杣下す真国が奥の川上に たつき打つべし苔小波寄る
たつきは斧であるが、これが木に打ちおろす様は「杣下す」(筏流しする)に通じ、――上の句が遠くの「奧」に視線を流し、そのさきにいきなり近景のように「たつき打つ」さまが現れ、連続してあらためて面前の水面に苔のような波をみるという、遠近を自由自在に動かす高等テクニックがすごい気がする。こういうすごい能力を放浪と悟りの旅にあわせて行くのはほんとうに妥当な?行為だったのであろうか?
ひじを左わき下からはなさない心がまえで...やや内角をねらいえぐりこむようにして打つべし...。
あしたのジョーでの「打つべし」。