Into The Wild をみて

2009-12-17 19:39:04 | Weblog
現実逃避の話

誰しもあるでしょ?

おれも、プチ逃避行歴あるし....。
会社とか休んだりして。

主人公のクリスだって、最初から永遠なる逃避など思っていなかったはず。

ただ、出自の秘密を知り、別の家族を持つ厳格な父親によって敷かれた人生のレールを歩むことを拒み、世間との隔絶を選び、荒涼たる大地に救いを求め、道中でのそれはそれで彼の人生を大きく転換させる可能性を秘めたいくつかの出会いを振り切ってまで旅を続け、ようやく辿り着いたアラスカだったのに。

畏敬の念すら抱いていた自然は容赦なく彼に牙をむき、終には彼を死に至らしめる。

むごいといえばむごく、甘いと言われれば甘い。

彼が逃避し続けたものは、果たして彼の命を犠牲にする程の問題だったのか?
事実、彼自身がその問題に自分なりの答えを見出した時、無情にも元の世界へ戻る道は冷たく閉ざされ、そして彼を待ち受ける余りにも残酷な運命。

この映画で画面いっぱいに映し出される大自然以上に美しく描かれていた、かつて誰もが持っていたはずの、瑞々しくも儚い青い果実のような若者の感性。
それを少し思い出せただけでも、この映画は鑑賞するだけの価値がある。(実際に観たのはDVDですが...)

彼が、死に際に残した言葉

Happiness is only real when shared.

幸せは独りだけでは味わえない.....んだな。