八濱漂泊傳

ダラシナイデラシネ記

五人宗谷

2009-10-29 23:41:00 | シーパラダイス

 

本日は!

備讃瀬戸の海賊 の話。

 

瀬戸内 直島 の北側、

下烏島の東側に・・・・

 

五人宗谷(ごにんぞわい? ごにんぞらえ?)

という岩礁がある。

 

満ち潮には海に隠れ、

引き潮には顔を出す、

海の難所がある。

 

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?lat=34.48776562380968&amp;lon=133.9653182237891&amp;z=15&amp;mode=map&amp;pointer=on&amp;datum=wgs&amp;fa=ks&amp;home=on&amp;hlat=34.66167127311&amp;hlon=133.93438698943&amp;ei=utf-8&amp;s=12568337399adff37035c6109f4c2209ae79cc8312&amp;width=480&amp;height=360"></script>

 

昔々、

 

鞆の浦 の船宿で

盲目の 五人の僧 が

上方行きの船を待っていた。

 

五人の僧 は、

都まで 検校の位 を貰いに行く途中である。

 

身なりからして裕福そうな 五人の僧 に、

親切そうな船頭が声をかけた。

 

 「座頭の旦那衆、どこまでいきなさる。

  大坂行きなら、私の船に乗んなせえ」

 

五人の僧 は、

渡りに船と喜んで、船に乗り込んだ。

 

 

船は、鞆の浦を出帆し、東へ向かう。

 

 

備讃の瀬戸にさしかかった頃、

船の底には、しだいに海水が溜まりだした。

 

 

船頭は言った。

 

 「座頭の旦那衆、船のアカを汲むんで

 この先の小さな島に上がって、

 待ってておくんなせえ」

 

五人の僧 は、

船頭に手をひかれ、

船を下りて待たされた。

 

岩場の上で、

肩を寄せ合う 五人の僧 の足元に

だんだんと潮が上がってきたので、

 

 「船頭さん、まだか?」

 

と声を掛けたが、返事はない。

 

 「船頭さん、まだか?」

 

 「どこへ行った?船頭さん」

 

 「船頭さん、まだか?」

 

何度、声を掛けても返事はない。

 

 

五人の僧 は備讃瀬戸の岩礁に

置き去りにされたのだった。

 

 

やがて、

潮はどんどん上がり

五人の僧 は無常にも・・・・

 

海の藻屑と消えたという。

 

 

 

その岩礁が、

五人宗谷 である。

 

 

 

今でも 五人宗谷 は、

漁師も気味悪がる岩礁だという。

 

 

五人宗谷 の海底には

人骨が無数に沈んでいるという。

 

 

雨の日、 五人宗谷 あたりでは

海の底からすすり泣く声が聞こえるという。

 

 

時には、 火の玉 が岩礁のまわりを

ぐるぐると飛び回るという。

 

 

 

海で出会う人間を、

けっして信じてはいけない。

 

あの人も、この人も、

海賊なのかもしれない。

 

 

 

ところで、

 

 

この話にでてくる、親切そうな船頭とは

私の先祖 直島海賊 の一派

だったのだろうか? 

 

 

いつの日か、 

昭和の名船 「勝丸」 で

五人宗谷 を訪ねてみたいと思う。

  

 

 

親切そうに、

裕福そうな誰かを乗せて・・・・

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。