福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

フレイル・ポリファーマシー・緩和ケア 地域包括ケアの今後を見通す

2016年08月06日 | イベント&地域情報


千葉大学病院で開催された第10回千葉県地域連携の会。
今年のテーマは、地域包括ケアと地域医療構想です。

全体会の中で、千葉市役所の地域包括ケア推進課の冨田課長も講演されました。
その中で紹介された1枚の写真。
「左の下の写真は、昨年おゆみ野公民館を借り切って開催された、いわば地域包括ケア祭りのようなもので、長年の多職種連携の取り組みの集大成です。市長も一緒に体操をしている珍しい写真です。」
と取り上げ、千葉市内ではさまざまな地域でこのような連携活動が始まっていると報告されました。

この後、分科会に分かれて研修。
初めに、「高齢者医療センターにおける地域医療連携」という分科会に参加しました。
千葉大学病院に設置された高齢者医療センターのとりくみ報告から、現在そして今後課題となっていくであろう三つが気になりました。
一つは、フレイル。
フレイルとは、高齢者の虚弱を意味する言葉です。
自立していて元気そうに見えても、心身の機能が少しずつ衰えていくのが高齢者の特徴です。
出来るはず、と思っていたことが予想外にできなかったり、放っておけば機能低下が免れないような状況でも、しかるべき介入で再び健常な状態に戻るという可逆性を包含しているのが、フレイルの特徴の一つでもあるとのこと。
今ある機能を失わない、活かしていくような介入が、介護には求められるのだと思いました。

二つ目は、ポリファーマシー。
これは、多剤併用と言って、何種類もの薬を服用している状態のことを言います。
多くの診療科にかかっている高齢者は、同じ症状に対応する別々の薬を同時に飲んでいることが多く、これまであまり気にかけてこなかったお薬の管理がとても大切だと知りました。
何十錠もの薬を飲んでいた高齢者は減らすことに抵抗があるそうですが、処方内容の見直しと適正化が今後は求められます。

三つめは緩和ケア
緩和ケアとは、がんなどの終末期を迎えるための看取りの医療と捉えられてきましたが、必ずしもそうではなく症状を和らげるための医療と捉え、通常から心にも身体にもはたらきかけていくことが大切である、という考えは、介護や看護の姿勢そのものであると感じました。

二つ目の分科会は、認知症高齢者と子どもの結びつきを考える。
どちらにも良いことではないかと漠然と考えていましたが、発表を聴いているうちに違和感が湧いてきました。
元気な高齢者と子ども、という場合と、認知症高齢者と子ども、という場合では、少し違うのではないかと感じたからです。

仮に子どもが認知症を理解したとしても、高齢者は子ども好きな人からそもそも人の輪に入るのさえ鬱陶しいという人もいます。
双方が、互いに理解し合う、互いに有用な存在だと感じる、互いに相手が喜んだと感じる、そういった交流に持っていくにはどうすべきだろうか?とあらためて考えました。
発表された事例は、学校内や施設での取り組みで、とても精力的な取り組みです。

一方で地域においては大人でも認知症への理解がまだまだ進んでいない中で、子どもたちを巻き込んでいくのは難しいことだと感じます。
だからやらないほうが良い、などと結論を出すつもりはありません。

これらの事例を踏まえて、一人ひとり丁寧に取り組んでいくべきことではないかと感じています。



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