序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

劇団芝居屋第29回公演舞台報告その11

2015-07-04 15:37:00 | 覗かれる人生芝居
さて、第四場2

思いも寄らなかった事に遭遇すると人間、気弱になるもんでね。

胸の中に押し込めていたものが不安が言葉になって吹きだして来るもんだよ。

範子にしてみれば初めて体を壊した事がショックで、自分の体に対する不安を拭い去る事は出来ないでいるし、それと同時にスマイルマミーの行く末が心配だ。

恭子は恭子で母親の入院という事態から、これからのスマイルマミーという事を考え始めていた矢先に、ソフィアの件、剛史の件と立て続けに問題が起こってパニック状態だ。

胸にマグマを抱えた二人が二人きりで居たらこりゃ何とかなっちゃうよね。



こんな時はいろんな事がすんなりとは行かないもんで、これからのスマイルマミーを心配の余り、恭子がスマイルマミーを株式会社にという提案も、範子にとってみれば藪から棒の話さ。



恭子にしてみれば倒れた範子の健康を気遣って、範子の負担を何とか減らそうとした提案だったが、余りにも性急過ぎたのさ。



若いからね、根回しなしの直球勝負だ。

範子にしたって倒れてしまった負い目があるだけにそれは素直には聞けないよ。



私を用なしにしようとしていると疑心暗鬼さ。

それに加えて恭子は秘密にしていたソフィアの事を話してしまった。



それが範子の逆鱗に触れた。



その怒りの原因はソフィアの件の様な大事な事をすぐに言わなかったのは自分を蔑にしていると言うんだね。

こうなるといい訳なんか聞くもんじゃない。



二人の話は最悪の結果になってしまった。



範子にあるのは粉々になった創始者としての誇りを拾い集めるより他はなかったんだね。



五場につづく。

撮影 鏡田伸幸




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