石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

山田厚史さんを支援するホームページ

2007-07-31 21:37:59 | メディア
 朝日新聞の山田厚史記者を支援する会のホームページが開設された。

 http://www.team-aaa.jp/

 「政治の空白は許されない」ことを理由に、安倍首相は辞任を拒否した。「あんたが居座ることが政治の空白なんだよ」と妻は言う。

 その安倍首相が名誉毀損で告訴しているのが山田記者だ。裁判が終わるまでは権力の座を降りないでほしい。前首相と現首相では裁判の緊張感が違う。
 
 参議院選挙でレッドカードを突きつけられた安倍首相だが、チーム山田は、トリプルAの士気で最高権力者に立ち向かうことを宣言しているURLである。 

サイナラ、小田実さん

2007-07-30 23:13:48 | 人物
テレビが自民党の大敗北を伝え終わった、きょう午前2時、作家の小田実さんが胃癌のため亡くなった。75歳だった。

高校生の頃に読んだ彼の著書「何でも見てやろう」はオラ達にとって希望の書だった。堀江謙一さんのヨットによる太平洋横断と同じように、精神的「脱藩」の書であった。

 筑摩書房編集部で、「戦後日本思想体系」全15巻を担当したが、その中の「現代人間論」は小田さんが編者・解説者だった。一緒に、資料集めに神田の古書店街を歩いた。ウナリを上げるような、エネルギッシュな仕事ぶりに何度も振り回された。

 雑誌「展望」編集部では、何回か彼の巻頭論文を担当した。黒いサインペンで小ぶりの400字詰め原稿用紙。豪放磊落な笑い声、大柄な身体に似合わぬ、律儀な、小さい、丸っこい手書き原稿だった。

 「筑摩現代文学大系」では、自分を三人集に巻立てしたことで、小田さんは会社に厳重抗議をして来た。正月の広告出稿が止まり、社の幹部との折衝は毎日徹夜で行われた。抗議は火の玉のようだった。

 小田さんは、既に文学仲間だった高橋和己、開高健の死を見送っている。彼らより充分長く生きたが、やり残した仕事に比べて、人生は常に短かすぎる。

 「ほな、サイナラ」
 高橋の葬儀で、小田さんはそう言って自分の弔辞を締めくくった。


宰相の座にしがみつくロボット首相

2007-07-29 23:12:53 | 人物
まるで、絶叫マシーンのように、テレビが自民党の大敗北を伝えている。

 「新しい国づくりのために、引き続き、責任を果たしてゆきたい」
 何を聞かれてもこう答える安倍首相のテープレコーダーぶりに、この人は白鉢巻をしめた特攻隊員の気分なのかな、とも思った。

 国会を取り囲んだ大デモも、世論の逆風もモノともしなかった、お祖父さん。岸信介ゆずりなのだろうか、安倍首相の頑張り。マゾなのだろうか? 

 「新しい国づくりのために、しっかりと、責任を果たしてゆきたい」
 どのチャンネルで、何を聞かれてもこう繰り返す安倍首相を見やりながら、妻が言った。

 「一旦プログラミングされると、それ以外のこと言えないんだから気の毒ね。見事なロボットぶりだわ」

 

引き算の夏

2007-07-28 23:09:59 | 雑談
 今年一番の暑さの日、妻の実家の法事。鎌倉、法戒寺に一族が集まる。時代劇のロケにぴったりの雰囲気ある寺だ。外の暑さがウソのように、本堂には海からの涼しい風が来る。

 僧の読経、焚き染める香の紫煙、鳴きしだくセミの声。このまま涅槃に行くのもよし。何でこの俗界に未練があろう。材木座霊園に移動して、墓参り。

 タクシーで山下飯店へ。いつもは、まず自分の酒ビンを確保するオラの流儀を知っている親戚の面々、酒をやめているというオラの変りように、みな驚く。

 ジャスミン茶だけでしみじみ昼のコースを味わう。気づいたことは、コースの皿数が多いな、ということ。足るを知る、の心境だ。

 お酒は、もっともっとと食べ物を要求する。人を足し算の快楽に誘い込む。ホトケが説くのは「引き算」の道に違いない。

 妻もきょうは酒を呑まない。昨夜、飲み会でたらふく飲んで二日酔いらしい。

 プラマイ・ゼロの夫婦である。





車内着替え

2007-07-27 22:24:16 | 雑談
 暑い! 鎌倉から東京への一時間、汗っかきのオラはTシャツで移動する。横須賀線が新橋駅を過ぎる頃、車内で着替える。先頭車両にはトイレがあるから、着替えの場所には困らない。

 きょうは、午前11時ころ、たまたま車内はガラガラ空き、オッサン達しかいなかった。オラは4人掛け座席にひとりでいたので、さっとビジネスモードに着替えちゃった。

 それでも多少はドキドキした。ご婦人が隣の車両から移動して来ることだってありえた。着替えひとつで「ドキドキ」とは、平和な証拠かも知れない。女子高校生の車内化粧の、「ああ、堂々」がしのばれる。

 60年前、3歳のオラを含めて5人の幼児をかかえて、母は満洲から佐世保に引揚げて来た。そこからが地獄の列車移動だったと聞かされた。(長男は満洲で行方不明、夫はシベリア抑留)

 窓から乗り降りし、便所まで人でぎっしりの列車で、東京の実家にたどり着くまで、着替えや用便はいかばかり「ドキドキ」だったことであろうか。


 きょうの横須賀線・車内着替えを聞いた妻が言った。

 「そりゃ、車内露出じゃないの?」


山田厚史さんの次回裁判

2007-07-26 21:42:19 | メディア
  山田厚史さんの第二回裁判傍聴と報告集会のご案内

拝啓 暑中お見舞い申し上げます。突然のご案内をお許し下さい。
 
さて、6月29日、安倍首相の秘書から名誉毀損で提訴された朝日新聞の山田厚史さんの第一回期日には、多数の皆様の注目とご参加をいただきましてありがとうございました。

第二回期日は下記の日程で審理されることとなりました。今回の大法廷は100人からの傍聴が可能ですので、是非、ご参加下さいますようご案内申し上げます。

なお、法廷終了後の報告集会において、3月25日放送のテレビ朝日「サンデープロジェクト」に出演し、安倍首相の秘書から名誉毀損だと指摘を受けた山田厚史さんの発言の場に同席した、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏および『インサイダー』編集長の高野孟氏から「日興コーディアル証券はなぜ上場廃止にならなかったのか」その裏事情と、本件の山田厚史さんの提訴について貴重なお話をして頂く予定でおります。

どうぞ、第二回の裁判傍聴へのご参加、並びに引続き開催する報告集会への皆様のご参加をお願い申し上げます。
敬具

                 記

【日時】 8月10日(金) 午後1時30分
【場所】 東京地方裁判所 第103号法廷
  ※その後、午後2時より下記にて報告集会を開きます。
【日時】 8月10日(金) 午後2時〜4時半
【場所】 商工会館・弁理士会館 6階会議室 
     千代田区霞が関3-4-2(東京地裁より徒歩12分)
    
※ 傍聴及び報告集会にご参加いただける方は、お手数ですが事前にご連絡下さいますようお願い申し上げます。
  
→椎名法律事務所 TEL03-3581-3912またはFAX03-3593-0394まで

※ なお当日、直接法廷及び報告集会においでいただいても結構です。
                                以上
                         
弁護士 椎名麻紗枝
山田厚史さんを支援する会事務局 二木 啓孝
     (お問い合わせ連絡先 080-5493-6913)

後ろめたいこと

2007-07-25 21:52:12 | 社会
柏崎原発が隠蔽していた不祥事が、毎日、次々と露見している。変圧器の火災原因、ズサンな消防体制、海にもれ出た放射能で汚染された用水・・・
 
 地震の揺り戻しが、まるでウソで固めた石膏を剥がしてゆくようだ。今朝の報道では、6号機の原子炉上のクレーンの破損が「確認された」という。

 「修復の見通しは立たず、炉内部の容器の傷や装置の状態は、ふたを開けて目視で確認する必要がある」(朝日新聞)

 地震から一週間以上も過ぎたのに、炉内部破損の確認はまだである、ということだ。わかっていることでも隠し、発表を遅らせる。何故、かくも隠蔽体質か?

 妻は一刀両断に言う。「つまり、唯一の被爆国でありながら、原発を作っちまったこと自体が後ろめたいからよ」

日本よりマシなアメリカの言論状況

2007-07-24 23:00:52 | メディア
CNNでアメリカ民主党8人の大統領候補者による討論会を見る。有権者がインターネットのユーチューブを通して、会場の大型スクリーンで映し出され、質問をして来るのが新鮮だった。

 「私達はレスビアンで同居している。あなたが大統領になったら、私たちの結婚を認めてくれますか?」

 「私の息子はイラクに出征している。彼が無事に帰国できるまで、あと何人の兵士たちがムダに死ななければならないのか? いつまで、つまらん政治ゲームをやっているのか?」

 質問は率直で、時に候補者達も立ち往生する。台本のないディベート、少なくとも言葉が露わに試される気持のいいひとときだった。ここから新しい大統領が生れる予感。政治状況が「変わりそう」な場面に参加している実感を味わえた。

 日本のテレビに、この実感が希薄なのは何故だろう? 「朝まで生テレビ」「たけしのTVタックル」の、あの内向的な怒鳴りあい、叫びあい。それから、電通が仕切った政府の「タウンミーティング」のインチキぶり。

 インターネットによる政治運動はいいが、選挙運動はいけない、という不思議な公職選挙法の時代錯誤ぶり。

 愛国ファシズムのアメリカより、遥かにレベルが低い日本の言論状況を教えられたひとときだった。


小指の思ひ出

2007-07-23 22:40:27 | 政治
山本農水副大臣が言った「松岡前大臣の使途不明金は、赤坂の芸者の花代に使ったと聞いている」。

 なるほど、それじゃ領収書は取れない。それでも、花代を説明できないから自殺した、という因果関係は解せない。

 「コレで首相の座を棒にふりました」と小指を出して退陣した宇野元総理が懐かしい。今から18年前の明日のことだった。

 宇野さんは神楽坂の芸者を300万円で囲っていた。領収書はとってないが、当の芸者さんのおしゃべりが命取りになった。


 赤城老衰大臣がまたやってくれた。既に消滅していた事務所の「事務所費」を計上していた、というのである。

 驚いてるオラに、妻がクールに言った「この人は、あたしたちをマヒさせるためにやってるね」

 

肥大する欲望

2007-07-22 17:30:43 | 雑談
米ビツが底をついたので、妻と東急ストアに買い物に出た。酒を呑まないと決めたところから、生活ラインを引き直した。暮らしに革命が起こったようで、すべてが新鮮だ。

 酒を呑む前提で夕食を考えると、おつまみから始まる。あれこれの小皿、大皿のメニューで長いラインナップになる。しかし、それはもう要らん! となれば、何が食卓に並んでも、ありがとう、感謝である。

 ストイックになったオラであったが、無意識に「甘味売り場」のコーナーにたたずんで、「あんこ豆腐」という商品に見とれていた。あんこをゼリーで固めた、涼しげなお菓子であった。 

 すかさず、妻が同情をこめて言った。
 「ある欲望を絶つと、別な欲望が肥大するのね」