京都社会保障推進協議会ブログ

京都社保協のニュースや取り組み案内、タイムリーな情報・資料などを掲載していきます。

当面の行事・学習会等の日程

2009年04月29日 00時00分00秒 | 事務局通信

 当面の行事日程や学習会をお知らせします。


〇5月10日 「反貧困・中京連帯ひろば」
        時間 11:30~14:30 場所 太子道診療所駐輪場
        主催中京社保協 中京地区労 自由法曹団 その他

〇5月11日 「滞納処分こそ憲法理念を」 滞納問題を学ぶ学習会
        時間 18:00~      場所 ハートピア京都 大会議室
        講師 角谷啓一税理士
        主催 地方税・国保料 税務共同化を考えるつどい実行委員会

〇5月13日 「新介護認定 学習・交流会」
        時間 18:30~      場所 ラボール京都 第1会議室
        主催 京都社保協 京都民医連

〇5月15日 「現代の医療問題を問う」学習会
        時間 18:30~20:00  場所 ラボール京都 第1会議室
        講師 津田光夫氏(全国保団連副会長)
        主催 京都社保協

〇5月23日 「改憲、構造改革の新局面と九条の会の課題」
        時間 14:00~16:30  場所 京都新聞文化ホール
        講師 渡辺治氏(一橋大学教授)
        主催 九条の会アピールを支持する京都医療の会

〇5月24日 「どうなる どうする市立病院」市民の会結成記念シンポ
        時間 14:00~
        場所 中小企業会館 801会議室
        主催 市立病院は市立のままで充実させる市民の会準備会

(以上)

 


後期高齢者医療制度「低所得者や受診中は資格証明書を発行しない」-厚労省(案)

2009年04月28日 08時34分21秒 | 資料&情報

 厚労省は4月23日、後期高齢者医療制度に関する「制度の見直しを踏まえた対応について」等を示し、資格証明書の運用についても通知案を明らかにしました。「低所得者や受診中の方には資格証明書を発行しない」など、この間の運動を反映し訂正せざるを得なくなった内容です。
 「要求と運動が変化を起こす」ことに確信をもち、世界に類のない「年齢で区切る保険制度」そのものを廃止するまでがんばりましょう。


 共同通信社報道記事

 しんぶん赤旗報道記事



 通知(案)は、厚労省保険局高齢者医療課長名で、各都道府県・指定都市の高齢者医療主管課長及び後期高齢者医療広域連合事務局長宛に出される予定です。
 正式には、5月8日迄に各広域連合から意見聴取を行い、その後、広域連合として5月末までに「運用基準」を整備することとなっています。

 通知(案)では、資格証明書の運用基準について以下のとおりとしています。


 「被保険者証の返還及び資格証明書の交付の対象外となる被保険者」


<記述は一部省略しています。正確には文末の資料を参照してください>


Ⅰ 以下の被保険者については被保険者証の返還及び資格証明書の交付を行わないこと。

①原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による一般疾病医療費の支給
②児童福祉法に規定する障害児施設医療費の支給
③予防接種法の医療費の支給
④障害者自立支援法の療養介護医療費又は基準該当療養介護医療費の支給
⑤精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により費用の負担が行われる医療に関する支給
⑥麻薬及び向精神薬取締法に関する法律により費用の負担が行われる医療に関する支給
⑦独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の医療費の支給
⑧感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により費用の支給
⑨石綿による健康被害の救済に関する法律の医療費の支給
⑩沖縄の復帰に伴う特別措置等に関する医療費の支給
⑪後期高齢者医療の規定による高額療養費の支給
⑫児童福祉法関係の医療費の支給若しくは医療に要する費用の給付
⑬身体障害者福祉法で定める施設又は指定医療機関における医療の給付
⑭「特定疾患治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付
⑮「毒ガス障害者救済対策事業の実施について」による医療費の支給
⑯先天性血液凝固因子障害等治療研究事業について」による治療研究に係る医療費の給付
⑰水俣病総合対策費の国庫補助につて」による療養費及び研究治療費の支給
⑱(略)
⑲「メチル水銀の健康影響に係る調査研究事業について」による研究治療費の支給
⑳「感染症対策特別促進事業について」による肝炎治療特別促進事業に係る医療の給付

Ⅱ 後期高齢者医療により保険料を納付することができないと認められる被保険者

①被保険者またはその属する世帯の世帯主の住宅、家財等の財産について、震災、風水害、火災等の災害により著しい損害を受け、又は相当な価額の盗難にかかったこと。
②滞納被保険者等又はその者と生計をいつにする親族が病気にかかり、又は負傷したことにより、滞納被保険者等の保険料負担能力が著しく減少したこと。
③事業の廃止又は休止により、滞納被保険者等の収入が著しく減少したこと。
④事業における著しい損失により、滞納被保険者等の収入が著しく減少したこと。
⑤失業等により、滞納被保険者等の収入が著しく減少したこと。
⑥その他①から⑤に類する事由があったこと。
 (一部省略)特に、入院又は継続的な通院等により診療等を受けている、又は受ける予定のある被保険者については、その収入、生活状況、診療等の内容を勘案し、仮に資格証明書を交付した場合、医療費の全額を一時的に負担することが困難となり、
必要な医療を受ける機会が損なわれるおそれがあると認められる場合には、上記の②に類する事由により特別の事情があると認めることが適当であること。(略)

Ⅲ 所得の少ない被保険者への対応

 (前略)保険料の被保険者均等割り額の7割、5割、2割の軽減措置や所得割額の5割の軽減措置に加え、…特に所得の少ない方に対する被保険者均等割り額の9割の軽減措置も新たに講じられる中で、…特別の事業の有無の判断を適切に行うこと等により、原則として、資格証明書の交付に至らないようにすること。


 以上が、ポイントになる点です。
 特に、Ⅱ、Ⅲで記述されている「受診中、受信予定者」は「特別の事情があると認める」ことや、「交付により必要な医療を受ける機会が損なわれる」とされる被保険者、「軽減措置対象」の被保険者は資格証明書の交付に至らないこととすることなどを明記しています。

 ただ、具体的な運用基準は広域連合であり、資格証明書交付を一人も出させないための運動が求められます。



 「長寿医療制度」都道府県ブロック会議資料 ⑤資格証明書の運用」


(以上)


京都府の「医師不足」を助長する「改正 臨床研修制度」

2009年04月27日 17時15分28秒 | 資料&情報

 医師の臨床研修制度の見直しがすすめられています。見直し案によれば京都府は研修医の受け入れ定員が190名とされ、受入れ実績より84名減(▲30.7%)となり、京都府内の病院(大学病院・公立病院・私立病院)での研修医が大幅に削減されます。
 府立医大や京大医学部など京都府内や他府県への医師派遣を行っている病院にとっては、「医師派遣の縮小」→「府内の医師不足の加速」に直結する深刻な事態です。

 4月23日開催された医道審議会医師分科会医師臨床研修部会では、今後のスケジュールを
・4月下旬  関係省令・通知の改正等
・5月     関係機関への説明会
・6月末   病院からのプログラム変更締切
・7月~9月 プログラムの審査、内容確認
        各病院・研修医面接
・9月24日 医師臨床研修マッチング
        希望順位登録受け付け開始
とされています。

 京都府はすでに、3月26日「京都府医療対策協議会」を開催し、京都の主要な医療機関・医師会等から「絶対反対」「この5年間の研修制度はなんだったのか」「医師不足問題と研修制度問題をリンクさせるべきでない」との意見が相次ぎました。また、4月9日に行われた「京都府知事・市町村長会議」でも、府知事及び全市町村長の総意として「意見・要望書」が厚労省大臣宛てにだされました。「意見・要望書」では、「特に、都道府県別の臨床研修定員の設定については、京都府は全国で最大の定員削減率となり、府内の医師不足を一層深刻化させ、医療提供体制の崩壊につながるおそれがあると強く危惧している」と述べています。
 府医療対策協議会としても同様の「要望」を出しています。

 京都府の地域医療は、丹後地域での医師不足とりわけ脳神経外科医や小児科医、産婦人科医などの体制が整わないため、住民のいのちと健康を守ることが困難な状態になっています。これ以上の地域医療崩壊を許してはなりません。京都府の懸命な努力とともに住民の運動としても地域医療を守っていかなければなりません。

 今回の医道審議会では、パブリックコメントの結果として多くの団体から「制度改正」を危惧する意見書が公表されています。

 医道審議会で出された「意見書」「要望書」等のリストを紹介します。

〇日本医学教育学会理事会
〇全国医学部長病院長会議 卒後臨床研修調整会議
〇国立大学医学部付属病院病院長会議 臨床研修委員会
〇長野県民主医療機関連合会
〇滋賀県民主医療機関連合会
〇日本病院会
〇愛知県医師会長(その他連名)
〇日本赤十字社医師臨床研修推進委員会
〇全日本医学生自治会連合
〇VHJ研究会
〇社団法人日本女医会
〇全日本民主医療機関連合会
〇愛知県医師会勤務医部会
〇社団法人京都私立病院協会
〇社団法人滋賀県病院協会
〇社団法人全国自治体病院協議会
〇国立大学医学部長会議常置委員会委員長
  大学医学部の教育病院の在り方に関する検討委員会委員長
〇全国保健所長会議
〇社団法人日本麻酔科学会
〇社団法人愛知県病院協会
〇社団法人日本私立医科大学協会
〇社団法人日本小児科学会
〇北海道医学生の会
〇医師のキャリアパスを考える医学生の会
〇茨城県民主医療機関連合会
〇社団法人神奈川県病院協会
〇社団法人諫早医師会
〇社団法人宮崎県医師会
〇鹿児島県保健福祉部医療制度改革推進室長
〇長野県
〇滋賀県保健福祉部長
〇鳥取県福祉保健部長
〇島根県
<以上>


   医道審議会医師分科会医師臨床研修部会 資料


(以上)



 


またしても「医師の偏在」論-本質を見ない財政制度等審議会の論議

2009年04月24日 07時51分21秒 | 資料&情報

 4月21日開催の財政制度等審議会財政制度分科会財政構造改革部会(財務省)で、またまた「医師偏在」論に基づく、とんでもない論議がされています。医師不足は医師養成を抑えつづけた政府の責任です。「臨床研修医」や「医師偏在」「医師給与格差」等に「原因」を求めるのでなく、税金の使い道を転換し、社会保障費の大幅な増額こそ解決の道です。

 財政構造改革部会の内容はマスコミでいっせいに報道されました。

 「地方で不足、医師数格差4・6倍  財務省、診療報酬見直しも-共同通信」


 記事にもあるように、都道府県毎の医師数の全国平均を1として、面積当たりの医師数と人口当たりの医師数を指数化したものです。その結果、都道府県毎の医師数格差が4.6倍となっていると結論付けています。

 財務省の狙いは明らかです。
 ひとつは、「医師数の偏在」を強調し、医師数の絶対的不足を「偏在」に理由があるとする論調に誘導することです。かって、政府・厚労省も「医師不足は医師の偏在にある」としてきました。

 平成19年4月17日提出の赤嶺衆議院議員「
医師不足問題に関する質問主意書」に対する政府「答弁書」では、「医師の需給の不均衡は解消の方向に向かうものと認識しているが、医師が地域間で偏在していることにより、一部の地域において医師の不足が深刻となっている現下の状況にかんがみ、新医師確保総合対策に基づき、医師の地域間の偏在に対応するための様々な対策を講じているところである。」「各都道府県内でみても、県庁所在地等を含む二次医療圏では医師数が相対的に多い一方で、山間部等を含む二次医療圏では医師数が相対的に少ない状況にある。厚生労働省としては、このような状況を踏まえ、地域間で医師が偏在している状況にあると認識しているもの」と、偏在こそが問題であるとの認識を持っていました。

 もともと日本の医師数は、人口千人あたり2.0人(04年)で経済協力開発機構(OECD)加盟30ヵ国中27位とOECD加盟国平均から17万人も不足をしています。

 そして「医療崩壊」の深刻な実態が明らかになる中で、従来の「偏在」論をとりさげ「絶対的に医師数が不足している」との見解を閣議決定として示さざるを得なくなります。

 平成20年2月12日提出の山井衆議院議員の「
質問主意書」にたいする「答弁書」では、「医師数は総数としても充足している状況にはないものと認識している。」「現在の医師不足問題の背景には、大学医学部の医師派遣機能の低下、病院勤務医の過重労働、出産、育児等による女性医師の離職、医療に係る紛争の増加に対する懸念等の複合的な要因があるものと考える。」との認識を示しました。

 全国の医療関係者・住民の声と運動の成果と言えます。財務省が持ち出した「偏在」論は明らかにながれに逆行するものです。

 もうひとつは、記事に紹介されている「財務省は、医師が不足しがちな地域への診療報酬を手厚く配分することで偏在を是正する見直し策検討」していることです。これも、とんでもない話です。医師数が相対的に「多い」都道府県でも、医師体制の不足や医療設備・ベット不足等で、救急患者の受け入れが出来ない事態が常態化しています。東京であろうと大阪であろうと京都でも、産科医不足、小児科医不足がおこり、現に京都府の京丹後地域では脳神経外科医がゼロで、「死ぬしかない」状態になっているのです。
 診療報酬上の格差をつける論議でなく、すべての都道府県で「充足した医師の配置」が求められるのです。

 財政制度等審議会では、社会保障費を消費税でまかなうとする資料が提出され、消費税率6%アップが必要との試算をしています。医師問題や社会保障費問題の決着を消費税増税で行おうとする財務省のねらいが見えてきます。

 財政制度審議会での説明資料

  社会保障Ⅰ(説明資料)
  社会保障Ⅱ(説明資料)


(以上)


 




 


4月29日「フォーラム こどもの貧困」がおこなわれます

2009年04月23日 07時03分35秒 | 学習会の案内

 いま、経済と雇用の危機は、深く子どもたちの暮らしと心の中に影を落としています。子どもは希望、未来です。子どもたちにかかわってきた人々がいま、つながりはじめています。「ひとりで悩まずに。みんなでたすけあって、力をあわせて、子どもの明日をひらきたい」そんな思いで、フォーラムが開催されます。

日時 4月29日(休) 午後1時開場・1時半開会

場所 エンゼルハウス(子ども文化会館)ホール

     京都市上京区一条通七本松 Tel 464-0356

主催 フォーラム実行委員会

参加費 無料(申込不要)

後援 京都新聞社 毎日新聞社 朝日新聞社 KBS京都 京都府社会福祉協議会 京都市社会福祉協議会

*当日は、子どもに係る相談会や「子どもの権利手帳」配布も行います。
連絡先 らく相談室 Tel 075-465-4130

(以上)
 


「社会保障費2200億円削減」を引き続き要求―経済財政諮問会議民間議員

2009年04月22日 07時04分38秒 | 資料&情報

 「経済危機対策」として公共事業のばらまきや大企業・大金持ち優遇の政策を打ち出し消費税の増税をたくらむ一方、「社会保障費2200億円の削減は引き続き必要」との方向を示した会議が行われました。とんでもないことです。


 社会保障削減により、この間、地域医療の崩壊や保険料の相次ぐ値上げ、患者負担の増加が行われ、後期高齢者医療や障害者自立支援法などの制度をつくり、生活保護行政をゆがめ、子どもの貧困問題を深刻化させてきたのは明らかです。
 派遣切りや雇止めが相次ぎ、貧困と格差が広がる中で「社会保障費2200億円を引き続き削減」など、どうしてできるのでしょうか。


 4月17日に行われた経済財政諮問会議で民間議員(トヨタの会長や新日鉄の会長など)から「、「基本方針2006」の歳出改革を継続することも、財政規律を維持するための重要な取組である」との資料が提出されました。(資料
ここから
 「基本方針2006」は2011年度まで社会保障費の増加(社会的に必要な増加等)から、無理やりに1.6兆円程度削減することを打ち出した内容です。(資料はここから、最後のページに数値が記載)



 経済財政諮問会議後の記者会見で与謝野大臣は記者の質問に以下の答弁をしています。

(問)今日の民間議員ペーパーで、中長期的な財政健全化のところで、「「基本方針2006」の歳出改革を継続する」というふうに書いてありまして、これは具体的には多分、社会保障費の2200億円削減とか公共事業費の削減みたいなところを継続したほうがいいというふうに民間議員の方は仰っているのかなと思うんですが、この点については今後も続けていくということでよろしいんでしょうか。
(答)結局は、全体の歳出改革のところは
、「骨太2006」の線に沿ってやっていくということが、全体の雰囲気だろうと思っております。
(問)ただ社会保障費の2200億円削減なんかは、去年の段階では、もうかなり限界じゃないかという話もあったんですが、それもやはり「09」でも続けていくという理解でよろしいですか。
(答)2200億という話は、象徴的な数字として議論されているんですけれども、誤解していただきたくないのは、今ある社会保障費から2200億切るという話ではない。これは、8000億ぐらいの社会保障費の増分を容認しているという数字ですから、ほうっておけば1兆円ぐらい増えていくものを、8000億円ぐらいで抑えようという話なので、何かイメージとして社会保障費から2200億切っていくという話にとられがちですけれども、決してそういうことではなくて、高齢化等で必要な社会保障費は当然認めると。しかし、その中でも、倹約や効率化を進めて、2200億ぐらいは増える分から切っていこうということで、しかしながら、いろんな手当で事実上、2200億、本当に歳出が必要なところにはきちんと予算上の措置をしているということも、もう一方では事実であると思っています。


 与謝野大臣は単純に削減するのではないと言い訳していますが、「最低限必要な社会保障費用からの更なる削減」を行うことに変わりありません。「倹約や効率化」の名の下に、社会的弱者が切り捨てられてきたことを忘れるわけにはいきません。引き続きの2200億円削減を許さない声を上げ、「間違い」を認めさせるまで運動を強めましょう。


 <参考> 経済財政諮問会議のHP


(以上)



「京都市内中小企業の景況について」公表(京都市)

2009年04月21日 12時46分25秒 | 資料&情報
 京都市産業観光局が四半期ごとに行っている「市内中小企業の経営実態,経営動向などを把握するため,四半期ごとに実施している「京都市中小企業経営動向実態調査」の調査結果が公表されています。

 「調査」は、今年1月から3月の実績調査と4月から6月までの見通しについて、522社が回答をしています。

 企業景気DIでは「製造業,非製造業ともに,受注環境の悪化、設備投資意欲の減退、一般消費動向の停滞など、世界的な厳しい経済情勢を反映し、企業景気DI は前期よりも更に低下。平成10 年Ⅳ期以来、10 年3か月ぶりに10 ポイント台の低水準に」とし、来期の見通しも「景気の回復は依然として期待できない。」と結論付けています。

 雇用人員DIでも、すべての業種で「過剰」、見通しでも「飲食・宿泊」業を除き「過剰」となっています。とくに製造業では「西陣63.5」「染色76.0」「金属84.2」「機械75.9」で前期より大幅に悪化しています。
 *「過剰」や「悪化」との表現をしていますが、DI指数とは、増加、上昇などと回答した企業の企業割合から、減少、低下などと回答した企業割合を差し引いた数値。50 を基準として、それより上である場合は、上向き傾向を表す回答が多いことを示し、下である場合は、下向き傾向を表す回答の割合が多いことを示す指標です。

 しかし、京都市内の中小企業が、10年来の深刻な実態に追い込まれていることに間違いはありません。
 雇用人員DIにも見られるように「倒産」「減産」「大企業からの圧力」による人員縮小が今後も起こる可能性があります。
 政府・与党は「新経済対策」として、大企業優遇の対策案を出していますが、雇用の確保、庶民の生活と中小零細企業の経営安定を浮上させる経済対策こそ必要です。消費税増税などとんでもありません。



 京都市中小企業経営動向実態調査はここから



(以上)

 

厚労省「介護保険最新情報」について

2009年04月20日 15時44分48秒 | 資料&情報

 介護関係者なら必ず目を通す、厚労省「介護保険最新情報」があります。
 正式には、各自治体を通じて介護事業者等に配布される(配布されない場合または遅れて通知)べきものですが、インターネット等でその「最新情報」が公表されます。ちなみに厚労省のホームページでは公表されていません。また京都府も「遅れ公表」や「間引き公表」となっています。

 ところが、今年は「介護保険最新情報」が4月1日を前後して”乱発”されています。つまり1日より実施されている新しい制度改定や介護報酬の詳細な解釈問題が、直前・直後に次々と出されました。

 3月中旬からの「介護保険最新情報」一覧です。

Vol.66(3月16日付)
Vol.67(3月17日付)
Vol.68(3月19日付)

Vol.69(3月23日付)
Vol.70(3月24日付)
Vol.71(3月31日付)
Vol.72(4月3日付)
Vol.73(4月6日付)
Vol.74(4月9日付)
Vol.75(4月13日付)
Vol.76(4月13日付)
Vol.77(4月17日付)
Vol.78(4月17日付)
Vol.79(4月17日付)
Vol.80(4月17日付)

これらの「介護保険最新情報」の特徴は介護認定に係るものが半数以上(赤字のもの)を占めることです。
厚労省の混乱ぶりが見られます。
介護関係者(認定審査委員や調査員、ケアマネ、介護事業者等)は4月実施を前後して出されるこれらの情報に振り回され、困惑し、怒り、制度そのものへの疑問と、利用者の皆さんのことを考えると「許されない」感情を持たれることと思います。

新しい介護認定方式は中止すること!

 なかでも、問題なのはVol.80「要介護認定等の方法の見直しに伴う経過措置について」です。(ここから

 
要介護認定に係る「経過措置」とは、
①認定更新申請者に対し、認定調査の時点で、または、要介護更新認定の申請から認定までの可能な時点で「経過措置希望調書」に記入してもらう。
②「調書」の内容は
 イ、今回認定される要介護度でよいか、従来の要介護度のままでよいかを選んでもらう。
 ロ、従来の要介護度のままを希望した方は、
  ・従来より 軽度になった場合、従来の要介護度に戻す。(重度になった場合はそのままでよい)
  ・従来より 重度になった場合、従来の要介護度に戻す。(軽度になった場合はそのままでよい)
  ・従来より 重度になっても軽度になっても、従来の要介護度に戻す
  の3択をえらぶ。
③認定審査会は、申請者の希望に応じ、見直し後の方法による要介護度が従前の要介護度と異なる場合に、従前の要介護度で認定する。
④経過措置による要介護度の有効期間は、要介護度新認定の有効期間と同様とする。
⑤これらの「経過措置」は、「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」の検証が終了するまでとする。

 だれが読んでも「新しい認定方式に問題があることを厚労省自ら認めている」文書です。しかも、「経過措置」では、「検証を行う」といっている問題だらけの方式で新規の申請者の要介護度を決めてしまうことになります。

 現時点で厚労省が行う判断は、新認定方式を中止し、検証作業を、誰もが納得のいく内容で実施することです。3月中に認定更新を申請した利用者さんの審査は、4月に入ってこれまでの第1次判定ソフトが使用され、調査員や認定審査員も従来のテキストに沿ってげんに審査を行っています。従来の認定のままで実施することになんの問題もありません。
 「調書」なるもので「だれがみても明らかに納得の出来ない」説明を利用者さんに「丁寧」に説明し、認定審査会で「介護度を決めましたが、希望により変えます」という、審査員をコケにすることを継続させるほうが混乱の極みと言えます。
 「怒りをとおりこし、あきれ果てる」とはこのことです。

(以上)



新「介護認定」学習・交流会のおしらせ

2009年04月16日 00時00分00秒 | 学習会の案内

 4月から実施の新しい「介護認定制度」は、軽度判定への誘導を意図したものとの疑惑が広がっています。厚労省の「内部文書」も明らかになりました。新しい第一次ソフトやテキストでの当てはめも「軽度に変更になった」との声も聞かれます。
 新しい認定方式に「どうすればよいのか」「どうしたらよいのか」。学習と交流を行います。ぜひ参加してください。

 新「介護認定」学習・交流会

 日時 5月13日(水) 午後6時30分より

 場所 ラボール京都(労働者総合会館)4階 第1会議室

 講師 小林直行氏(老健施設西の京事務長)
     *資料代500円をお願いします。 

 主催 京都社保協 京都民医連

 連絡先 京都社保協 TEL075-801-2526 FAX075-811-6170

(以上)


疑問だらけの「新しい要介護認定」-(5)

2009年04月15日 08時56分05秒 | 資料&情報

 厚労省は、「内部文書」の存在や世論の「軽度に誘導する新認定方式だ」の声が高まる中で、またもや小手先の手直し「要介護認定方法の見直しに伴う経過的措置」を決めました。

 厚労省は4月13日「第1回要介護認定の見直しに係る検証・検討会」を開催し、経過的措置の内容を公表しています。


 宮城県介護保険室より

 要介護認定方法の見直しに伴う経過的措置

 要介護認定方法の見直しに伴う経過的措置


ポイントは以下のとおり。

(経過措置の趣旨)
〇要介護認定方法の見直し直後において、必要なサービスの安定的な提供を確保し、利用者の不安を解消するとともに、混乱を防止する観点から、見直し後の要介護認定方法の検証期間中において、市町村が要介護認定方法の見直しに伴う経過措置を実施できることとする。
(経過措置の考え方)
○ 申請者の希望に応じ、見直し後の要介護認定の方法により審査・判定された要介護度が従前の要介護度と異なる場合に、従前の要介護度とする。
○ 経過的措置の実施期間は検証期間中。


 一目してわかるように、従来より「軽度」の認定が出された申請者が「従来通りの介護度でサービスを受けたい」と希望すれば「(無条件に)従来の介護度として認められる」ことになります。

 私たちは、小手先の見直しで制度の問題をすり替えるやり方(後期高齢者医療制度でも同様)でなく、根本的に介護認定制度を改定することを要求します。
 それは、介護サービスの提供はケアマネジャーがつくるケアプランに基づき、必要なサービスを十分に提供できる制度に変えること。
 必要なサービス提供を支える財源として、応益負担の利用料に反映しないよう、国負担を大幅に増額させることです。

 いま、その声を大きく上げる絶好の時期と言えます。

(以上)


 


「京都府内の地域医療を考えるつどい」で深刻な医療実態を交流

2009年04月14日 15時55分39秒 | 事務局通信
 4月11日「京都府内の地域医療を考えるつどい(社保協、自治労連、民医連等の共催)」が開催され、深刻な医療実態が明らかに。地域医療を守る運動の交流も行いました。

 「つどい」は、「医療費適正化路線と京都府の地域医療供給体制」について社保協医療部会員の中村暁さんが報告。政府・厚労省の「医療費適正化計画」にそった都道府県計画が義務化されていること、深刻な医療実態にもかかわらず「医療費削減」を強いられている内容が具体的な資料で説明されました。また「新臨床研修医制度」問題では「府県単位の定員導入はとんでもないこと」と民医連岸本さんから報告がありました。



                  

発言では、
○京丹後地域の医療、特に与謝の海病院での脳外科休診について「脳疾患での重篤な患者は死ねという事態」であるとの報告。
○舞鶴市の病院再編問題では、市立病院を含む公的4病院の再編問題について市政の対立点としてもなってきているなど複雑な状況や再編案について報告。
○京丹波町和知診療所では一般病棟の廃止→老健施設の転換を行う。また瑞穂病院(現京丹波病院)は療養病床の廃止などが進行しているとの報告。
○与謝の海病院の医師問題や京都府全体の医療、現場での業務が強化されていることなどの報告。公的病院の役割など。
○京都市立病院の独立行政法人化反対の取組み。住民アンケートや署名活動など住民と一緒に活動をしている内容を報告。
○社会保険京都病院は、赤字克服のための努力や存続に向けた地域での「守る会」運動を報告。
○八幡市関西医大病院が民間移譲された問題では、住民から不安の声が寄せられているとの報告。
○京都市の休日夜間診療体制の縮小問題では、自らの体験も踏まえ廃止反対の報告。
○京都市立看護短大の仏教大学への民間移譲では、関係者や学生、労働組合にも相談なく市長の独断での発表であると報告。



                  

 政府・厚労省の社会保障費抑制の誤りは明らかです。京都府内の地域医療を守るために、各地の経験に学び、住民とともにアンケート・署名活動や「守る会」活動などの交流を行っていこうと、今後の運動を決意しました。


(以上)


 

疑問だらけの「新しい要介護認定」-(4)

2009年04月14日 14時18分53秒 | 資料&情報


○国務大臣(舛添要一君)
 まず、この紙がどこから出てきて、どこでどういうふうに使われたか分かりませんから、これは調査してからでないと答えられません。私も知らないので。
それからもう一つは、要するに、少なくとも例えば各党の部門会議とか部会に出すような資料であったり政府の中で説明するような資料として出ていれば私は分かりますから、そういう公式な資料として出てきたものじゃありませんので、まず大前提は、これがどこでどういうふうに使われて、どういう資料だったかを確定したいということが、まず申し上げたいというふうに思います。それがなければ前提とした議論はできません。しかし、問題は、要するに、それは要介護度が一から五までで、五の人が八割で、一、二、三、四入れて二割とか、こういうのは余りにひど過ぎますが、大体五段階に分けていってる。しかし、必要なところに必要な介護を与えるべきであって、そのパーセンテージがちょっと変わったからといってこれは重くするとかどうするって、要するに、この紙に基づいて議論するのも不愉快なのでやりたくないですが、二ページ目に不適切な重度変更がなされておりますと、原因と書いてあるけれども、これが本当かどうかだって検証しなけりゃいけないので、正しい重度変更なのか不適切なのか、そういうことも含めて、これはちゃんと省で検討します。
○小池晃君 これは是非調査してください、これね。こういうことが、これ恐らく、そのほかのペーパーも今日は配っていない部分で言うと、与党の厚生労働部会なんという日程も書き込んであるものもありますから、そういったところに出されているのかいないのかということも含めてきちっと調査をしていただいてこの委員会に報告をしてほしい。で、こういう問題はずっと議論されてきていたんですよ、実は。昨年八月の厚労省の要介護認定調査検討会の席上でも、ある委員の方が、認定システム自体が給付抑制ツールとされるのではないかということが懸念されると、これはある自治体関係者がそう言っているんですね、意見書を出している、それを紹介されている。それに対して席上、厚労省の課長は、我々の意図としても全くそういうことはあり得ないというふうに答えているんですが、しかしこの経過を見ると、こういう書類なんかを見ると、実際はそうじゃなかったんじゃないかという疑いが極めて私は濃厚ではないかなというふうに思うんです。
私はこの問題、これ、はっきりしていただきたい。それから、先ほど指摘もあったように、今回の認定制度の見直し自身がきちっとやっぱり検証されていないという問題あります。モデル事業でもう一回やり直さないと駄目だと。だから、やっぱりいったんこれは中止して、これは止めていただきたい。だって、止められると思うんですよ。だって、三月までに認定を申し込んだ人の分は、新しい制度じゃなくて古いソフトでしばらく続くんだから。古い認定ソフトまだ使っているんだから。しばらくはダブルトラックでいくわけですから新しいやり方はいったん止めて、これはもう一回、全体的に検証し直すべきだ、国会でやっぱりきちっとこの問題について議論すべきだと。いったん止めていただきたい、どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) 全員が今おっしゃったようにこの認定基準が適用されるわけじゃなくて、その段階に来た人、最大二年ですけれども、やっていくわけですから。とにかく、もう四月になりました。そうすると、もう動いています。市町村にも混乱を巻き起こしたくない。とにかく、やった結果を公開の場できちんと検証して、それで結論を出したいと、そういう方向でやりたいと思います。
小池晃君 いや、あのね、混乱するといっても、こんなまともに検証もしていないようなもので実際の要介護度が下がっちゃったという人が出たら大混乱しますよ、それこそ。だから、そういうふうになる前に、だって、後でもし間違っていたら検証すると言うけど、その人にとってみれば生き死ににかかわるんですよ、必要な介護を受けられるかどうかというのは。それこそ今回で言っている、要介護一か要支援二かといったら、これは施設に入れるか入れないかということになるわけですよ、ここで切られちゃったら。だから、そういう意味では、こういうものはやってみてなんということは許されないと、やめるべきだと、重ねて問います。
○国務大臣(舛添要一君) そのために不服審査請求もできますし、それより前に区分の請求の審査ができますから、今おっしゃったように、とてもじゃないけれども自分の体はそういうことではないというのは、区分請求を出されればその日からこれは変えることができますので、そういうことに対して市町村の窓口がきちんと対応する、そういう不服に対して申出があればきめ細かくきちんとやると、こういうことで今の問題は救えると思いますから、これは強力に指導していきたいと思います。
○小池晃君 いったん判定されてから不服審査しろ、区分変更を申請しろと、それは酷ですよ。だから、そういったことにならない前にいったんやめなさいと、今あるんだから止めなさいと、是非そういう方向でやっていただきたい。それから、ちょっと介護に関連することで一点聞きますが、これは四月一日から介護報酬を三%引き上げると、極めて不十分なんですけど、その要介護度別に利用限度額というのはそのままなんですよね。そうすると何が起こるかというと、今までのサービスを受けていた人が、金額は上限変わらないので、三%上がっちゃうと受けられなくなるんです。まあもちろん利用限度額いっぱいまでやっている人ってそんなに多いわけじゃない。しかし、在宅で重度の方、認知症の方など、上限いっぱいまで使っているような方はいるわけですね。こういった方は、介護報酬が上がった分だけ受けられるサービスは減ってしまうという、そういう事態があるわけです。だから、私、これはまあ部分的な問題でさっきの問題とはちょっと別ですが、少なくとも介護報酬引上げの分は利用限度額をやっぱりそれに合わせて引き上げると、今まで受けていたサービスが受けられないようなことがないようにすると。
これやるべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員もおっしゃったように、大体平均すると限度額の四割、六割ぐらい、四割から六割を皆さんがお使いになっているので、まあもろにということではないと思います。
それで、今の意見に賛成の方々も専門家の中におられて、また反対の方々もおられる。今回は、だからそれに合わせて上げるというのはどうかなということで据え置きということにしましたけれども、これも検討課題とさせていただきますが、これは賛否両論あって、なかなか一気に今委員がおっしゃった方向でかじ切れるかどうかというのは、ちょっと検討させていただきたいと思います。
○小池晃君 余り反対する人はいないと思いますので是非検討していただきたいし、改めて要介護認定制度の変更を見切り発車しないでいただきたい。これは介護切りになっちゃいけません。これはいったんやめて検証し直すということを改めて求めて、私の質問を終わります。


 
参議院インターネット審議中継で質疑が公表されていますので参照してください。
  *参議院での議事録はまだ公表されていません*



 小池議員がしめした「内部文書」はここから


 厚労省「内部文書」の出所を公表

 
厚労省老健局は、4月13日付で「参・厚生労働委員会(4月2日)における小池晃議員の配布資料について」を公表し、内部文書が厚労省の資料であることを認めました。
 文書では、「要介護認定関係資料(資料の『要介護認定平成21年度制度改正案』の部分)は老健局保健課が作成し、平成20年4月24日にkひょく内の打ち合わせに提出した資料であることが確認された」「(予算要求スケジュールの取り扱いについて、介護給付費の縮減効果額)資料については、老健局総務課が作成し、平成20年2月6日に局内の打ち合わせに用いた資料であることが確認された」としています。
 この「内部文書」の存在をみとめた文書では、厚労省の考え方も記述していますが、言い訳に終始しつつも基本的な考え方を「否定」する内容ではありません。


(以下、内部文書での記述)
〇本資料には「対策」として、「要介護1、要支援2の判定を行うことのできる一次判定ソフトを作成し、介護認定審査委員の関与を減らし、地域差をなくすとともに当初想定していた割合(注:要支援2要介護1→7:3)に近づける」との記述があるが
▲このように、今回の見直しにより、要支援2と要介護1の割合は7:3とはなっておらず、見直し後ではむしろ要介護1の者の割合が高くなっている

〇平成21年度に予定されていた介護報酬改定がプラス改定の場合には老健局内で財源確保策が求められる可能性があったことから…実現可能性は問わず、老健局内における論議のための材料として作成した資料
▲「認定の適正化(「非該当」重度変更率是正)」及び「介護給付の適正化」(①要介護認定の適正化)については、本年4月からの要介護認定方法の見直しとは無関係である


 つまり、「不適当な重度変更を是正し、要介護度(要支援)認定者を適性な分布に戻す」ことは「誤りである」とか、認定の適正化で「約84億円」の削減効果があることも、「財源確保が生じた場合」であっても「絶対に認めない」とは、一言も言及していません。むしろ、記述しないことにより「考え方は正当」との証明をしているような文書と言えます。


 「要介護認定による削減効果」「経度への誘導」は、厚労省が直近で打ち出した「暫定措置」にも表れています。


(以上 つづく)



疑問だらけの「新しい要介護認定」-(3)

2009年04月09日 11時27分09秒 | 資料&情報
 厚労省の「内部文書」を検討していきます。
 まず、厚生労働委員会での小池議員の質疑を紹介します。

 参議院議事録では未だ公表されていませんので、以下に質疑の内容を掲載します。



 4月2日参議院厚生労働委員会 小池議員の質疑(関係部分=大阪社保協提供)


○小池晃君 要介護認定制度の問題について聞きます
 四月一日から変更されました。先ほど森田議員からも問題点指摘されて、これは認定調査項目が減らされ、コンピューターソフトが変えられ、認定調査員などのテキストも変わって、これは二〇%が軽度に認定されるということもある。もしそうだとすれば、約百万人に影響する介護切りとも言える事態が、国会での論議もなしに行われた点でもこれは重大だと思うんです。これは予算委員会でも私、取り上げましたし、この委員会でも度々取り上げられている。今日問題にしたいのは、何でこういう変更を行うかということなんですが、大臣に改めて聞きますけれども、要介護度を低くしようという意図があるのか、あるいは軽度にして何らかの形で介護に掛かる費用を減らしたいという意図があるんじゃないか。いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) それは、何度も皆さん方、ほかの委員の方の御質問に対してもお答えしていますように、地域によるばらつきを是正する、それから介護技術の進歩その他を勘案して状況に合わせていくということで、結果的に軽くなる方がおられたり重くなられる方がおられたりしたので、軽くするためにやっているとかコストを削減するためにやっている、そうではないということは、これは哲学の変更ということまで申し上げて、申し上げたとおりでございます。
○小池晃君
 私、実は厚労省内部での検討資料というのを入手したんです。これは昨年省内で検討した資料で、今日お配りをしております。これ、資料の一枚めくっていただいて一ページ目には、要介護認定について要介護二、三が著しく増加しているというふうにして、その理由として、不適切な重度変更が行われていると。対策としては、不適切な重度変更を是正し、要介護認定者を適正な分布に戻すというふうに書かれています。
さらに、少しめくっていって、四ページ、五ページでは、要支援二と要介護一の分布が当初予定していた割合のおおむね七対三にならず、おおむね五対五となっているというふうにして、その対策として要介護一、要支援二の判定を行うことのできるソフトを作成し、介護認定審査会委員の関与を減らし、地域差をなくすとともに当初想定していた割合に近づけるというふうにしているんです。また、今日配付した部分のほかにも、十六ページあるんですが、認定調査委員用のテキストを改訂して定義を明確化するとか、異食行動などの認定調査項目は削減するという記載がありまして、まさにそのとおりに見直しなっているんですね。大臣、やっぱり四月からのこの要介護認定制度の改変というのは、認定審査会の関与を減らして要介護度をできるだけ低くしようという意図でこれは行われたということはこれは明白じゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(舛添要一君) まず、私はこの紙を初めて見るので、これがどういう性格の紙でどうであったか、それをちょっと、局長で分かれば、これは私も初めて見ますのでどういうものであるか分かりませんので、説明させます。
○政府参考人(宮島俊彦君) 実は私もこれ初めて見ますので、今の段階では確認できておりません。そういうことでございます。
○小池晃君 局長も替わられたことだし、それ以前の検討のものなのかもしれない。しかし、これ、私、かなり書かれていることはそのとおりにその後なっているなというふうに読んで思っているんですよ。実は、介護予防を導入した国会の審議の中でも、厚労省は、要支援二と要介護一の見込みは七対三程度になるというふうに答弁をしていたんですね。しかし、実際はそうなっていないんです。これは認定審査会で実態を踏まえた判定が行われてきたから実態としては五対五になっている。何とかこれ七対三にしようと。要するに、要支援二になればかなり介護給付抑制されるわけですから、そういう意図があっても不思議ではないと思うんですね。これ、ちょっと厚労省、これね、要支援二と要介護一の比率については、実際に七対三にしようという指導は実際現場でやっているんじゃないですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 今の御指摘でございますが、十七年に開催された全国担当者会議で、第三期介護保険事業計画のサービス見込みの推計で、要介護一のうち七割から八割が予防給付、つまり要支援二の対象になると、そういうふうに仮置きして推計してくださいということを言っております。これは、最終的には市町村の結果を踏まえて人数を見直すことは可能ですというようなことを言っておりまして、これはあくまでも第三期介護保険事業計画で、まだこの予防給付導入前のときに市町村が介護保険計画を作るときにどういうふうに見込みをすればいいかというものを仮置きの数字としてその数字を担当課長会議で言及しているというものでございます。
○小池晃君 いや、私が聞いたのは、実際七対三にせよという指導をしているんじゃないかと。実際に、これはもう公開されている資料ですが、東京の北区の介護保険運営協議会の議事録では、区の介護保険課長が、要支援二と要介護一について厚生労働省はこれを六対四、最終的には七対三にしろという指導があるというふうに述べているんです。それから、埼玉県久喜市の、これはインターネットに出ていますが、介護保険運営協議会の会議録でも、要介護一のうち七割を要支援二に落としなさいというのは厚労省の指示かという質問があって、そのとおりですというふうに市の担当者が答えている、それはインターネットに出ています。まさにこの文書のとおりのことが実際、水面下では自治体に対して指導されているということが出ているんですよ。こういう指導しているんじゃないですか。大臣、どうですか、こういう実態あるんですよ。
○国務大臣(舛添要一君) いや、今の委員のこの御説明を聞いたのが初めてですから、それは私は分かりません。それは調べてみます、そういうことになっているのかどうなのか。今のところはそれ以上のお答えはできません。
○小池晃君 これ是非調べていただきたい。問題は、何でこういう低く要介護度を抑えるような方向での制度変更が行われるのかということなんですね。そのねらいがこの資料の後ろから二枚目に、予算要求スケジュールの取扱いについてというところに出てまいります。何て書いてあるかというと、省として骨太方針に介護労働者の賃上げ問題を対外的にPRすることとした場合、それに対応した財源確保策が必要であり、さらに、年末の介護報酬改定に伴う改定率が決着し、プラス改定の場合には更なる財源確保策が必要だというふうに書いてあるんですね。その最後のページにその財源確保策なるものが列挙されております。その中に、認定の適正化というのがあるんですよ。非該当重度変更率の是正、一〇%非該当となる人を増やすということで八十四億円の給付費縮減効果。あるいは、介護給付の適正化、要介護認定の適正化などで二百億円から三百億円の縮減効果というふうにあります。そのほかにも、これ見ますと、自己負担二割にするとか、支給限度額を引き下げるとか、給付費の地域差を踏まえた国庫負担の見直しと。こういうことを検討していたのかと、本当、私もこれを見て驚き、あきれたわけなんですが、大臣ね、三%介護報酬を引き上げたって、こんなことをやったら何もならないじゃないですか。こういうことが今回の認定制度の見直しのきっかけになっているということは、この資料を見れば私はこれは明々白々たる事実ではないかと。大臣は、悪意はないんだと、そういう意図じゃないんだと言うけれども、この議論というのはまさに、先ほど森田議員も、これから先、やっぱり抑制していくためのツールになるとおっしゃいましたけれども、まさにそういう議論としてこれは始まったんじゃないですか。大臣、いかがですか、これを見て。


<ブログ字数がオーバーしたので、以下は次回に掲載します>



 


忙中閑話-PFI事業と三菱グループ

2009年04月08日 16時18分43秒 | 忙中閑話

 京都市立病院の事業計画は膨大な資料が特徴です。PFIという「手法」がもつ必然性ですが、うさんくさい内容もないとはいえない。
 「忙中閑話」にふさわしいかどうか?皆さんが判断してもらえれば。



 京都市立病院の改築・増築計画と18年間の長期運営事業計画をすすめる民間企業(SPC)の入札公募がすでに開始されている。
 入札説明会 平成21年2月17日
 施設見学会 平成21年4月15日、16日
 入札資格確認結果通知 平成21年4月13日
 入札執行 平成21年8月10日
すでに着々と進行している。そして必要な資料提供や問答集が作成されホームページでの公開がされている。
 問題は、これらの資料は、アドバイザリーとして契約した三菱総合研究所等(他、4社)が作成したものであるが、つい最近公表された「入札説明書追加資料集」の「備品等調達リスト
ここから)」をみて、これは??という記述に行き当たったのである。

 備品等調達リストには、備品の「参考品番」として「岡村製作所」「製品番号」「仕様」の欄がある。
 この岡村製作所こそ、三菱グループとの資本関係がある(三菱東京UFJがメインバンクであるだけでなく)、実は岡村製作所の大株主は筆頭株主が三菱商事、7位の保有が三菱東京UFJ銀行で、この2社で岡村製作所株の12.43%を占める(08年3月31日現在)。もちろんメイン銀行は三菱東京UFJ銀行だ。(資料
はここから

 京都市が行った過去5つのPFI事業のうち3事業に三菱系の企業が参加している。

 今回の市立病院事業がどうなるか。
 一市民としても注目するところである。

(以上)


 


疑問だらけの「新しい要介護認定」-(2)

2009年04月07日 11時37分06秒 | 資料&情報

 参議院厚生労働委員会で衝撃的な資料が公表されました。日本共産党小池議員の質疑によるものです。

 まず、厚生労働委員会での質疑を報道する「しんぶん赤旗」を紹介します。

認定方式変え介護費削減
厚労省が内部文書作成
舛添厚労相「調査する」
小池議員追及

 介護保険の要介護認定方式の改悪(一日から実施)などで給付費を二百八十四億―三百八十四億円削減できると明記した内部文書を厚生労働省が作成していたことが二日の参院厚生労働委員会でわかりました。日本共産党の小池晃議員が質問で明らかにしました。
 同省は要介護認定方式の改悪について、「給付費抑制の意図はない」と説明してきました。この説明を根底から覆すものです。
 小池氏は「要介護度を低くして給付費を抑制する狙いは明白だ。『介護切り』ともいえる認定方式改変の四月実施を中止すべきだ」と要求しました。
 小池氏が入手した文書は、「介護報酬改定に係る平成21年度予算要求関係スケジュール(案)」。介護報酬を「プラス改定」した場合には「財源確保策が必要」だとして「介護給付費の縮減効果額」を列挙しています。
 「認定の適正化」の項目では「非該当」とされた一次判定が二次判定で重度に変更される割合を10%減らせば「約八十四億円縮減」できると記述。「介護給付の適正化」の項目では「認定の適正化」などで「二百―三百億円」を縮減できると書いています。
 また、小池氏が入手した別の同省文書「要介護認定平成21年制度改正案」では、要支援2と要介護1の認定の割合を現在のおよそ五対五から七対三へと軽度の人を増やす方針を明記しています。「介護認定審査会委員の関与を減らし…当初想定していた割合に近づける」などと、二次判定を行う審査会の役割を後退させる狙いも書き込まれています。
 小池氏は、東京都北区では介護保険課長が、同省から要支援2と要介護1を七対三にするよう指導を受けたと公の席で述べていることなどを挙げ、「この文書の記述の多くが実際に行われている」と指摘。政策決定の過程を徹底調査するよう求めました。
 他党議員からは「すごい資料だ」と驚きの声が上がり、舛添要一厚労相は「初めてみた。どういう資料か調査したい」と述べました。(4月3日付報道記事)



 参議院厚生労働委員会での質疑(抜粋)
 「要支援2と要介護1を7:3にせよ」との指導を行っているのではないか!
 
○小池晃君 局長も替わられたことだし、それ以前の検討のものなのかもしれない。しかし、これ、私、かなり書かれていることはそのとおりにその後なっているなというふうに読んで思っているんですよ。
 実は、介護予防を導入した国会の審議の中でも、厚労省は、要支援二と要介護一の見込みは七対三程度になるというふうに答弁をしていたんですね。しかし、実際はそうなっていないんです。これは認定審査会で実態を踏まえた判定が行われてきたから実態としては五対五になっている。何とかこれ七対三にしようと。要するに、要支援二になればかなり介護給付抑制されるわけですから、そういう意図があっても不思議ではないと思うんですね。
 これ、ちょっと厚労省、これね、要支援二と要介護一の比率については、実際に七対三にしようという指導は実際現場でやっているんじゃないですか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 今の御指摘でございますが、十七年に開催された全国担当者会議で、第三期介護保険事業計画のサービス見込みの推計で、要介護一のうち七割から八割が予防給付、つまり要支援二の対象になると、そういうふうに仮置きして推計してくださいということを言っております。
 これは、最終的には市町村の結果を踏まえて人数を見直すことは可能ですというようなことを言っておりまして、これはあくまでも第三期介護保険事業計画で、まだこの予防給付導入前のときに市町村が介護保険計画を作るときにどういうふうに見込みをすればいいかというものを仮置きの数字としてその数字を担当課長会議で言及しているというものでございます。
○小池晃君 いや、私が聞いたのは、実際七対三にせよという指導をしているんじゃないかと。実際に、これはもう公開されている資料ですが、東京の北区の介護保険運営協議会の議事録では、区の介護保険課長が、要支援二と要介護一について厚生労働省はこれを六対四、最終的には七対三にしろという指導があるというふうに述べているんです。それから、埼玉県久喜市の、これはインターネットに出ていますが、介護保険運営協議会の会議録でも、要介護一のうち七割を要支援二に落としなさいというのは厚労省の指示かという質問があって、そのとおりですというふうに市の担当者が答えている、それはインターネットに出ています。
 まさにこの文書のとおりのことが実際、水面下では自治体に対して指導されているということが出ているんですよ。こういう指導しているんじゃないですか。大臣、どうですか、こういう実態あるんですよ。



 上記の質疑で紹介された「東京北区」「埼玉県久喜市」の議事録を掲載します。


(東京都北区 平成19年度第1回介護保険運営協議会議事録より抜粋)
 今現在の状況を申し上げますと、例えば非該当者の率が、この決算上は、1 8 年度5 % 台になってございますけれども、今は2 % 台になっているとか、そういった意味で、あるいは要介護1 と要支援2 の状況がさらに、
厚生労働省は、これを6 対4 、要支援2 を6 にし、要介護1 を4 という割合に1 8 年度はしろ、最終的には、これを7 対3 にしろという指導がありますけれども、北区におきましては、これを5 対5 の比率として認定を実現しているというような改善をしているところでございまして、そういった意味ではよりきめ細かな、しかも国の認定基準に基づいた枠の中での、よりきめ細かな認定が実施されつつあるというふうに考えてございます。そういった意味でも、これからさらにそういった取り組みを、実態を見据えながら、さらに取り組みを強めていきたいというふうに考えてございます。

 【東京都北区の介護保険運営協議会議事録
ここから】 


 

(久喜市 平成17年12月15日第5回介護保険運営協議会議事録より抜粋)
委員:
先ほどの説明に、要支援2と要介護1を、7対3で分けるという話がありましたが、これは逆に言うと「各自治体は、要介護1のうちの7割を要支援2に落としなさい」という厚生労働省の指示でしょうか。
事務局:要介護1の概ね7~8割について、4月以降は要支援2に位置付けされるという事については、そのとおりです。
委員:指導という事ですね。
事務局:そうです。そうしなさいという事です。これは要介護度を下げるという事ではなく、その人にあった適切な予防給付をしていこうという意味での措置、と理解していただきたいと思います。
委員:予防に力を入れるのは大変良いことだと思いますが、例えば久喜市を見た時に、要介護1の5割が要介護として合致しているという場合、残りの5割しか要支援に落とさない、というのは許されるのですか。
事務局:許されます。最終的には要介護認定審査会において、公平・公正に審査されるため、結果的に7対3になるか、5対5になるかは分かりません。概ね7~8割というのは、あくまでも見込みの数字になります。

 【久喜市介護保険運営委員会議事録は
ここから】 


(以上 つづく)