●名古屋市の児童館
名古屋市は16区あり、各区に1館ずつ児童館が整備されています。
整備された時期は、昭和46年から56年の間ですからどの児童館もそれなりに歴史がありますが、現在は16館とも指定管理者に管理が委ねられています。
指定管理者となっているのは、市社協単独が12施設で区社協が1施設、ワーカーズコープが1施設、その他がNPOや市社協との共同体です。
児童館というのは、児童福祉法に基づく子どものための施設で、職員も基準通りにきちんと配置されなければなりません。
ここは、熱田区にある熱田児童館。
館長と児童厚生員1名、レクレーションスタッフ2名が常駐しています。
また、学童(千葉市の子どもルーム)専用の部屋も用意されていて、帰宅後の保護者がいない子どもたちは、登録してここで過ごします。
学童専任の指導員は2名いますが、職員はいずれも市社協によって採用された職員ということになります。
施設設備としては、園庭や体育室、遊戯室、図書室、クラブ室などがあり、これらの部屋では、学童に在籍する子どもも、家からやって来た子どもも一緒になって遊ぶことができます。
ここの視察は午後2時頃からでしたが、学童のお部屋はお昼寝中で静まり返っていました。
3時前には、館内にいた子どもたち全員を園庭に連れ出して、ラジオ体操が始まりました。
館長さんが仰るには、子どもたちは放っておくと、1日中ゲーム機と向き合っている。何とか体を動かして気分転換を図る方法はないか、と苦肉の策で思いついたのが、日中のラジオ体操・・・だったのだそうです。
男の子たち4人が、レクレーションスタッフに呼ばれて神妙に叱られている場面にも遭遇しました。
さて、育成会によって運営されている施設とは比べ物にならないほど施設は恵まれていますが、各区に1館では利用できる子どもは限られます。
それでも各区に1館あるということは、千葉市に比べれば雲泥の差です。
●千葉市の児童館的施設
ところで、千葉市にも子どものための施設はあります。
千葉中央のきぼーるの子ども交流館は、千葉市唯一の子どもの居場所として人的整備もされた施設です。
名古屋市の児童館と異なるのは、児童福祉法に基づく施設ではなく、市内唯一という点です。市内唯一なので、千葉市内のどの子にも利用可能かと言えば物理的には無理なのです。
そういった意味では、一部の子どもにとっての日常の施設であり、大半の子どもにとっては、特別なハレの施設です。
さらに千葉市には、児童福祉センターという名称の施設が6か所あります。
この施設については、名称と実態とがマッチしているのか?という課題もあるような気がします。この課題については、いずれ考えてみたいと思います。
また、南部青少年センターという施設もあります。
これは教育委員会が所管しているが故に交流館とリンクはしていません。
こういった点も実は不思議な現象です。
さて、千葉市の子どもたちにとっても、日常的に自由に出入りできる地域の居場所がもっと必要ですが、今後、新たな箱モノを増やすことは不可能です。
既存施設、たとえば学校の余裕教室とか、保健センターあと施設、空き一軒家、公民館やコミュニティセンターの一部分、現状の機能に対しては過大整備と思われる区役所や保健福祉センターの一部分など、工夫の余地はあるような気がします。
ただし、そこには子どもに相対する大人が必要です。
千葉市の子どもたちに言わせれば、信頼できる大人にいて欲しいとのこと。
信頼できる大人・・・子どもの居場所づくりとは切り離せない今後のキーワードですね。
「信頼できる大人のいる、子どもの居場所」もうひとつありますよ~「子どもたちの森」。あんまり「施設」らしくないのも事実ですけどね。
そこは「公園」ですから、子どもだけでなく本当に誰でもが「日常的に自由に出入りできる地域の居場所」な訳です。
こちらも、常設プレーパークとしては市内にたった1つなので、利用できる子どもは限られます。でも最近は自分たちの身近にもプレーパークを!と考えて活動する方々が増えてきました。おゆみ野の皆さんもそうですよね。そうやって市内のどの子どもも気軽に使える場所、「ケの施設」となっていければ理想的です。
体だけでない「心」の居場所、増やしていきましょうね!
初コメントありがとうございます。
子どもたちの森、青空のもとの心の居場所として最高ですね。
千葉市のプレイパークの草分けとして、頑張って欲しいと思います。
おゆみ野の森のみなさんも、新たな一歩を踏み出しましたよ。
これからも、どうぞよろしくお願いします。