序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

稽古場日誌2

2008-10-19 16:58:10 | アート・文化

Photo 四回目の稽古後に、後に予定のない出演者と一杯やりました。この一杯やりながら芝居を語るという行為は大変重要なのです。

公的施設を利用しているどこの劇団でもそうでしょうが終了時間を厳守しなければなりません。例えば17:30~21:30を借りたとしますと、名目的な使用時間は4時間ですが、稽古仕様に部屋を模様替えし、現状に戻すという前後の時間と発声などの基本稽古を稽古のほかに組み入れなければならないのです。すると実質的な稽古は3時間という事になります。

稽古四日目のこの時期劇団芝居屋は通しを行います。この通しの目的は出演する役者が作品における役の位置を把握する為におこないます。台本の中で書かれてあることを具体化することで読んでるだけでは見えないものを見るわけです。役者はこの稽古の中で何が出来て何が出来ないのかを知るのです。この時期は演出が役者に作品の方向や、役に対する考え方等を言葉で手渡して行かなければならない時期なのです。ところが稽古時間の関係上それが時間内では手渡す事がむずかしいのです。

で、一杯ということになります。この一杯の時間は世間話をする時間ではありません、稽古場で手渡すことの出来なかった言葉を渡すための時間です。だからといってしかめっ面で一般的演劇論を語っているわけではありません。お互いに遠慮会釈なくこの作品と自分を役創りをぶつけ合う場所なのです。

この時期が過ぎるとこの演出が参加する稽古の後の一杯のセレモニーはなくなります。
それは演出としての基本的な言葉を手渡し終えたと判断したら、その後の演出は役者がそれをどの様に活用してどの様な結果が生まれてくるかを見取る役目に変わるからです。
私の小さなメモ帖に書かれてある駄目だしを役者に手渡すだけです、そんなに時間はかかりません。

Jpeg その後の飲み会は稽古打ち上げという事になります。

言葉を具体的にする作業はそんなに簡単ではあるません。
結構この様な酒席の中で発せられて言葉の中にすばらしいヒントがある事が往々にしてあるのです。


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