週刊碁ブログ

編集・整理班が紙面にはできない小ネタを語ります。読んでも、たぶん強くはなりません。

集中した金曜日

2012-03-27 03:58:03 | 整理・小瀬村(神奈川/蟹座/卒業生)
毎週木曜日はプロ棋士の手合日ということもあり、私たちスタッフ、棋士、
関係者の皆様でにぎわっております。
手合の前後で取材をセッティングするケースもあり、それはそれは
にぎやかなもんです。
あ、雑談少々、業務ほとんど、ですよ。念のため。

まあ、どこの会社にもある風景かと思われます。
(広告担当時代にスポンサー様の社にお伺いすると別室に通されるので、
他者様の状況はお世話になっている印刷会社様と広告代理店様くらい
しかわかりません)

金曜日はうって変わって、と言いたいとこですが、なかなかどうして
またにぎやか。この一日で仕事から解放される、という雰囲気はよく
わかります。私も昔はそうでしたから。

で、なんの話なのかといいますと、

にぎやかな仕事場でも慣れているもので、よほどでないと集中は
切れません(えへん)。

もうすでにお手元にお持ちいただいてます週刊碁の7面を組んだ時も
周囲はそこそこににぎやか。

でもね、えらく集中できたんです。

不思議ですね。普段は遠くで私も知っている思い出話なんかしていると、
スッと立ち上がって参戦しに行ってしまうのですが(笑)
そんなの聞こえているようではまだまだ。

「このように組みたい」という青写真がある面でしたから、「そうは
問屋が卸さない」とばかりにうまくいかない行数と格闘していました。

いま、このブログを書いている週明けのタイミングで見直すと、
「普通に組んでいるじゃない、どこに苦労の跡があるのよ」という
感じですが、その作業手順を追っかけてみます。例題はその7面です。
(長くなる悪寒)

@@@@

【メニューの作成】

全体の分量は編集さんが「これでどうかな」くらいの見当をつけて
くれています。メニューとよばれる箇条書きのメモですね。

写真これ使ってとかも書いてある場合もあります。
(色んな都合から翌週に掲載を送るものもあります。残稿とか言うみたい
です。新聞なんだから速週で行きたいところですが、こればかりは紙面の
空き具合だけの話ではないのです。ごめんなさい)

【写真選び】

編集さんがハンドリングして、これ使ってという場合と、それなしに
整理が選んで使う場合とあります。
(整理が選ぶと、イメージと違うからと言って差し替えになることも…)

ここで、紙面をお持ちの方は週刊碁的囲碁ガールの掲載位置に着目して
ください。7面か11面に掲載してきた週刊碁的囲碁ガール。たしか…、
淡い記憶では、ずっと左肩に組んで来たと思います。ここに来て初の
(未確認)右下です。今回のお写真、真正面でいいものもあったのですが、
実際使用したものの表情がよく、これが左向きなんですね。

紙面の内側を向くように、右下に持ってきました。

【だいたいの位置決め】

少し話が重複しますが、囲みの位置を先に決めるのは、悪い意味で「ちょ
っと楽した」レイアウトなんですね。優先順位というものがありまして、
メインの記事からスタートするのが本道。記事の扱い、という話ですね。

今回のこの週刊碁的囲碁ガールについては、囲みのサイズを決めてしまって
あるので、ちょっと意味合いが違います。
(囲みケイを3段にしていますが、2段にするのもありますね、今回は。
2段だと写真が突き抜けているような格好になります)

メインから決めてあっちの記事、こっちの記事、メインに戻ったり……と
行ったり来たりです。

【分量とご相談】

メインは何行、サブは何行……と数えて行きます。左端にあります「碁界
ネットワーク」という何のページかを示す表示「通称凸(トツ)」がメインの
見出しに下あたりにくると、サブ記事の読み出しがおかしなことになるので、
この位置に置いています。
(このあたりの作業は、ゲーム「倉○番」によく例えられますね。週刊碁では
棋譜が大きな存在なので、他の面だともっと似ています(^^

写真の大きさと見出しの大きさも、「扱い」の意味と紙幅の限られている意味と
合わせながら考えて行きます。

【見出しとえとき】

見出しとえときは整理が考えます。まあ、仮、みたいなものですね。変な
見出しだったり、ダジャレがすぎる場合はゲラになってからサヨナラします。

ちなみに例題の7面は、メイン記事のサブ部分が少々変わっていて、
サブ記事「若手中国合宿」はメイン部分がまるで変わっています。

【校正】

またまた前後しますが、ゲラになってからは編集スタッフのみんなが、最初の
読者になります。厳密に言うと著者がいて、整理が組むときに目を通して、
なので3段階目ですが。整理もその際、明らかな誤字脱字は直すのですが、
まあ、直しの入ること入ること。
印刷してから読者の皆様からご指摘をいただくのは困るので(苦笑)、ここで
きれいな状態にもって行きます。

@@@@

ちなみに竜星戦の進行は先に原稿が入っています。4段ですので、上の紙面は
通常の面よりも1段少ない。少ないから楽? いえいえ、それは週によりです。
狭いところに詰め込まないといけないこともあるし、7段分でも少ないことも。
(その時にどうするかは、またの機会に^^

3月26日発売(4月2日号)のラインナップです。

1、2面 NECカップ決勝戦

3、4、5面 棋戦ワイド・お立ち台(松岡秀樹九段)

7面 棋戦ネットワーク・週刊碁的囲碁ガール(東門道子さん)・竜星戦

8面 山下敬吾名人のはじめての手筋・歴代本因坊列伝

9面 これぞプロ!
   杉内雅男九段(宮崎県)―常石隆志初段(神奈川県)
   高梨聖健八段(静岡県)―安達利昌二段(東京都)

10、11面 NHK杯決勝・二十五世本因坊治勲のお悩み天国「これが治勲のシノギ方」
     ・棋士の本棚(久保秀夫六段)

13面 認定

15面 依田紀基九段の「依田式上達術」

17面 アマ碁界ワイド・碁の句春夏秋冬
   ゆうちょ杯第15回ジュニア本因坊戦各地区大会

18面 ベスポジを探せ

20、19面 森ビル杯十段戦五番勝負第2局

〈ふろく〉

詰碁の向きにつきまして。これ、語り出すと長くなります。
異論の噴出も予想されます。 

まず最初に、本紙の講座とかでは下を切って上を使ったり、逆だったり、
正直まちまちです。講座の執筆者にまかされています。

認定や「1分の詰碁」の場合は基本的に上半図にしています。

そこに、読者の方からの投書(お電話だったかな?_?)がありました。
「盤に並べて考えている。下半図だとうれしい」。

これは悩みます。常日頃から隅々まで神経を配っていので即答、と言いたい
ところですが、あまりに普通なところに言及され、正直困りました。

一応、上司に相談した上で、出した答えは現状維持。もちろん、積極的な
意味があります。でも、見解の相違のあるところなので、その話を聞いた
「月刊碁ワールド」誌では下半図に切り替えました。

理屈をグダグダ並べることになるので気が進みませんが、碁はどっちから
どう見ても局面が理解できます。
将棋も横から見ても、まあわかりますが(そこはツッコまないで^^

実戦で死活の局面が出てきて、手前だから読めて相手の方だから読めない
わけはない。現在の週刊碁では基本的に黒番にしていますが、白先の状態に
なることもある。石が加わってしまうこともあるわけで。

これは後になって、とあるプロの先生のお話を聞いているときにまったく同じ
話が出てきました。上下左右どの位置にあっても、反転(ネガポジみたいに)
していても読めないといけない、と。
コメント
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