シュルイのブログ「エコ魂」

スケールの大きい小心者のこの私。地球の未来を憂いて早四半世紀。地域活性と持続可能な社会を目指す日々を綴ります。

妄想未来ばなし第一話~OKくっくる、どうすれば平和になるの?の巻~

2022年02月06日 | 平和
前回の記事に書いた「妄想未来ばなし」。
妄想、とはコトバンクによると以下の通り。
①とらわれの心によって、真実でないものを真実であると、誤って意識すること。また、そのような迷った考え。邪念。
② ありえないことを、みだりに想像すること。みだらな考えにふけること。また、そのような想像。ぼうそう。
③ 特に根拠がないのに不合理なことを事実と確信し、誤りを立証しても承知しない状態。いろいろな精神病の症状として現われる。
なので、正しくない(先の事なので正しいも何もないのだが)内容であっても、フィクションですから悪しからず。

ここから本文。

202X年、新型コロナウィルスはほぼ収束したと言っていい、とWHOが発表した。
実際には感染者がゼロではないもののウィルスは弱毒化し、重篤化したり死亡する事は無くなったためである。
世界は感染症による恐怖からは解放されたが、コロナ前からある気候変動などの危機は悪化し、
コロナ禍で勢力を増した専制主義の国が世界の治安を脅かしていた。

日本では、的基地攻撃能力を行使することを認める法案が可決された。
国民の声は様々である。
「いざという時は、と思うと安心です」
「反撃されたら戦争になる」
「核兵器を持たないかわりに抑止力として、攻撃能力を備えていると世界に知らせることが重要なんだ」
「基地だけをピンポイントで攻撃するなんて、そもそも可能なのか」

世の中は、明確にひとつの正解が見つからない問題が多すぎる。
しかし人々はすぐに答えを求めたがる。
そして、スマホに向かって呼び掛けるのだ。
今人気の音声アシスタントは「くっくる」。
リベラルとか左派とかZ世代が好んで使っている。
平和の象徴である鳩の鳴き声を連想させる名前にしたのだそうだ。

鳩ならばあちらこちらに沢山いるが、それを見ても平和だなぁと思うワケでもないし、
平和の象徴とされるのはいつも真っ白な鳩だ。
ドバトと呼ばれるキジバトは街中やベランダでの糞害もあり、どちらかというと嫌われている。

鳩に対してでさえ、白い方が良いイメージを持っているというのは
日本人が差別をしないといいながら、白人、つまりは欧米人以外の外国人に対して
差別意識を持ち、しばしばヘイトスピーチや人権侵害につながる行為をする人が存在する現実を連想してしまった。

「ふう」とため息をついてスマホを取り出し、
「OKくっくる、どうすれば世界が平和になるの?」と聞いてみた。

くっくるが答えるより早く、急に別のアプリが立ち上がった。
ニュース速報だ。

「核兵器」という文字が目に飛び込んだ。

つづく


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