京都社会保障推進協議会ブログ

京都社保協のニュースや取り組み案内、タイムリーな情報・資料などを掲載していきます。

京都社保協第40回総会を開きました

2018年11月08日 13時13分35秒 | 定期総会

第40回総会に20団体8地域から50人参加

他人ごと・丸投げ、地域強制社会と正面からたたかい、安心して暮らせる社会へ!

府内のすみずみから地域社保協運動を起こそう

 京都社保協は、9月13日午後6時からラボール京都で第40回総会を開きました。安倍内閣が「地域共生社会」と称して国民に自助・互助・共助を押し付け、社会保障制度を解体する動きを加速するなか、権利としての社会保障確立をめざして奮闘する各地域の社会保障運動の経験を交流し、一層発展させる決意に満ちた総会になりました。

 園部事務局次長の司会ではじめた総会では、総会議長に京都医労連の松本紀子さんを選出して議事を進めました。最初に開会あいさつをした渡邉賢治議長は「今年の地震・猛暑・豪雨・台風によって被災された方々に心からお見舞いを申し上げたい」と述べ、「そんな時にいのち・生業・くらしをちゃんと守ってくれる社会保障の充実だけでなく、私たちに寄り添う自治体にしていける取り組みをしたい。これから議案について活発な討議をお願いしたい。」と訴えました。

 早速、議案提案を松本事務局長が行い、1年間の活動報告と今後の運動方針案を示しました。そのなかで社会保障の大改悪がかなり進んできて、社会保障・税一体改革が2014年度からはじまり、いわゆる「社会保障改革」の重点改革期が今年で終わることで、あらゆる分野でさらに改悪が進む。今年いろんな新しいことにチャレンジして「いのちを守る署名」や「国保の都道府県単位化に伴う国保自治体キャラバン」、地域で大変問題となっている介護問題での「介護自治体キャラバン」に取り組み、新たに子どもの分野にしっかりと責任を持っていくために子どもプロジェクトを立ち上げた。また「共生社会」フォーラムを8月に開いた。こうした運動を基礎に今年1年で社会保障の日々の運動の中心になる地域社保協を府内全域につくる。そして社会保障を守るために安倍内閣がやろうとしている憲法改悪発議をとめる運動をあらゆる力を集めて憲法改悪を阻止したいと提案しました。吉岡副議長からは決算・監査報告・予算を提案しました

8団体2地域から10人が取り組みを発言

 その後10人の方が討論に参加して次のとおり。

①京都府歯科保険医協会の秋山さんは、5月12日に「保険でよい歯科医療を」京都連絡会を16団体4個人の賛同を得て発足した。社会保障の1つとして保険診療がちゃんとできる歯科医療にするため署名や自治体への請願をしていきたい。

②京障連の池添さんは8/29に開いた「共生社会」フォーラムの内容を報告し、今までにないつながりができたことや身近なところで公的な支援の必要なことを明らかにしたことを発言。また9/30に「障害者自立支援法に異議あり、応益負担に反対する実行委員会で「我が事・丸ごととはどういうものか、幸せに通じているのか」という学習会を開くので参加を。

③右京社保協の田阪さんは、国保法44条に基づく一部負担減免制度を大いに活用し、改善する運動を進めることを社保協方針に位置付けてほしい。

④きょうされんの粟津さんは9/21~22に19年ぶりに京都で全国大会を開く。障害者だけでなく貧困の困難に直面する人たちとも協力して成功させたい。

⑤京商連の池田さんは安倍政権が来年10月から消費税を10%にするということを閣議決定までして強行しようとしている。6月府議会に団体請願を出したが、所得のない人まで税金を取ることの異常を大きく訴えて、増税を阻止したい。

⑥京都医労連の坂田さんは骨太方針で医療・社会保障を大きく削減する内容が書かれている、全国でベッドを33万床減らして入院から在宅へ追い出し、在宅の人はほったらかしとなる。医療や介護を守る署名をしているので協力を。

⑦福保労の澤井さんは「青いとり保育園不当解雇裁判」が最高裁不受理になった結果の報告、明石市の子育て支援見学の報告。⑧府職労連の森さんは、4月の知事選挙でさまざまな要求が出され実現に向けた運動につながっていること、児童相談所の実態について報告。⑨亀岡社保協の藤村さんはアスベスト問題で建築資材として大変多く使われているので、これから建物や工場の建て替えで公害になる危険が大きい。潜伏期間が長い病気なので社保協も取り組んでほしい。⑩京生連の大本さんは10月から生活保護基準が最大5%下げられる。国への怒りの意思表示をしていこうということで、13年度に続いて前回以上の不服審査運動をするのでご支援をなどの発言があり、松本事務局長が各分野から貴重な発言をいただき社保協が大きな運動として新しい社会保障の制度をつくる運動、そして個別の問題でも具体的な支援策を実現していく運動を地域・職場から津々浦々で起こしていこうと結びました。議事の最後に坂田事務局次長の提案で渡邉賢治議長をはじめ、27人の運営委員・監事を選び、議案・決算・予算・方針を可決しました。

《記念講演》

「2040年問題」とは?権利としての社会保障を守り未来を拓こう

        京都自治体問題研究所事務局長  池田 豊さん

続いて、総会記念講演として京都自治体問題研究所事務局長の池田豊さんに記念講演をお願いし、「2040年問題とは?権利としての社会保障を守り未来を拓こう」というテーマでお話しいただきました。 (写真左:講演する池田豊さん)


 池田さんは、2040年問題というのは安倍内閣のもとで新しい自治体の戦略を建てようと総務省が研究会を立ち上げ、わずか9カ月で16回の会議を猛烈に進め、来年の国会で関連法案を通して着手する予定で動いていること、2040年時点の予測を基に国の基本的な枠組みをつくりあげるもので、今国民が直面している問題の解決などは念頭においていなくて、2040年に高齢者がピークを迎えた時のために今何をしたらいいかを検討している。安倍内閣は地方創世の時代だと言ってきたが、本来ならその政策がどうだったのかの検証をしなくてはならない。しかし、2040年構想の16回の議論の中で1度も議論されずに、高齢者がピークを迎えたら大変、国家の危機だと言って新たな自治体にしていく。その中身はパラダイムの転換といって、①破壊的技術(AI・ロボティクス・ブロックチェーン)を使いこなすスマート自治体への転換により、効率的な業務プロセスを追求する、②自治体行政の標準化・共通化を進めることで、従来の半分の職員でも自治体として本来担うべき機能が発揮できるとしている。その上で、③自治体はこれまでのような直接的なサービスをやらない、個人の自立性を尊重して自助を基本に新しい公共私の協力関係を調整することを仕事とする。そのために④都道府県と市町村の関係を柔軟化し、圏域を超えたネットワークを形成すると言っている。こうしたことで「地方統治」を強化することが狙いであることが明らかになっている。こういう構想で今、医療や介護・福祉を見直そうとしているということだと述べ、彼らが考えていることをしっかり読み込んで対策を考えなくてはならないとまとめました。総会の最後に吉岡副議長が閉会挨拶を行い、散会としました。