石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

貧乏を見たいですか

2007-10-08 23:23:48 | メディア
 きのう、フジテレビで午後放送のザ・ノンフィクション「年収200万円ハケン哀歌うつ病・転落漂流家族・失意の帰郷」を上京する電車の中、携帯電話に付いたテレビで見た。

 派遣でしのぐ32歳の男。何度か正社員にチャレンジするが駄目。故郷青森にいる父親が倒れる。
 
 オーバーワークでうつ病になった38歳の女性。家でゴロゴロするしかない辛さを背負って、母親と衝突を繰り返す。

 「貧乏・転落・漂流」に密着してるんだけど、深みのないドキュメンタリー。見てるだけで辛いんだけど、それにつきあって何だったの? と最後に言いたくなる空しさ。テレビはセレブも、グルメも、豪邸もネタにするけど、ビンボーもネタか。

  働けど働けどわが暮らし楽にならざりじっと手を見る

 という石川啄木の歌にある通り、ワーキングプアーは明治の昔にもあった。現代の貧困の新しさを語りたいなら、その逆照射として、電波を出してるだけのフジテレビ正社員の生活ぶりをドキュメントしてください。全然見たくないけど。