずっと白い目で見られているかを話す

伊之吉:
小さい時からずっと面倒をみて、可愛がってきたんだ
その気持ちがお前なんかに分かるか!
今のモンには以前の純潔さのカケラもない
もう二度ともとには戻らない


鯛一の親は早々にお見合い相手を決めて進めていくため
サンに「今からバスに乗って東京に行こう! なんとかなるさ」と強引に約束させる

バスに乗ると鯛一が子どものように饅頭をほおばっているのを見て
互いに目が合い、会釈する

サンは駅で自分の切符だけ買い、鯛一に帰るよう言う

サン:
まだ早いわよ 東京に行っても泊まるあてもないし
どうして親に私のことをちゃんと話して見合いを断らなかったの?
いくじなしよ

と言って一人で電車に乗る


お盆に帰省する姉妹
サンはもう東京で働いている

川に灯籠を流しに行くと、鯛一はもうちゃっかり結婚していて呆れるサン

すっかり変わってしまったモンにまた激怒する兄と猛ゲンカになる
マチ子さんのちゃぶ台のひっくり返し方はお見事!

モン:いくら兄でも弱い人を殴るなんて許せない! 卑怯よ!

売り言葉に買い言葉で、ついに取っ組み合いになり
泣き出してしまう母とサン

母:もうやめて! お前もカタギになっておくれ

モン:
私、思ってるほど落ちちゃいないわよ
でも、、、もうダメなの


暑い中、林道を帰る姉妹 母は2人が見えなくなるまで見送る




サン:今度いつ帰るの?

モン:
さあ・・・親の顔が見たくなったら
あんな兄貴でも顔を見たくなる時があるのよ






<ポスター>





 


こんなところにマルクス・ブラザース! このタッチどこかで見覚えがある



<今回拾ったチラシ>


 



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大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』 第9回 さらばシベリア鉄道

2019-03-19 15:33:08 | ドラマ
大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』 第9回 さらばシベリア鉄道

脚本:宮藤官九郎
音楽:大友良英
ナレーター:ビートたけし(噺) / 森山未來(語り)


【内容抜粋メモ】

カノウは官員(国家の役人)で長期出張はいろいろ面倒

文部省に抗議に行くカノウ
内閣がかわり、小笠原は辞任 今は岡本(政治屋はころころかわるからねえ

IOCの招待状を見せると、渡航証を出して、精査して問題がなければ外務次官へ・・・
カノウ:そんなの待ってたらオリンピック終わっちゃうよ!(w

カニさんはまんまと乗れたv 敦賀で校長とバトンタッチするってほんと?
名古屋でも人が押しかけて、扇子にサインする四三




眠れず、行程を日記に書くことにした

「盲目旅行 国際オリンピック 競技参加之記」
本物が残ってる! だからこうしてドラマにも出来るわけね
だが、汽車に揺られて書いたので、ほぼ読み取れないそう





<ストックホルム青春編>


第1章、2章みたいになってるのか?

「五月十七日。快便。明け方、敦賀着。快晴なり。」




カニはここで別れるがカノウは現れず

そもそもシベ鉄を通したロシア人の目的は
貿易ルートの確保とアジアへの侵略
だが、日露戦争で勝利したため乗れてる事情がある

ウラジオストックは気温5度の極寒
(5月なのに? 気候・風土は国民性にも大きく影響するよね






シベ鉄は二等車両 アニコは女子寝台へ
ヤヒコ:うちの風呂より狭いな(その風呂は広すぎる!

カノウはここにもいない 全然知らないドイツ人と一緒になる
素晴らしい森!




食堂車に行こうとすると、倹約のため自炊と大森に言われる
アニコが缶詰など持参 駅でもらった野菜もある

外国人は四三らがオリンピックチームと聞いて驚き「大和魂」と笑い食堂車に誘う






アガサ・クリスティの殺人事件が起きそうな雰囲気
メニューが高い 大森が初日だから驕ると言う

「ドイツ人は堂々とし動じず、
 ロシア人は粗大で実に大陸的
 米国人の実に快活そうな気持ちの浅そうな趣き
 フランス人は老獪にて分からず
 日本人は論外なり」


チェックが来ると去るドイツ人

夜はドイツ人のイビキで眠れず


翌日はアニコの作った味噌汁だが、だしがなく、全然味が違う
でも、車内の自炊でこれだけきっちり作るってすごい 茶碗まで持ってきたの!?
母国の食事は大事だよね




車内を歩くにも正装で肩が凝る
ヤヒコは30分もトイレを占拠して他の客が怒る




ハルビンで途中下車
ヤヒコ:伊藤さんが殺された所だね

3年前の明治42年 初代内閣総理大臣・伊藤博文が暗殺された 享年68歳
まさかとは思ったけど、ハマケンが前の大河を引き継いでる/驚×5000






当時、満州は中国、ロシア、日本が覇権を争う不安定な状態
体がなまるからと外に出ると銃を持ったロシア兵にすぐに取り囲まれ、パスポートを出せと言われる
中国兵もいる




ヤヒコは車内でも外国人女性をナンパ


早朝からキチンとしている義母イクエは厳しいしきたりを話す
朝はイクエより早く起きて、顔を洗う容器を持つ(そこらに置けばいいじゃん
実次が来て、四三が絵葉書を送ってきたと見せる






バイカル湖に見とれたこと、こんな極寒なのに冷水浴を続けていること
ヨーロッパ領に入る 車内で走ったりしてなまった体をほぐすが
四六時中顔を合わせてギスギスする2人




カノウは申請して1週間 まだ審査がおりず、毎日役所に通う


円喬:
噺家で飯食う了見じゃとてもダメだ
明日から自宅の人形町に手ぶらできな 車はいいよ

もらった初給金の5厘を今でも大事に持っている志ん生






五りん:てっきりオリンピックにちなんで名づけてくれたのかと思ってました

志ん生:
当時、車代は1日50銭
噺家なんて水もんだ のうのうと暮らそうと思うな 芸のことだけ考えろってことだ
その時、初めて名前ももらった 三遊亭朝太(ちょうた)


10日目でまだ半分の行程 ラブラブの大森夫妻
英語のレッスンを始めるアニコ 咳込む大森




日記
いかに西洋人の真似したとて、日本人は日本人なり。
なんぞ真の西洋人ならんや、むしろ日本人の元気あるを示し、特徴を示せよ(納得

カニにも絵葉書出すって筆まめなのね




なぜ監督に大森が命ぜられたか聞く

大森:
僕は体が弱かった アメリカには経営の勉強に行った
西洋人の強靭さに驚き、YMCAのトレーニングスクールに移った
バスケットボール、バレーボールも日本に持ち帰った
アニコは画家で、ハウスボーイをしていて気に入られて大恋愛

大森は肺を患っているのを周囲に隠している
これを逃したら、一生オリンピックを見る夢は叶わないとカノウに訴えたアニコ
アニコ:これが彼の大和魂です

「オリンピック式 陸上運動競技法」の分厚い原稿を渡す
短距離走の練習法などが写真つきでまとめられている
それでカノウ夫妻に同行させた 最後の旅?

大森の体調悪化でアニコは自炊を中止

食堂車で最後の晩餐
ヤヒコ:考えてもはじまらん 走るのは僕たちだ 練習の成果を見せてやろうじゃないか
フォークとナイフのことか ぶどう酒も英語で頼む四三

16から負け知らずのヤヒコ
1万mで負けて長距離は止めた
ヤヒコから決めポーズで応援してもらう

「我らはスポーツを愛し、スポーツに愛され、
 ただ純粋にスポーツを楽しむために活動する 元気の権現
 フレー フレー 金栗ーー!!」





セントピータースバーグに到着
船でストックホルムへ
最初の場所がもっと近ければ良かったのにね
これじゃ、他国の選手とすでに相当の疲れ具合とか差があるのでは?






大使館の内田公使が出迎える
初めて馬車に乗る四三
みな1ヵ月後のオリンピックを楽しみにしている

夜だが白夜で昼間のように明るい 時差の上にまた体調崩しそう
ガイドのダニエルがオリンピアスタディオンに連れて行く






今みたくけばけばしい演出とかなくてイイ 芝なのか
早速走ってみる四三

日記:必ずやあのポールに、日の丸を挙げん 決意を新たにする

チームリーダー・カノウはまだ日本



日本初のオリンピック監督・大森夫妻




兵蔵はアメリカで体育を学び、バスケットボール、バレーボールも日本に紹介した
チコちゃんはそこまで教えてくれなかったね

アニコは名門育ちの画家
2人の出会いは1906年
アニコのハウスボーイに応募したのは、学生だった兵蔵1人

キリストに似た容姿が気になりながらも
使用人の彼と一緒に食事することは出来なかった

ある日、兵蔵はツタ漆の毒に襲われて高熱を出し、アニーは熱心に看病して
1907年10月に結婚(早っ!
当時はとても珍しがられて新聞にも載った











その後の番宣の「スペシャルドラマ 浮世の画家」も面白そうだった



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