↑ 出発進行!
12月30日(土曜日・雪のち曇り)
(その8)のつづき
(その9)
福島駅から、今日第一のお目当てである福島交通線に乗り換えました。車両は、もと東急の7000系電車2両編成でした。
カテゴリの名前を「全国の私鉄と第三セクター鉄道を訪ねる旅」にしておきながらJRの話ばかりでしたが、ようやく私鉄が登場しました。'07年最初の記事で明らかにしたとおり、今年からの目標は「日本の鉄道全線完乗」です。しかし、実行の方は、前年2006年の年末から早くもはじまりました。今日は福島交通のみですが、明日東海道本線沿いの私鉄をいくつか乗るつもりです。
一番のお目当てであった福島交通線ですが、乗ってしまえば特にかわったこともなく、途切れる事のない住宅地を淡々と進んでゆきます。最初JRと並行し、「美術館図書館前」という長い名前の駅を過ぎると、今度は車道と並行するルートになります。
これだけ書くと普通の郊外電車のようですが、電車の一番前に立って景色を眺めると、前には山々が雄大な姿でそびえています。山が見えているだけで、安心感が全く違うといえます。
上下列車の交換。福島行きが近づいてきました。
終点まで20分少々でした。
最後の駅・飯坂温泉に、実にそろり、そろりと停車しました。脇に標識があり、「18」「8」「4」と書いてあります。「8」「4」を見たときは、停車位置を示す標識かと思いました。「8」は、”8両編成の電車はここで停車せよ”というふうに。(注:このような標識は、あちこちの駅に実在します。)しかし、もしそうだとすれば、「8」が「4」より前にあるのはおかしいわけです。
最初、ここですぐに折り返すつもりでした。しかし、財布の中に1万円札しか入ってなく、両替に手間取る間に電車が出てしまいました。次の電車は25分後まで来ません。始発から終着駅まで23分かかるので、2分の折り返し時間を取って25分おきのダイヤが組まれているのです。のどかな地方私鉄と思っていましたが、割と慌しいものです。
よく考えれば、せっかく温泉地に来たのに何もせずに引き返すなんておかしいわけです。色々出かけていると、たまにこうやって予定が狂ったり、乗るはずの電車に乗り遅れたりします。旅行中に「頭がすっきりする」のは、大体こういうときだと相場が決まっています。
駅前の観光案内所をのぞきました。歴史ある温泉地のここには、ふらりと立ち寄れる外湯が九つもあります。場所を調べると、幸い、駅から近い位置でした。
つづく