石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

新装・鎌倉駅

2007-10-31 22:16:44 | 雑談
JR鎌倉駅にレストラン街が新装なった。きょうが開店日で早速に出かけた。新しいものは、何でも大好き。すぐ顔をつっこみたくなる。

妻と2階の和食「風凛」でパイイツ(一杯)。いやー、ガッカリ! 前の方がよかった。足下までガラス張りって、やたら明るくて落ち着かない。食べるって、どこか秘めやかな行為ではなかっただろうか。

 インテリアもメニューも、より大衆化、観光客向け。メニューから、「ゴボウ千切りの揚げ物」など秀逸なツマミが消えて、定食類の羅列ばかりが目立つ。
 
食べることに必要な落ち着き、影の演出、品格あるインテリア、いずれもなし。これじゃ、人の顔が全部見えてしまう「学食化」。

ひょっとすると、鎌倉がダメになることの象徴がこのレストラン街に全部出ている。

 実は鎌倉の町全体が、世代交代とともに「サーファー化」「プラスチック化」がとめどなく進行している。

 かんべんしてよ。

鈍行には駅弁

2007-10-30 22:17:45 | 雑談
 午前中、友人夫妻とドライブ。伊豆稲取方面へ。快晴の海岸を散歩して、砕ける波、エメラルド色の海面、眺めて飽きることなし。

 寿司やサラダなど、あれこれ食料をスーパで買って、帰宅。日当たり良きテラスで壮大な昼食会。「これだけのものを自前で料理すると、今朝は4時に起きて準備しないと」と奥さんが言うとおり。

 午後も温泉三昧に、談笑。命の洗濯というより、骨抜きフニャフニャで夕方の熱川駅に車で送ってもらう。

 妻と向かい合うボックス席、鈍行の旅。窓辺にワイン、膝の上に駅弁。窓の外は、暮れなずむ伊豆の風景でありました。
 

月に誘われて伊豆熱川に

2007-10-29 22:00:37 | 雑談
昨日は不動産物件をひとつ見る。長谷は「坂の下」海岸近く、サーファーたちの下宿、アパートが多く建ち並ぶところ。

 1階が20畳のリビングルームと食堂、2階が6畳3部屋。理想的な間取りの一軒家。値段は月16万円。しかし、「窓を開ければ港が見える・・・」じゃなくて、いきなり目の前に隣家の壁が迫ってくる。やーめた。

 きょうは昼前に特急「踊り子号」に乗って、伊豆熱川の友人宅に向かう。駅にはバトラーじゃなくて、ご本人が車でお出迎え。

 高台のテラスで露天風呂、夕方の海を見晴らしながら、遙かに伊豆大島を眺める。やがて月光が海面を濡らし、漁り火が点々とともる。

 本日、東京方面では防衛省の「守屋事務次官喚問」に揺れていたらしい。

ビリーに降参

2007-10-28 22:48:12 | 雑談
 我が家にもついに、あの「ビリー・ザ・ブートキャンプ」が上陸した。この傍若無人な侵略軍に、オラは逃げ出したい気分である。

 妻は侵略軍のDVDをかけて、陶然と手足を揺らしている。大和撫子を、かくも自在にゆさぶって身をくねらせる事態、一体このミリタリー軍団は何だ?

 実は、最近の目に余る運動不足に、オラもビリーの号令にフラフラと乗ってしまった。あの軽快なビート感ののり、ビリーの渋いかけ声に、オラも手足を動かす事態になった。なんだなんだ、これは? 

ドイツ女性の歌に酔う

2007-10-27 01:26:43 | 雑談
 カジュ・アートスペース主催の「ドイツ・アートフェスティバル」で、きょうは鎌倉・石丸美術館でシャーロット・クナップシュタインという女性歌手のリサイタルが行われた。

 とんでもない台風が湘南地方を直撃、やる方も、集まる方も常軌を逸した敢闘精神、これぞ普段に類なき「イベント」でありました。

 土砂降り、暴風をついて、「よくぞ集まった」という同士の親愛、いやましてサロンは絶妙な一体感に包まれた。もう、運命共同体である。

 歌もピアノも良かった。ドイツ・シャンソンを歌ったザラ・リアンダーという1930年代のスェーデンの歌い手を偲んでの、歌の数々。全盛期のマレーネ・ディートリッヒを目の前にしているようでもあった。
 
 オラはいつしか、当時のドイツの酒場に忍び込んだ西側間諜の気分であった。

 歌が終わって、ワインのグラスをもって、歓談尽きず。こういうひとときのために人は生まれたのだろう。暴風をついてタクシーで帰宅。

土壇場男、眠りこける

2007-10-26 11:36:57 | 雑談
 午後、妻の実家に行く。お母さんがウイーン、プラハの旅行から帰宅したばかり。オラはボルドーの赤ワインを買って持ち込む。自分が呑みたいから。

 お父さんも風邪気味で休みをとって、にぎやか。

 お土産は、オラへは、モルダウ地方の民俗音楽を集めたCD。うれしい。
 妻にはプラハで買った操り人形。オラへの「あてつけ」じゃないだろうね。

 トンカツを出前で取って、食後、オラはすっかりイイ気持になり、足がストレッチする豪華ソファーで眠ってしまった。お母さんが毛布を掛けてくれたらしい。こりゃ、ファーストクラスのサービス。

 両親と妻の間で、オラの「ケチぶり」が話題になったらしい。眠っていて、知らずによかった。

 ブタペストに新婚旅行した折り、最後の晩に「グンデル」という超高級レストランを予約したのは、オラ。去年のタイ旅行で、あらゆるアイディアを差し置いて「ペニンシュラ・ホテル」に決めたのは、オラ。

 結局、普段つましいが、オラは土壇場ではバシッとカネを使う男、という結論になったらしい。白河夜船であったが。 
 

出張校正しのばるる

2007-10-25 14:02:57 | 雑談
インタビュー原稿の仕上げで、久しぶりで徹夜をする。終わって午前4時、たった独りでジンを舐める。

 音楽はジェリー・サザーンのCDを聴く。1950年代の、大人の女性のボーカルって、どうしてこんなにいいの?

 昔、『展望』編集部で凸版印刷に出張校正したころを思い出す。

 明け方、校了して朝日が昇るころ、タクシーが来るまで冷や酒を飲みながら、同僚と他愛ない雑談をした。最高に気分が高揚した、わが青春時代の編集マンの頃。

 車寄せに行くと、当時の売れっ子ルポライター、梶山季之さんが車に乗ろうとしていたのに遭遇した。かっこいい人だと思った。そそりたつ巨人に見えた。

 ところが、彼が急死したのが1975年、45歳の時だった(!)

 今はすべてパソコンの時代、編集者が印刷所に出向くなどもなくなったのだろう。

 十三夜出張校正しのばるる

ダブル・タイトル

2007-10-24 12:00:01 | 雑談
妻はオラを呼ぶとき二通りの呼び方を使う。「ベビちゃん」か「ジッちゃん」だ。一つだけだと飽きてしまう。

 いつもいつも「ベビちゃん」では、あほカップルである。
 いつも「ジッちゃん」というのも、勘弁してほしい。

 どちらもしっくりするし、適当に使い分けて二人とも気分を一新する。
 
 人は老いるにつれて、誰もが二つの面を露呈させる。赤ん坊にリターンするし、耄碌の坂を滑り落ちて行く。それが同時に起こる。おしめや「介護」が、それを象徴する言葉だが、これは避けたいところである。
 
 では、何がシンボルとして好ましいか。

 帽子、杖、シガー、などがファッションとして挙げられる。句集、回想録・・・まだ早いなー。若い愛人、妾宅・・・トラブルの元だ。

 「ベビちゃん、お茶が入ったわよ」と妻の声がする。

 「わーい、うれピー」と答えるか、「ウム」と答えるか迷うこのごろだ。
 

いい加減な夕べ

2007-10-23 22:03:24 | 雑談
夕方、妻のお父さんと鎌倉駅で合流、近所の秋田小料理屋に行く。お母さんは欧州オペラ劇場巡りをしているから、しばらく独身生活のお父さん。と言ってもオラより年下。

 若い妻と、その夫と父がカウンターに並んで、秋田名物のあれこれを熱燗で食していると、隣の客がオラたちを、どう取り扱えばよいのかという顔でこちらを見る。

 見知らぬおじさんに対しては、「社長」とか「おトーサン」と呼びかける。日本はをいい加減な国だ。 

 客「すると、おトーサンの奥さんがこちらで、おトーサンがその旦那さんで、こちらの若旦那が、お父さんていうこと?」

 オラ「そうそう、そういうこと。平和にやっていますよ」。公衆の面前で、大きな声で身元調査やめてくださいね。

 みんな混乱とトラブルを期待しているのは判る。でも、これはこれで、それなりに仲良くやっていますので、あんまり構わないでくださいね。そこのとこ、よろしく。

 日本語の、そことか、これとかは、いい加減ですね。

 「いい加減を僕から取ったら、何が残るんだろう?」とオラが言ったら、妻は「何にも残りませんよ」と答えた。お父さんの手前、恥ずかしかった。
 

『別冊・宝島』 最新刊に書きました

2007-10-22 21:00:37 | メディア
以下の新刊雑誌に執筆しました。ご笑覧ください。

別冊・宝島 1479号

『日本を支配する「上流エリート」その“出自”と実力』

   コネ・世襲・学閥・閨閥を大解剖

2世議員支配/「総理の息子」研究/政界「名家」の系譜/学歴ネットワーク/キャリア官僚と閨閥/官僚「偏差値伝説」/外資系金融機関/テレビ局コネ入社/文化人の年収/財界「超名門」一族 他

小生は、このうち、次の二つの記事を取材執筆いたしました。

●「官僚道」私が学んだ内務省の「道統」

  中曽根内閣の広報官、宮脇磊介氏にインタビュー
  日本官僚・堕落の構造に迫る

●マゾ「朝日新聞」大丈夫?

  山田厚史記者を襲った二つの事件
  反朝日の逆風の中で、メディア・エリートに明日はあるのか

■定価980円(本体933円)
■雑誌:66083-67
■ISBN:978-4-7966-6118-8
■2007年10月12日発売