ほりでぃ・キッチン

たわいもない日常を暮らす中で感じた
たわいもない事を綴ります。
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ブラック・スワンに見る「女といふもの」

2011-05-31 10:21:47 | 徒然なるハナシ
映画の告知を見る度に「絶対に映画館へ見に行く」と
決めていた映画


ブラック・スワン


公開初日に見てきました。


その日は、仕事でちょっと嫌な事があって。
「このまま家に帰ると、絶対に夫に八つ当たりする」と確信。
そこで、レイトショーをひとりで見に行くことに。

こんな時、
夫婦二人だけの生活というのは気楽。
夫には「ごめん、何か適当に食べておいて」とメールして、
私は、映画を見ながらキャラメル味のポップコーン。

家事にうるさく言わない夫に感謝です。


そんなこんなで、ムシャクシャした気分で出かけた映画ですが、
そのムシャクシャした気分が「何であるか」を
解き明かしてくれるような内容で。

ぐいぐいとスクリーンに引き込まれ、
ポップコーンを食べるのも忘れて見入ってしまいました。

美しい白鳥に潜むブラックな感情…
(ネタバレになるので、ストーリー&細かな感想はナイショ)

ナタリー・ポートマンの美しい白鳥姿と
素晴らしい演技力。
そして、効果的に使われている、
聞きなれたチャイコフスキー作曲の「白鳥の湖・情景」。

仕事での嫌な事も、
この映画のおかげで「大きな気持ち」で受け止めることができました。

1人で深夜のレイトショー。
しばらく、癖になりそうです。


*画像は、初日限定プレゼントのポスター。
ウットリするほどの美しさであります。



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親孝行のプチ旅行~山鹿編~

2011-05-23 12:47:11 | お出かけのハナシ
先週から夫が長期出張へ。

その間、ひとり暮らしになるので、
時々、実家へ泊まりに行っています。
実家の両親も、「いつも老人2人きりなので、嬉しい」と
喜んでくれます。

私は、金魚やインコの世話があるので、
行ったり来たりで、ちょっと大変なのではありますが…
まあ、これも親孝行。

先週末は、
私も両親も時間があったので、
県北の「山鹿」へプチ旅行。

山鹿市は、実家から車で1時間ちょっと。
紙だけで作った「山鹿灯篭」や温泉地としても有名。
特に、近年は、町興しにも力を入れていて、
米に関する歴史的産業施設をめぐる「米米惣門ツアー」も開催中。

今回は、ツアーに入るほどの時間はなかったので、
「どうぞ、お気軽にお入り下さい~」
の声につられて、一軒だけ見学させてもらいました。

こうじ専門店 木屋本店





創業180年の古い店舗と、昔ながらの製法を
説明付きで無料見学できます。

特に感動したのは、米コウジ。


温度管理に細心の注意を払いながら、
丁寧に丁寧に手作り。
味噌や酢、甘酒を作っているのだとか。

昔ながらの、コウジの香りがする手作り味噌は風味満点。


私は、
まろやかな風味が気に入り、お酢200円を購入しました。



さすがに天保年間創業だけあり、
店と工場、住まいが一緒になった建物は、
京都の町屋のように、うなぎの寝床のような作りになっていて、
蒸し暑い日でしたが、風通しがよく、
中庭の風情も素敵!


甘酒や味噌ドレッシングなど、
ほとんどの商品を試食させていただき、
あっという間に時間がたってしまいました。

お勘定をする間にも、
山鹿のことをいろいろ教えてくださったり。

人情あふれる素敵なお店。
また、時間がある時に、ゆっくり訪れてみたい町並みです。


そして、買い物の後は温泉へ。
山鹿には、銭湯感覚で入れる「立ち寄り湯」がたくさんあり、
今回は、旅館「よへほの宿」の立ち寄り湯へ。






なんと、ここの女湯には、「露店風呂」と「コーヒー風呂」があるんです!
しかも、大人ひとり300円で入れます。
(男湯にはありませんが、午前と午後で男湯と女湯が入れ換わるそうです)

お湯は、無色透明でありながら、
ツルツルとして肌にしっとりとまとわりつくよう。
お湯の肌触りが最高に「温泉っぽい」。

温度はやや低めながら、
ゆっくり30分も浸かっていると、
体の芯からポカポカに。


お腹もいっぱい、
温泉にも入って、
帰りには、西益屋という有名な和菓子店で、
山鹿名物の灯籠最中を買って帰路へ。



ほんの数時間のプチ旅行でしたが、
両親もすごく喜んでくれ、
ちょっとは親孝行できたようで、充実した一日になりました。



*お店には、すべてブログ掲載許可を取ってあります。


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名店発見!のハナシ

2011-05-15 23:59:47 | 美味しいもののハナシ


今頃ではありますが、
春休みに東京に行った時のこと。
いろいろ大変ではありましたが、
せっかく高い交通費を支払い、
仕事もお休みして出かけたのだから、
しっかりと「押さえるところは押さえて」きました((笑))

そのひとつが、

カツカレー発祥の店でカツカレーを食べる


息子と銀座へ買い物に行った時のこと。
遅い朝ごはんのせいで、
ランチタイムも過ぎた午後3時頃になって
「お腹すいた~」。

しかし、ランチタイムが終わった銀座での食事なんて
財布が怖くて、そうそう
おいそれとお店に入るなんてことはできない田舎者の母←私。

「どうしよう」などと言いながら、
中央通りから少し入った脇道などをブラブラしていたら、
美味しそうなカレーの香り。

昭和の雰囲気が漂う外観のこじんまりとしたお店。
外のメニューには、お手頃なお値段。

これはいい!ということで、
息子とふたり、お店の中へ。

時間がランチタイムも過ぎていたということもあり、
お店には、私たちと、あと1組のお客さんだけ。

でも、見渡すと、店内のあちらこちらに、
「元祖カツカレー発祥の店」の張り紙や、
お店が紹介された新聞や雑誌の切り抜きが…

これは、もしや名店では!?

「元祖カツカレー」を注文し、
慌てて、アイフォンで検索…

すると、このお店が、元祖カツカレー発祥の店

グリル スイス 銀座本店だということが判明。

それまでは「銀座にしては昭和チックな店」だの
「お店の人が、銀座の真ん中とは思えないほど素朴」
などと言ってたのが、
そこが有名店だとわかると同時に、
俄然、すべてに「そうだったのか!」と納得し、
「偶然とはいえ、良い店見つけてよかたねぇ」などと嬉しがり…

まったく、田舎者丸出しなのでありますが((笑))

ほどなくして運ばれてきた「元祖カツカレー」は、
まったりとして、でもしっかりと辛さのある、
どこか懐かしいルーと、
サックリとした揚げたてのカツが相性抜群!

ボリュームも満点で、息子も大満足。

偶然出会った名店でのランチは、
しばし、引っ越しの疲れも忘れさせてくれました。

追記:本当はカツカレーの画像も撮りたかったのですが、
「田舎者を露呈するから、絶対にやめて!」と息子に全力で阻止されて断念…
かろうじて、息子の目をぬすんで外観だけアイフォンでカシャリ。
シャッター音のしないデジカメを持参しなかったことが後悔されます…



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逆ホームシック

2011-05-13 00:12:45 | 家族のハナシ
娘が上京してから、早くも2カ月が経とうとしています。

上京したのは、東日本大震災の直後。
頻繁な余震、計画停電、原発事故、飲料水や農産物の放射能被害…
楽しみにしていた武道館での入学式も中止され、
ただただ不安の中での上京でした。

引っ越しや、娘の持病の悪化を心配して、
私も一緒に約1ヵ月間の東京滞在。

その間、本当にいろんなことがありました。

例えば、初めて聞く携帯電話の緊急地震速報に驚いたり、
例えば、計画停電のため、午後5時に閉店するスーパーに急いで買い物にいったり、
例えば、計画停電中にも営業しているコンビニの入店規制を経験したり、
例えば、まったく何も陳列されていないコンビニやスーパーの棚に唖然としたり、
例えば、地下鉄をのぞく、ほとんどの駅のエスカレーターが止められていたり、
例えば、飲料水がまったく買えなかったり、
例えば、電車の灯りも駅の灯りも有名な観光地も節電されていたり、
例えば、毎日揺れる地面で地震酔いになったり
例えば…例えば…

数え上げたらキリがありません。

この連休、たった3泊ではありましたが、
娘が帰省してきました。

そして、今の東京の状況を聞きました。
すると、
計画停電はなくなり、
物資も不自由なく買えるようになり、
電車のダイヤも復旧し、
余震も少なくなったとのこと。
でも、
やっぱり東京電力管轄地域の節電は続いていて、
やっぱりエスカレーターは止まったままで、
竹下通りも暗いままだと…

こちらに住んでいると、
ともすれば忘れがちな震災被害。
被災地はもちろん、東京でも、いまだその爪後は残っているんだなあと
改めて実感。

連休が終わり、
再び娘を空港から見送りました。
そして、次の日から、
私は逆ホームシックにかかったようで、
毎日、ひとりになると朝晩をとわず、涙がじわり…

東京へ行きたい。
東京へ「帰りたい」。
こどもたちのところに戻りたい。
ご飯を作ってあげたい。
掃除をしてあげたい。
洗濯をしてあげたい。

娘を抱きしめたい。
息子の就活を応援したい。

夫は言います。「子離れしろ」と。
実家の両親は言います。「子ども達だけのほうが成長するよ」と。

わかっています。
わかっています。

すべては私のエゴだということ。
すべては私の勘違いだということ。

もう、子どもは巣立ったのだと。
もう、親の仕事は終焉に近づいているのだと。

それでも、
夫婦ふたりの生活には、慣れなくて。
日に日に、彼の地への想いは深くなる一方で。

それでも、
私は、ここで生きて行かねばなりません。
子ども達の成長を妨げないように、
子ども達の巣立ちの邪魔をしないように…

私が母親の仕事を終え、
東京を発つ数日前、
入学式が行われるはずだった武道館に立ち寄りました。

桜が咲いていました。

日本の哀しみを感じたのか、
例年よりもずいぶん遅い開花でしたが、
千鳥が淵の桜は、
昨年と同じように美しく、
昨年と同じように満開で、
昨年と同じように水面に花筏を浮かべていました。

春は、忘れていませんでした。
哀しみも苦しみも飲みこんで、
桜は、そこに凛として咲き誇っておりました。

大丈夫。
日本はきっと大丈夫。
東京はきっと大丈夫。
子ども達はきっと大丈夫。
私はきっと大丈夫。

満開の桜の下、
涙で曇るディスプレイを見ながら、何度もシャッターを押しました。



連休も終わりました。
熊本の桜は、すっかり葉桜になり、
新緑がまぶしく輝いています。

娘を乗せた飛行機は、
日出る方向へ飛び立ちました。



今度会うのは夏ですね。
いってらっしゃい。あなたの街へ。




機影が見えなくなった空の下には、
桜の緑が、深く深く萌えて…

熊本は、もう初夏です。



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