ポストモダニズムの名建築!
『つくばセンタービル』
竣工1983年 設計 磯崎新
『つくばセンタービル』 とは、
科学技術の推進 という名の下に大事業化された
壮大な国家プロジェクト 筑波研究学園都市 の
中心地にシンボリックに存在している。
この建築には、
建築家 磯崎新 の難解で不吉な言語が、
複雑で高度な文体によって表現されている。
磯崎新 の マニエリスム に、
不用意に近づくことは危険である。
この建築のもっとも有名な 広場 は、
カンピドリオ広場(ミケランジェロ) を反転させている。
ミケランジェロ の カンピドリオ広場 が
宇宙の中心 至上の幸福 を意味しているとすれば、
磯崎新 の 反転カンピドリオ広場 は、
何を意味しているのだろうか?
その答えは、
磯崎新 が自ら発表した
廃墟のドローイング から読み解くことができる。
つまり、
科学技術 の行く末は、
廃墟 ・・・・ つまり 死 なのである。
磯崎新 という男は、
国家が推し進める
科学技術 の象徴的建築において、
国家にへつらう事もせず、
なにくわぬ顔で 廃墟(死) を予言するという
大胆不敵な建築家なのである。
磯崎新 のドローイングを
よくよく見ると・・・・
どういうわけか、
福島第一原発 の惨状と重なるのである。
科学技術 を過信した
人間の驕り の危険性を、
今から30年も前に、
磯崎新 は警告していたのである。