アウクスブルグ宗教和議でカトリックの欧州大陸一円統治は終焉しました。
たがルター派領主の所領が聖句主義者の安全地帯になったわけではありません。
ルター派教会も教理主義でしたからカトリック教会とともに聖句主義者を迫害しているのです。
だがルター戦争は海を隔てた英国の宗教界に激変を誘発しました。
カトリック軍がドイツで戦っている最中の1535年、時のイギリス国王、ヘンリー8世が
突如国教をカトリックからイギリス国教会に変更してしまったのです。
聖句主義活動に自由をもたらす衝撃力という面では、こちらの方が百倍強烈でした。
契機は王の離婚問題でした。
国王・ヘンリー8世はスペイン王室からキャサリンという姫を王妃に迎えていました。
ところが彼女からは20年たっても男子の世継ぎが生まれませんでした。
そこで女王の侍女をしていたアン・ボレインという女性に生ませようとしましたが、
彼女は愛人としてではいやだと応じません。
そこでヘンリーは王妃との離婚を望みましたが、この時点ではカトリック教会が国教でしたので
彼はローマ教皇から許可状をもらう必要がありました。
で申請しましたが認可状はきませんでした。
そこでヘンリー8世は、ならば国教を取り替えるだけのことと、
イギリス国教会を作ってしまったのです。
国王はカンタベリー大司教に国教会の諸事に関する最終決定権能を持たせました。
つまりカトリックの教皇を彼に置き換えたのです。
だが王は同時にその任免権を自らの手に保持しました。
こうしてヘンリー国王は政治から宗教に至るまで、国王主導で統治できる体制を整え、
絶対王制を確立したのです。
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