石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

かそけきに聴く

2009-03-30 22:13:36 | 雑談
がんという病いが教えてくれたことは、ちょっとした人の言葉に鋭敏になったことだ。

昨日書いた「養生」という言葉への感銘も、普段なら聞き流してしまうところだ。

今の世の中は「ノイズ」が充満して、大事なことを聞き落してしまいがちだ。

かそけきものが何を言おうとしているか、「かそけきに聴く」態度が大切だ。


2月25日の本ブログで、中原中也の詩を引用した時「外はバラ色」と書いたが、「土はバラ色」の誤りだった。オラの記憶もいい加減だ。詩の全文は以下の通り。ある意味で、「かそけき」は「閑寂」につながっているのかもしれない。

在りし日の歌
亡き兒文也の靈に捧ぐ

中原中也  詩集「在りし日の歌」

「閑 寂」

なんにも訪(おとな)ふことのない、
私の心は閑寂だ。


それは日曜日の渡り廊下、
――みんなは野原へ行つちやつた。


板は冷たい光澤をもち、
小鳥は庭に啼いてゐる。


締めの足りない水道の、
蛇口の滴(しづく)は、つと光り!


土は薔薇色、空には雲雀
空はきれいな四月です。


なんにも訪(おとな)ふことのない、
私の心は閑寂だ。


湘南ビーチ・ドライブ

2009-03-29 21:40:17 | 雑談
大学時代の寮の後輩、Y氏夫妻が鎌倉に来訪。引きこもりがちなオラをドライブに連れ出してくれた。素晴らしい気分転換になった。

葉山の「ラ・マーレド・チャヤ」で昼食。Y氏も実は十数年前に胃ガンと闘っている。半年以上もソーメン以外食べられなかった由。ガンは患者の数だけ物語がある。

焦らず、あわてず、取り乱さず、時間に乗って耐え抜いた果てに「養生」という言葉の深い意味に出会っている。

葉山の御用邸から秋谷の海岸沿い、佐島マリーナ辺まで、心地よい日和の中を快適なドライブをする。


この子にとっての世界遺産

2009-03-28 22:32:34 | 雑談
今夜のNHKテレビ「世界遺産」はユーミンがスペインのアンダルシアを訪ねる番組だった。アルハンブラ宮殿など「世界遺産」をほとんど無視して、ひたすら、この地方に伝わる歌と音楽にこだわりぬいた制作者の姿勢に、オラは目を見張った。

ローカルな音楽に、イスラム教やジプシーの音楽や歌が“混じりあう”ことによって、素晴しい「文化圏」をつくり出した。誰かの意図や支配欲によらない、自然な「河の流れのような」ものを番組化した力量に敬服した。

ところで、今のオラのように病いに暮しが支配されていると、今迄どんな「文化の河の流れ」にのってきたのか、を考えてしまう。健康な時には思いもよらないテーマだ。これも病いの贈り物である。

つまり、自分はどんな「世界遺産」につながっているのか、ということである。

冒頭の写真は、先日姉が持参してくれた。昭和18年、満1歳の信平、満州大連にて。これから、ドンブラコッコと河の流れにのろうとしている姿である。

「モモエ効果」

2009-03-27 17:58:43 | 雑談
先般、貧血症状ひどく、400ccの輸血をした。結果は思わしくなく、赤血球も血小板も数値が落ちていった。

23日(月)はオラの兄姉3人鎌倉まで来宅、久しぶりに全員集合で歓談した。戦前、戦中の満州での暮らし、引き揚げや戦後の暮らしのこと、苦労といっても、亡き父母が背負ったものに話は寄ってゆく。父のシベリア体験をもっとぢっくりと聞いておくべきであった。

末っ子のオラをまじえ、兄姉の心通いあうひとときであった。いい気分になれて病状にもよかった様子で、妻はこれを「モモエ効果」と呼んだ。「百々栄」とはオラの母の名前で、奇しくも当日は母の誕生日であった。バースデーケーキを皆で食べる。

26日(木)は病院へ血液検査。心配された血小板と赤血球は正常値にもどっていて、医者も驚いていた。「モモエ効果」かもしれない。

幸せ一直線

2009-03-25 15:29:49 | 雑談
午前中ふりつづいた雨が上がった。かつて詩人、中原中也が「外はバラ色、空にはひばり」とうたった風景が外に広がっていた。

妻が一言「あなたが幸せになること、それだけを考えていなさいよ」と云った。オラは今、何をしたいだろう、とふと考えた。

唐突に、若くして死んだテノール歌手、フリッツ・ヴンダーリヒの歌声を聴きたい、と思った。妻は即刻パソコンを開くとアマゾンにアクセスした。

シューマンやシューベルトの歌曲集などがある中でオラは「オペラアリア集」を迷わず挙げた。

明日にも商品が届く。幸せになるに、ためらうことなかれである。

「意志の勝利」

2009-03-24 16:23:26 | 雑談
たった今、WBC韓国vs日本戦で日本が勝った。互角の実力同士が、実に精神力でツバぜり合いをする、すごい試合だった。

いま闘病中のオラには、精神力が連日試されているわけで、こういう試合は魅了されるし、疲れたし、日本が勝ってよかったと思う。

体調は貧血気味で辛い。気持ちがそっちに集中すると、どんどん取り込まれてしまうのが手に取るようにわかる。その時、頭を垂れるか、山々を見上げるように胸を張るかの違いが大きい。

体調は風向きみたいなものだから、平気の平左でいたい。

秘書にぜんぶ任せたい!

2009-03-11 17:13:10 | 雑談
お見舞いを頂いたり、心配をおかけしている人に病状報告しなければ、と焦る。今は、めまい、息切れ、動悸の三重苦で、仕事上のメールを打つのがようやくの状態だ。情けない。

そんな状態を狙い撃ちするように「確定申告」締め切りが迫ってきた。おまけに3月は小なりと言えども(有)石井信平事務所の決算時期。

一年分の領収書にとまみれているわが姿は、悲劇というよりマンガである。

オラと小沢一郎とは同年齢。オラにも大久保クンのような優秀な秘書が欲しい!