メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『あに・いもうと』(1953)@新文芸坐(2019.3.15)

2019-03-19 16:07:29 | 映画
原作:室生犀星
監督:成瀬巳喜男

出演:
京マチ子 もん
森雅之 伊之吉
久我美子 さん
堀雄二 鯛一
船越英二 小畑
山本礼三郎 赤座
浦辺粂子 妻・りき
潮万太郎 貫一
宮嶋健一 喜三
河原侃二 坊さん
山田禅二 豊五郎
本間文子 とき子婆さん
ほか


没後50年 名匠・成瀬巳喜男 戦後名作選




池袋の新文芸坐で成瀬巳喜男監督の特集がかかると知り
私の大好きな森雅之さん、久我美子さんの共演作に喜んで行ってみた

30分ほど前に行き、自販機でチケットを買って、受付でもぎり
全席自由で並んだ順 今日は空いているから大丈夫とのことだったけれども
そのまま軽食をとってから並び始めた

ちょうどいいサイズのスクリーンと劇場
観に来ているのは白髪のシニアの方々が多い 20~30人ほど

この日は『山の音』(1954/94分)との2本立て




もしかして、1枚のチケットで終日いられるのか?
以前も何度か来たことがあるけど、忘れてしまった

開演15分前に入場 その前の作品が終わって客が出てから入る

予告はなく、すぐ本編から始まる
ほどよい後方の端が選べた

始まってすぐフィルムが途切れ途切れになり
とうとう真っ暗になってしまった

「フィルムが途中で切れたため、修復まで数分お待ちください」

デジタル化して保存してあるだろうか 心配になる
数分後、本編の冒頭から始まった



【内容抜粋メモ】




豪華キャスティングながら、終始胸がガサガサとするストーリーだった

森雅之さんは、いつもの品のいいダンディさはなく
粗野でがさつ、顔つきまで違って見えて、演技の幅を感じる

京マチ子さんの艶っぽさ、対称的に久我美子さんの可憐な清純さ
その爽やかな笑顔に所々救われた

母役の浦辺粂子さんがまたイイんだよなあ!
母も身持ちが悪い出なのか? ハッキリした設定が分からない

古いフィルムのせいか、昔の言葉のせいか、時々意味の分からないセリフがあった

川で遊ぶ子どもたち あれは荒川?
サン:東京なんてすぐ向こうじゃないの って、なんだか『翔んで埼玉』な世界

父・赤座は昔は大勢を仕切っていた大将
土手沿いの堤防を石で造っていた頃は、一寸の狂いもなかったと話す
活気のあった当時を知る初老男性

今はみんなコンクリート 働く者も若くて何も分かってないヤツらばっかりだ」

赤座は、唯一話の合うその部下と酒を飲んでは昔の自慢話と愚痴を並べる

妻・りきは、小さな店をやっていて、
夏はラムネ、アイスキャンディ、冬はおでんなどを売っている

長女モンは、妹サンの学費のために東京に出たが
学生・小畑の子どもを妊娠して帰省する

兄・伊之吉はそんなモンに辛く当たる

サンも帰省し、幼馴染で仲がいい鯛一に挨拶すると
モンの噂が近所中に広まっていて
「あんな娘と付き合うんじゃないよ」と母から釘を刺される鯛一

兄とモンはひどくケンカをして
それきりモンはまた東京に出て、住所も知らせず数ヶ月経つ

家に小畑が謝罪に来る
親からなかば監禁状態でなかなか来られなかった
子どもは堕ろして欲しいことを遠回しに言い
少しですがと金を渡す

父は癇癪を起こすかと思われたが、モンは流産したことを告げると
どこか安心した様子の小畑
父:娘のためを思うなら、もう二度と来ないでくれ、と言って出て行く

リキは小畑に帰りに食べなと饅頭を渡す

帰り道に追って来る伊之吉
小畑を殴り、自分がこれまでモンをどれほど可愛がってきたか
家族が近所からずっと白い目で見られているかを話す

伊之吉:
小さい時からずっと面倒をみて、可愛がってきたんだ
その気持ちがお前なんかに分かるか!
今のモンには以前の純潔さのカケラもない
もう二度ともとには戻らない


鯛一の親は早々にお見合い相手を決めて進めていくため
サンに「今からバスに乗って東京に行こう! なんとかなるさ」と強引に約束させる

バスに乗ると鯛一が子どものように饅頭をほおばっているのを見て
互いに目が合い、会釈する

サンは駅で自分の切符だけ買い、鯛一に帰るよう言う

サン:
まだ早いわよ 東京に行っても泊まるあてもないし
どうして親に私のことをちゃんと話して見合いを断らなかったの?
いくじなしよ

と言って一人で電車に乗る


お盆に帰省する姉妹
サンはもう東京で働いている

川に灯籠を流しに行くと、鯛一はもうちゃっかり結婚していて呆れるサン

すっかり変わってしまったモンにまた激怒する兄と猛ゲンカになる
マチ子さんのちゃぶ台のひっくり返し方はお見事!

モン:いくら兄でも弱い人を殴るなんて許せない! 卑怯よ!

売り言葉に買い言葉で、ついに取っ組み合いになり
泣き出してしまう母とサン

母:もうやめて! お前もカタギになっておくれ

モン:
私、思ってるほど落ちちゃいないわよ
でも、、、もうダメなの


暑い中、林道を帰る姉妹 母は2人が見えなくなるまで見送る




サン:今度いつ帰るの?

モン:
さあ・・・親の顔が見たくなったら
あんな兄貴でも顔を見たくなる時があるのよ






<ポスター>





 


こんなところにマルクス・ブラザース! このタッチどこかで見覚えがある



<今回拾ったチラシ>


 




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