ししょたま

司書資格を取得したので、
のんびりまったりな日々を少々。

読後感『よみがえる百舌』

2014年04月14日 | 私の本棚
逢坂剛『よみがえる百舌』 百舌シリーズ4冊目

前回、倉木警視が亡くなることになった事件は解決したかに見えた。
しかし、事件の関係者たちが一人、また一人と殺される。
手口はあの、百舌と同じ方法で。大杉と美希は、自身にも迫る危険を感じつつ、犯人を操る黒幕と
対峙しようとする津城警視正を追って孤島へ向かう。

***

今回のこの事件で、津城さんが死んでしまいます。
とうとう、倉木警視と津城警視正がいなくなってしまった。

倉木警視が死んだ今作から、ハードボイルとという要素はかなり減ったきがします。
やっぱり倉木警視には生きていてほしかったけど、美希と結婚してしまうと話の展開方法が
少なくなるのかな?

そもそも倉木と美希を結婚させなくて良かったんじゃないかな・・・当初、作家さんは、
このシリーズを長く続けるつもりはなかったんじゃないか・・・なんて思ってしまいました。

***

テレビで始まりましたね。
タバコをすうシーンが多かったので、どこぞからクレームなんぞつかなければ良いなあ
と思っていましたが、やっぱり問題視されてるとか・・・?!
ドラマだし・・・野暮なことは言いっこなしにできないかな・・・せめて今回だけ(笑)。
制作陣の方々にはブレずに、やりきったところを見せてほしいです。

読後感『砕かれた鍵』

2014年04月11日 | 私の本棚
逢坂剛『砕かれた鍵』 『幻の翼』に続く百舌シリーズ3作目

続発する警察官の不祥事やマスコミへの内部告発。
調査をしていた警察庁警務局特別監察官の倉木警視は捜査の中で、「ペガサス」という名前を聞く。

前作で結婚することになった倉木と美希(明星部長刑事)には既に、心臓に重篤な病を持って生まれた
男の子がいる。入院している病院に、間違って届けられた爆弾で、愛する子供と付き添っていた
美希の母が犠牲になる。

復讐を誓う美希、それを止めながら自身で捜査を始める倉木。見舞いに来て現場に居合わせた
元刑事の大杉も二人を助けながら「ペガサス」を追う。

爆弾テロ、警察内部の腐敗、美希に仕掛けられた巧妙な罠・・・。捕らえられた美希を助けるため大杉と
敵のアジトへ乗り込む倉木は激闘の末、ペガサスと相打ちになり死んでしまう。
「美希を頼む」と大杉に言い残して。


***

この本を2冊目として読んだから、明星美希が倉木美希になっていてしかも子供が生まれていたことに
すごく驚きました。しかも、主人公と思っていた倉木さんがあっけなく死んでしまうなんて。

1冊目の「叫ぶ夜」から、なんとなーくだけど、倉木さんの陰はどこか薄かったと思う。
作者は、倉木を主人公として愛していないのかなって思ったりもしたけど、3人の主軸の中でも中心中の
中心は美希と大杉だったのだと思い当たる。

作者が初めからそうしようと主軸を3人にしたのか。それともどこかでやめるはずだったのかわからないけれど。

しかしながら倉木にはまったくもって同情してしまう・・・。「叫ぶ夜」では奥さんを亡くし自身も
ボロボロになり、「翼」ではロボトミーをされそうになり、この「鍵」では、生まれたばかりの息子と
義理の母をなくし、最後は自身も死んでしまうのだから・・・。

私的には、倉木警視が活躍する話しをもっと読みたかったけどなー。
・・・倉木警視がいなくともこの「百舌シリーズ」は続くのであった・・・。

読後感『幻の翼』

2014年04月09日 | 私の本棚
『百舌の叫ぶ夜』の続編。百舌シリーズ2巻目。


『叫ぶ夜』の稜徳会事件は、事件の深層に到達することなく、捜査終了が発表されてしまう。
陰謀を感じ取った倉木は、明星に手伝わせて事件の真相を告発した原稿を書き、
大杉に雑誌社にもちこませる。黒幕をあぶりだして証拠をつかむためだ。

倉木は、黒幕派によって稜徳会病院に拉致されロボトミー手術を受けさせられそうになるが危うく逃れ、
法務大臣が黒幕の稜徳会事件を解決に導く。

ここに、『叫ぶ夜』で死んだと思われていた百舌が工作員として日本に潜入し、弟の復讐を始めたり、
また明星と倉木の恋愛事情が重なって、事態が複雑に進行していく。

***

ハードボイルドって、暴力、酒、女っていう要素が必要なんでしょうけどね。
『叫ぶ夜』では抑え気味だった『女』に関する描写が巻を追うごとに多く、大胆になっていくのです。

倉木の活躍も減って(とらわれの身なので、どうしても救出側(明星や大杉)の分量が多くなります)、
もっと活躍してくれたらいいのにもったいないとか思ったり・・・。

ここら辺から、3人の主軸の比重がかわります。明星と大杉がメインになっていきます。

読後感 『百舌の叫ぶ夜』

2014年04月08日 | 私の本棚
4月になりました。

ここのところ復活した読書熱。
4月スタートのドラマに合わせて原作をいくつか読みました。

今期はTBSのドラマに期待しているため、逢坂剛の百舌シリーズ4冊。

このシリーズを読むときに大事なのは、順番。
順番を間違えると「むむ?」となる・・・。何を隠そう、私も図書館で借りたものだから
1→3→4→2という順で読んだためいささか面食らった。

『百舌の叫ぶ夜』シリーズ一作目。ハードボイルド。
時系列が分断されて前後しているので、前の章で死んだ人が突然次ぎで出てきたりして慣れが必要。
でも読んでるうちに気にならなくはなるけど。

主人公は、倉木という男。強引な捜査もいとわぬ公安警察のエース。
事件は、新宿でおきた爆破事件に倉木の妻が巻き込まれ死亡するところから始まる。
その事件を刑事事件から扱う捜査一課の刑事、大杉、そして現場に偶然居合わせたという
公安の部長刑事、美希。この3人が主軸となって話しが展開する。

そしてこの事件に、別の角度から関わってくるのが「百舌」という殺し屋。
仕事筋から殺されかけて九死に一生を得たものの記憶喪失に。生きていることを知った仕事筋からの
追っ手をかわしながら「自分たちの」真実を知っていく。

この2つの動きが絡み合って、段々一つになっていく。
事件は一応の解決をみるが、火種はくすぶったまま。
そして、倉木の妻が抱えていた秘密と真実。

***

ドラマはどのくらいこの原作を踏襲するのだろう。
番宣で、「倉木の最愛の妻が」といっているのを聞いてかなり変わるのかなという予感はあるけど・・・
(5年前の事件に関わって退職とも言っているしね)。
原作では、倉木と妻は冷えた関係だったろうし。

原作のように、倉木が警察官としての闘いと男としての闘いを同時にしていたのだというところは
ストーリに厚みが増すと思うし、感情を表さず、乱さない倉木という男の魅力を増幅させると思うんだけど。

まあ、ドラマを楽しみに見ますかね。
それから、私的にキャストで一番しっくりきたのは小日向さん。外見的には、がっしりしたという描写も
あるので、ちょっと違うのかもしれないけど、雰囲気とかせりふが小日向さんのイメージ。
それもたのしみ。

本、届きました!

2013年12月16日 | 私の本棚
本、届きました。
英語2冊、仏語1冊。

仏語のこの本が買いたかったメインです。評判いいみたいなのでね。
ラジオフランス語が本になったものです。なんども見直すにはいいみたい。
ぜひ使ってみよう。

英語の2冊は、同じくラジオのビジ英、やさビジテキストの巻末に載ってる
熟語や慣用句の問題集・・・。
私はこういう問題集が好きでつい買ってしまうのですよ。
今回は仏語の本を買うついでに買ったという感じです。

早速はじめていますよ。


また買っちゃった

2011年08月29日 | 私の本棚
レシピ本・・・。
でも、でも今回はお菓子ではなくて、お料理のほう(?)という言い方でいいのかな。

買ったのは「タニタの社員食堂シリーズ」2冊です。
一遍に2冊もということで、その意気込みがわかっていただけるかと思います(笑)。

実は、テレビでタニタの社員食堂の食事で、森三中の大島さんとご主人がどれだけ痩せるか
という実験をやっていたのです。1か月、1回500キロカロリーの食事のみ、運動なし。
結果は、あれよあれよという間にスリムになられていました。
だんだんスッキリしていくのが画面上ではっきりわかるのです。

まあお二人とも開始時の体重が結構あったことと、お仕事柄のお食事事情があって
一般のわれわれよりは体重は落ちやすかったのだと思いますが、それでも
あんな風に健康的になっていく姿を目の当たりにすると、やっぱり「タニタ食堂」に
興味を持ってしまいます。(前々から、噂は小耳に挟んでいたんですけどねー)

本屋さんによってみたら、平積みで結構な数が置かれていましたよ。
中をめくってみたら、日常的に使えるレシピで「あの材料がなければ作れない」とかがないのですよね。
本当に普段使いできるなあと思いました。
また、本の通りでなくても、素材の組み合わせとか勉強できそうです。

でもでも、その番組ではね。1か月の間ね、専属というか専門の調理師さんがついてくれてて
カロリーを計算しながらサーブしてくれてていいなって思っちゃった。
お昼もちゃんとタイガーの保温お弁当箱に入れて配達してくれるの。
それはやっぱり一般人ではむりだものね。
それにしてもタイガーのお弁当箱の優秀さも目を引きましたよ。

図版 十二神将

2011年01月11日 | 私の本棚
わ、お正月からもう10日過ぎましたね。
その間に、年末に買ったユニクロが年初めに半額になっているという驚きが
ありました。そうなのかーユニクロで買うってタイミングがすごく大事なのねと
学びました。

今年初めての3連休でした。相変わらずの図書館とジム通いでした。
図書館では年末に借りていた本を返し、代わりに美術系の図版を借りてきました。
今、奈良の新薬師寺の十二神将を撮ったCMが流れていますね。
あれがすごく素敵だなあと思って、もっとよく見たいと思ったり、
また由緒など知りたいなあと思ったのです。

やっぱりすごく素敵でした。
像に残るかすかな色彩などもあり、作られた当初はどんなに色鮮やかだったのだろうと
想像力を掻き立てられます。あのCMどおりなのかもしれませんね。

仕方のないことですが、写真だと今ひとつ大きさや質感は分かりづらいんですよね…。
やはり現地に見に行くことに勝るものはないのですよね。
いつかゆっくりいけるといいなあ。

読後感 『打たれ強く生きる』

2009年05月26日 | 私の本棚
『打たれ強く生きる』城山三郎著。
読み終えました。すごく良かったです。誰かに薦めたくなる本です。

書店などの情報をみると、「ビジネスマンに向けた」という文言が出てくるのですが、
決してそんな印象ではないです。むしろ自分を見つめなおしたり、
これからどう歩いていこうかと考える人なら誰にでも「向いている」本だと思います。

取り上げられているのは、いずれもひとかどの人物ですが、サクセスストーリーではありません。
「打たれ強さ」の秘密を、人となりや個性に探しています。
それは危機に遭遇した時の心構えであったり、覚悟であったり、また日常における考え方、
心の持ちようといったものです。これが非常に学ぶところがありました。

「振り回されず、自分の時計をもつ」「ぼちぼちで良い」
「耐える時か戦う時かの見極める力をつける」
またしばらくたったらきっと読み返すだろう、そんな本です。



『打たれ強く生きる』

2009年05月20日 | 私の本棚
この間、ジムの帰りに本屋さんに寄りました。
棚の間を見て回って、ふと目にとまった1冊、パラパラっとめくって買ってしまいました。
『打たれ強く生きる』城山三郎著 新潮文庫
これは小説ではなく、エッセイ集。一編一編はすごく短く3頁ぐらいなので
きっとどこかに連載されていたのかなと思います。

まだ読み始めたばかりだけど、感心したり反省したりしています。
この間雑貨屋さんで買ったかわいいブックカバーに入れて
ゆっくり味わいながら読んでいます。