Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

1000件目

2005年12月04日 00時52分26秒 | 時事・社会
このブログの記事の数やアクセス数ではありません。
(言わなくても分かるかな)
アメリカ合衆国で、1976年の死刑制度復活以降、1000件目の
死刑執行が今月2日に行われました。
アムネスティの統計によると、2004年度の死刑執行件数は
中国、イラン、ベトナムに次いで、米国が4番目だったそうです。
しかし、国内での廃止論の高まりもあって、件数は減少傾向に
あるようです。
「凶悪犯罪が多い国」というイメージのある米国ですが、実は
犯罪件数はここ数年減少しており、100万人当たりの殺人認知
件数はロシアやイタリアよりも低い、というデータもあります。
とはいうものの、銃が巷に溢れていることもあり、怖い国には
違いありません。
テロ対策の強化もあって、非常に厳しい取締りと、死刑を含む
厳罰主義が、犯罪減少に一定の役割を果たしているのは事実
かも知れませんが、死刑制度を廃止している州(米国は州に
よって制度が異なり、12州が廃止、6州が制度は存置して
いますが執行停止中です)の殺人発生率は存置州のそれより
低い、というデータもあり、死刑の犯罪抑止効果を認めうるか
どうか微妙なところです。
世界的には、EU諸国とヨーロッパと関係の深い国々で死刑廃止
が多く、イスラム教国と東アジアに存置国が多いようです。
よく「先進国で死刑制度があるのは米国と日本だけ」と言われ
ますが、上に述べたように米国でも廃止した州がありますし、
(ウィスコンシン州では1853年に既に廃止されています)
中国、韓国、台湾、シンガポールなども見方によっては「先進国」
に入るかも知れません。
ただ、執行件数が多い国と、「人権侵害」が多いとされる国が
結構重なっているのは、単なる偶然とは思えません。

米国は、18歳以下の子どもへの死刑執行が世界一多い国でも
ありますが、それを違憲とする判決も先頃出されました。
「テロとの戦い」の展開によっては、今後死刑制度の見直しが
進むことも考えられます。
その時日本はどうするのかな?