川村カオリさんのブログから拝借しました。

2009-08-01 12:22:49 | Weblog
川村カオリさんに特別な思いがあった訳ではないのですが、訃報を知って思わず彼女のブログを拝見しました。

この詩は、彼女自身が綴った最後の日記の2通前に掲載されていたもので、この詩自体は他のサイトでも読むことができますが、最後まで病魔と闘い抜いた彼女が紹介したからこそ価値があり、伝わってくるんだと思います。

病魔以外でも、生きていく以上人は闘わなければならないものがたくさんあって、そんな自分を支えてくれるために「詩」というものが生れてきたのだと思っています。



危険から守り給えと祈るのではなく、
危険と勇敢に立ち向かえますように。

痛みが鎮まることを乞うのではなく、
痛みに打ち克つ心を乞えますように。

人生という戦場で味方をさがすのではなく、
自分自身の力を見いだせますように。

不安と怖れの下で救済を切望するのではなく、
自由を勝ち取るために耐える心を願えますように。

成功のなかにのみあなたの恵みを感じるような
卑怯者ではなく、失意のときにこそ、
あなたの御手に握られていることに気づけますように。

(ラビンドラナート・タゴール『果物採集』より 石川拓治訳)

P.S.

人間には絶望ということはあり得ない。人間はしばしば希望にあざむかれるが、しかし、また「絶望」という観念にも同様にあざむかれることがある。
(太宰治 パンドラの匣の一節より)