京都社会保障推進協議会ブログ

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第2回後期高齢者医療協議会資料が公表されています

2007年11月28日 11時12分55秒 | 資料&情報
協議会では、保険料や減免規定、資格証明書の扱い、保健事業等が論議されています。委員からは高齢者の負担増を懸念する意見や、後期高齢者医療制度そのものへの疑問・意見が出されましたが、資料として説明された内容は、12月1日に開催される広域連合議会に「条例」として提案される方向です。

 第2回京都府後期高齢者医療協議会資料
 第2回京都府後期高齢者医療協議会参考資料

資格証明書の発行は絶対に認められない あらためて不当性を問う

2007年11月27日 12時37分20秒 | 資料&情報
 そもそも資格証明書とは。国民健康保険法の一部改正時の国会論戦を振り返り、検証する文書を学習資料として掲載します。
 私たちは資格証明書そのものに反対する立場ですが、導入当時の国会審議の内容からしても、現在進行している「保険料滞納者=悪質=保険証の取り上げ=資格証明書の交付」が不当であるか。来年実施の後期高齢者医療制度での運用を絶対に許さないために、活用してください。


後期高齢者医療制度での「資格証明書」発行は絶対に認められない

                       京都社会保障推進協議会 事務局 山本隆

(1)はじめに
 来年4月から施行される「高齢者の医療の確保に関する法律」では、「被保険者資格証明書」の発行を明記しています。私たちは「資格証明書」の発行が国民健康保険の保険料滞納者に明文化された時から、一貫して反対の立場を貫いてきました。そもそも「資格証明書」は、受診した時の医療費の全額を一旦窓口で支払い、本来の一部負担金以外の保険給付部分は、のちに保険者から支払われるという、事実上の無保険状態に被保険者が追い込まれる制度です。それは憲法第25条が定める「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に違反し、国民の医療を受ける権利を侵害する内容です。
 また、実際「資格証明書」が全国で交付されるなか、「証明書発行全国一位の神奈川県では、資格証を発行された人の受診率は一般被保険者の32分の1、全国二位の福岡県では113分の1(保団連調査)」「保険証取り上げによって患者さんの受診が遅れ、その結果なくなられたケースが、過去2年間で25名(全日本民医連調査)」など(いずれも07年3月参議院予算委員会での小池議員質問より)、深刻な事態が発生しています。「資格証明書」の交付を直ちにストップさせることが求められています。
 今回の後期高齢者医療制度は、75才以上の高齢者全員を対象ですが、現行の国民健康保険法では「老人保健法の規定による医療又は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付を受けることができる」被保険者への「資格証明書」交付を禁止し、通常の被保険者証を交付するように定めています。現行法律で否定されている高齢者への交付を肯定する制度は容認できません。
 後期高齢者医療制度自体が高齢者に大きな負担を強いる内容ですが、とりわけ「資格証明書」問題はあらたな悪法の拡大を許すかどうかに直結する重大な問題です。京都府高齢者医療広域連合は、「資格証明書」の交付について「法に規定が置かれた趣旨、被保険者の実態等を踏まえ、適切に運用する」としていますが、広域連合議会において、高齢者の医療を受ける権利が侵害されないよう、真剣に論議されることを強く要請します。

(2)「資格証明書」交付をめぐる論点整理の必要性
 「資格証明書」は1986年「国民健康保険法の一部改正」により導入されました。すでに20年以上が経過ました。全国の自治体では慎重な対応を行い、事実上交付ゼロの自治体も多くありますが、機械的な対応を行い、交付の既成事実化が進行しています。また、「資格証明書の交付に反対だが正面の課題として位置づけない」一部のあきらめもあります。そのためにも後期高齢者医療制度で「一人たりとも資格証の交付を行わせない」世論の形成が必要です。
 以下、あらためて、導入当時の国会論戦を振り返り論点を整理します。

(3)国会での論戦経過
①1986年10月28日 衆議院社会労働委員会議事録より(抜粋)
 ○斎藤国務大臣 今回お願いしております措置は、被保険者証にかわって資格証明書というものを交付をいたしまして、国保被保険者の資格そのものを奪うものではないわけでございます。でありますので、特に悪質な滞納者に対して給付を一時差しとめるにすぎないものでありまして、国民が医療を受ける権利を奪うというものではないわけでございます。国保制度は被保険者の相互扶助精神に基づくものであり、正直に保険料を払っている人とそうでない人との負担の不公平を是正し、国保制度の健全な運営を図る観点から、この程度の措置は最小限必要なものと考えております。
○斎藤国務大臣 所得がなくて払えない方も悪質とみなすというようなことではございませんで、悪質滞納者とは、合理的な理由がなく故意に保険料を滞納している者をいうわけでございまして、具体的には、災害とか失業、長期入院等の特別な理由がなく長期間滞納している者、また、かつ、財産の名義の変更などを行うなどして保険料納付を回避する意図が明らかである者、こういう人たちを想定いたしておるわけでございます。
○経塚委員 今、大臣は、その悪質かそうでないかの境目として三つほど具体例を挙げられましたね。災害、それから長期入院、それから失業ですね。そうすると、失業はしておらない、わずかなパートでも収入がある、それでしょっちゅう医者にはかかっているけれども、長期入院もしておらない、それでまあこれといって災害に遭っておらない、しかし所得に占める保険料の負担率から見ますと大変負担が重い、こういう層はどうごらんになるのか。
○下村政府委員 今回お願いいたしておりますのは、大臣からお答え申し上げましたように、悪質滞納者に限定いたしまして制度を運用するということを考えておるわけでございます。悪質の条件としては、ただいまこれも大臣申し上げたところでございますが、特別の災害、失業あるいは長期入院といった納得できる特別の理由がない、しかも長期間滞納している、どうも保険料を納めたいけれどもということではなくて、保険料の納付を回避する意図が明らかな者、故意というふうなことが考えられる者ということを考えておるわけでございます。
  実は、私どもこの制度を立案いたします際に、どういう例が悪質と考えられているかということでいろいろ聞いてまいりましたけれども、実際に市町村がこんな例が悪質だと挙げてきた例は、むしろ低所得というよりは、かなりの所得がありまして、しかも保険料を納めない、医療給付を受けてないから払いたくない、あるいは財産処分は回避をするというようなことで、明らかにどうも保険料を納める意思がないというふうな者を対象といたしますので、その点についての御懸念は、運用面で心配はないというふうに考えている次第でございます。
○経塚委員 運用面でそういう心配はない、こういうことでありますが、法令上政令で定める場合を除いて、こうなってきますと、この政令というものの中身が極めて具体的に明示をされなければならぬことになりますが、今、先ほどの大臣の御答弁では三つの例しか挙げられなかったので、私は改めてお尋ねをしたわけでございます。(中略)今の保険料というものが被保険者の多数の人々にどれだけ重い負担になってきておるか。結局、保険料が高いから収納率が悪くて滞納がふえる、滞納がふえますと、また保険料を上げなければならぬ、こういうことで、確かに大臣が最初におっしゃったように、もうこれは明らかに限界です。だから先ほどの御答弁では、こういう納めたくとも経済的理由によって納められないという人については、保険証の返還を求めるとか医療の権利を奪うとか、こういうようなことにはならない、こういうことを改めて大臣の方から御答弁をお願いしたいと思うのです。
○下村政府委員 今回の制度はあくまでも悪質滞納者を対象にして設けられたものでございますので、納める意思があって納められないという事情が明らかな者については、この制度の対象とすることは絶対にないということがお答えできると思います。
○経塚委員 大臣、ちょっとくどいようですが、私が説明いたしましたような経済的な理由、低所得者、こういうようなところにまで医療の権利を奪うというようなことはございませんね。
○斎藤国務大臣 真に払えない方というよりも、合理的な理由がなく故意にこれを滞納しているという悪質な者に限って適用するよう運用いたしてまいりたいと思っております。

②平成5年3月25日 衆議院厚生委員会議事録より
○児玉委員 この機会にもう一つ、国民健康保険制度に関連して御質問します。
  それは、長引く不況で国民の生活が非常に厳しい状態にある。中小業者の営業の問題、失業の増大、そういった中で、老人保健法の改悪に伴って一九八六年に国保法の一部改正、そこに端を発していわゆる資格証の発給の問題が出てきております。例えば、私のおります札幌市では昨年の十一月、資格証明書が三千八百九十七世帯、ちなみに前年度は五十四世帯だったのですから、一挙に七十数倍にがあっとふえる、こういうふうな事態があって、これはもう社会問題になっています。
  この問題について国会で審議されたとき、私どもの経塚委員の質問に対して当時の斎藤十朗厚生大臣、そして下村保険局長はこもごも次のように答えています。これは斎藤厚生大臣ですが、「所得がなくて払えない方も悪質とみなすというようなことではございませんで、悪質滞納者とは、合理的な理由がなく故意に保険料を滞納している者をいうわけで」云々、下村保険局長は「むしろ低所得というよりは、かなりの所得がありまして、しかも保険料を納めない、医療給付を受けてないから払いたくたい、あるいは財産処分は回避をするというふうなことで、明らかにどうも保険料を納める意思がないというふうな者を対象といたしますので、」「運用面で心配はないというふうに考えている次第でございます。」答弁はこのとおりですね。
○古川政府委員 今、私はちょっと確認できません。
○児玉委員 後から確認をしてください。八六年十月二十八日の衆議院社会労働委員会と地方行政委員会の連合審査の会議録からです。
○古川政府委員 委員御案内のように、この被保険者資格証明書の発行の対象となるような方々というのは、資産とか所得がありながら故意に保険料を長期にわたって滞納しているというような方々でございまして、私どもは公正の見地から、そういう方々についてはこの被保険者資格証明書を発行するというようなことをしているわけでございます。 もちろん被保険者証の返還とかそういった問題については、事前に十分な納付の相談・指導とかいうようなことを行っているわけでございまして、生活困窮等やむを得ない特別の事情により滞納している場合等について、配慮といいましょうか、十分指導しているというようなところでございます。

(4)論点整理
①国会論戦でも明らかなように、「資格証明書」交付対象者は悪質な滞納者が対象であり、悪質な滞納者とは「かなりの所得がありまして、しかも保険料を納めない、医療給付を受けてないから払いたくない、あるいは財産処分は回避をするというようなことで、明らかにどうも保険料を納める意思がないというふうな者(下村政府委員)」であると明確にのべています。つまり、かなりの所得があるにもかかわらず滞納するのが悪質な「資格証明書」交付対象者であり、払う意思があるにもかかわらず(保険料が高くて)払えないものは交付対象者とは絶対にしないと言明しています。広域連合議会はまずこの立場を表明することが求められます。
②上記国会での論議を受け、12月27日付「国民健康保険の保険料(税)滞納者に対する措置の取扱いについて(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知 保険発第一一三号)」がだされました(参考資料として文末に添付)。「通知」は、「徒に被保険者証の返還の措置を求めるのでなく、納付相談・指導を通じても対応が不可能であると認められる次の場合に措置を行うものとして、運用する」とし、一定の縛りをかけています。「通知」そのものは「資格証明書」の発行を前提とした文書であり肯定するわけにはいきませんが、措置を行う場合の運用例として「納付相談・指導の結果、所得、資産を勘案すると十分な負担能力があると認められる」と明記しています。つまり、保険料を滞納しているが、低所得や生活苦など所得・資産からみて十分な負担能力を有しない場合には、「資格証明書」は交付してはならないこととなります。
  広域連合は、厚生省通知文書からしても、払いたくても払えない滞納者には、「資格証明書」を交付することは絶対に行わないとの確認が必要です。
③しかし、自治体によっては滞納者の実情を勘案しないで、生活に困って保険料を払えないケースや、乳幼児医療費助成対象の子どもたち、公害医療の助成を受けている小学生の保険証を取り上げる事態が起こっています。また、機械的な対応に陥りやすい一例として、「災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き」、滞納者に対し保険証の返還をもとめるとしている規定があります。国民健康保険施行令では
第一条の三 法第九条第三項に規定する政令で定める特別の事情は、次の各号に掲げる事由により保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。次条において同じ。)を納付することができないと認められる事情とする。
一 世帯主がその財産につき災害を受け、又は盗難にかかつたこと。
二 世帯主又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。
三 世帯主がその事業を廃止し、又は休止したこと。
四 世帯主がその事業につき著しい損失を受けたこと。
五 前各号に類する事由があつたこと。
 としています。災害や盗難、病気や負傷、事業の著しい損傷など具体的な記載ですが、いずれも所得(収入)の変動を前提にしていることです。したがって、当然、前各号に類する事由の中には、リストラや倒産による解雇、大型スーパーの進出による商店の売り上げ減少、医療費用や介護費用の負担増、教育費や物価の高騰など、所得の変動に関わる要因が含まれると認識すべきものです。しかも、もっとも大切な点は、被保険者・世帯の所得(収入)が「特別な事情」のおおもとの基準とすれば、所得と保険料の相対関係(所得が毎年一定でも、昨年の保険料は払えるが、高くなった今年の保険料は払えないという関係)が生じるのは明らかです。全国の国民健康保険料の滞納者が480万人に増加した要因の多くが「払いたくても払えない高い保険料」の実態をふまえ、「特別な事情」の機械的な解釈でなく、実態に見合った「事情」に目を向けるべきです。
④後期高齢者医療制度は、上記以外にも、保険料は年金から強制的に天引きされ、年金収入が年額18万円以下の高齢者のみ、普通徴収として窓口納付となります。事実上は、この低額な年金受給者のなかで保険料の滞納者が想定されることです。命にかかわる事態です。
 来年4月の施行をまたず、京都府広域連合として「ひとりの資格証明書交付者もつくらない」明確な態度表明を、強く要請します。

以上


<参考資料>
○国民健康保険の保険料(税)滞納者に対する措置の取扱いについて
(昭和六一年一二月二七日)
(保険発第一一三号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)
老人保健法等の一部を改正する法律(昭和六一年法律第一〇六号)による国民健康保険法等の改正により、国民健康保険の保険料(税)滞納者に対する措置が設けられたところであり、その施行については、昭和六一年一二月二五日付け厚生省発健医第二八五号により厚生事務次官から各都道府県知事あてに、また同月二七日付け保発第一五六号により厚生省保険局長から各都道府県知事あてに通知されたところであるが、その実施に当たつては、これらの通知によるほか、左記の事項に留意の上、貴管下保険者の指導に遺憾のないよう配慮されたい。
                    記
一 措置の趣旨
今回の措置は、老人保健制度改革における老人医療費の公平な負担の理念を踏まえ、国民健康保険の被保険者間の負担の公平を図る観点から、特別な事情がないのに保険料(税)を滞納している者に対して、被保険者証の返還及び被保険者資格証明書の交付の措置、保険給付の全部又は一部の支払いの差止めの措置等も講ずるものであること。
二 運用上の留意点
(一) 被保険者証の返還及び被保険者資格証明書の交付等に際しては次の点に留意すること。
① 保険料(税)を滞納している世帯主又は組合員(法令の規定上、措置の対象外とされる者を除く。)であつても、直ちに被保険者証の返還等の措置を講ずるのではなく、その措置が設けられた趣旨に鑑み、次のような適正な運用を行うものとすること。
ア 被保険者証の返還の措置を行うに際しては、世帯主又は組合員に対し督促、催告等を通じて、前もつて、保険料(税)を滞納していること、保険料(税)の滞納が続く場合は、被保険者証の返還を求めることがあること等を連絡し、併せて十分な納付相談・指導を行うこと。
したがつて、相当程度の納付相談・指導を続けても、なお滞納状態が続いているような、相当程度以上に滞納している者を措置の対象とするものであること。一般的には、当該年度の年額保険料(税)の二分の一に相当する額以上の滞納額がある場合を、措置の対象の目安とするのが適当であるが、実際の運用に当たつては、納付相談・指導を通じて滞納者の実情等を十分に把握し、その実情を勘案すべきものであること。
イ また、徒らに被保険者証の返還の措置を求めるのではなく、納付相談・指導を通じても対応が不可能であると認められる次のような場合に措置を行うものとして、運用することが適切であること。
(ア) 納付相談・指導に一向に応じようとしない。
(イ) 納付相談・指導の結果、所得、資産を勘案すると十分な負担能力があると認められる。
(ウ) 納付相談・指導において取り決めた保険料(税)納付方法を誠実をもつて履行しようとしない。
(エ) 滞納処分を行おうとすると意図的に差押財産の名義変更を行うなど滞納処分を免れようとする。
ウ 法令の規定上の措置の対象外となる事実に関しては、保険者は必要に応じて届出を求めることができるとされているが、この届出については、アの連絡の際に周知させるとともに、納付相談・指導を通じてその事実の確認に努めること。
② 保険料(税)を滞納している世帯に、法第九条第三項に規定する老人保健法の規定による医療等を受けることができる者がいるときは、その者に係る被保険者証及びそれ以外の被保険者に係る被保険者資格証明書の両方を交付する場合があり得るので留意すること。
この場合においては、被保険者証の(一)面及び被保険者資格証明書の(表)面の双方に世帯主(組合員)の氏名を記載することになるが、当該世帯主(組合員)に対し、当該被保険者証又は被保険者資格証明書の効果が及ばない場合には、「世帯主(組合員)には別証交付」と明記すること。
(二) 被保険者資格証明書の交付に伴い療養取扱機関等における診療については次の点に留意すること。
① 被保険者資格証明書の交付されている世帯の被保険者に対しては、療養の給付及び特定療養費の支給は行わないこととなるので、療養取扱機関等は、療養の給付及び特定療養費の支給に係る療養を取り扱おうとするときは、必ず被保険者証(二)面の「この証で療養給付を受けることができる被保険者の氏名」欄による確認を行うものとすること。(被保険者証(一)面の世帯主名欄に「世帯主には別証交付」と記載がある場合は、当該世帯主に対しては療養の給付及び特定療養費の支給に係る療養は行わない。)
② 被保険者資格証明書の交付を受けている場合の診療については、次のような取扱となるものであること。
ア 被保険者に対して資格証明書が交付されているときは、被保険者は、療養取扱機関等に対し被保険者資格証明書の提示を行うものとすること。
イ 療養取扱機関等は被保険者資格証明書の提示があつたときは、保険診療に準じた扱いを行うものとすること。(ただし、診療費用は全額被保険者が負担するものであること。)
ウ 一般的な療養費の場合と同様、患者の求めに応じて、療養取扱機関は、診療の内容、患者から支払を受けた金額を明らかにした書類を交付するものとすること。
(三) 保険給付の支払の差止めについては、(1)に準じた取扱を行うよう留意すること。
(四) 今回の法改正に基づく措置の運用に関しては、当分の間、適宜、都道府県において、当職と協議することとされたいこと。


京都府広域連合議会に請願書を提出

2007年11月27日 00時48分59秒 | 事務局通信
後期高齢者の受療権を守るための制度改善を求める請願書を提出しました

 12月1日開催される京都府後期高齢者医療広域連合議会にむけ、京都社会保障推進協議会が「請願書」を提出しました。紹介議員は曽我千代子(木津川市)米澤修司(京田辺市)せのお直樹(京都市)宮本繁夫(宇治市)選出の各議員です。

     後期高齢者の受療権を守るための制度改善を求める請願書

【請願の要旨】
一、国に対し、高齢者の慢性期医療を、患者さんごと、病気ごとに医療保険から支払われる医療費の上限金額が決まった「包括定額」制にしないよう求めること
二、高齢者から徴収する保険料については、最低生活費非課税原則にのっとり、その生活を脅かすことのない金額に設定すること
三、7割・5割・2割の保険料減免金額に加え、所得の低い人に対する全額免除制度をつくること
四、保険料徴収について、本人の同意のない「年金天引き」は行わないこと
五、国・京都府後期高齢者医療広域連合に対し、支払いたくても支払えない人から、正規保険証を取り上げないように求めること

【請願の理由】
 2008年4月から実施となる後期高齢者医療制度について、その仕組みが明らかになるにつれ、京都府民から不安の声が上がっています。
 9月12日に開催された京都府第1回後期高齢者医療協議会においても、「これから高齢者は本当に医療のお世話になっていかないといけない。高齢者は年金生活者。介護保険料や医療費が上がるなど、自分の日々の生活が苦しい中では、保険料が支払えない。高齢者の生活というものを十分考えた上で、保険料等を考えていただきたい」との意見が委員からも述べられました。また、市町村国民健康保険と同様に、資格証明書発行が行われることについても、同協議会で「保険料が支払えず、病院窓口での全額負担を懸念するあまり病院に行くのをためらって病気が悪化したという話を聞く」と、懸念する声が出されています。
 これらの発言は、多くの京都府民、特に高齢者やその家族の抱える不安と一致するものではないでしょうか。
 私ども京都社会保障推進協議会が提起し、各医療機関や医療団体で取り組まれた連合長宛署名は、約2万5000筆もの賛同を得ています。
 京都府後期高齢者医療広域連合におかれましては、府民の声を踏まえ、後期高齢者医療制度が高齢者の受療権を保障し得る制度になるよう、国に対し必要な行政施策の実施について求めて頂くよう要望いたします。また、同時に運営主体として住民福祉の立場に立った運営を進められることについても、あわせて要望いたします。
京都府後期高齢者医療広域連合議会
議長 西脇尚一 様
2007年11月19日
請願人 京都社会保障推進協議会議長 津田光夫



11.23府民集会 1800名の参加で成功

2007年11月26日 21時38分01秒 | 事務局通信

11月23日、京都円山野外音楽堂で「STOP! 貧困 守ろう社会保障! 京都府民集会」が開催され、1,800人が集まり大成功しました。
集会は、京都社保協の津田光夫議長、全国生存権裁判連絡会の竹下義樹弁護士、京都総評の岩橋祐治議長、ホームレス支援などに取り組んでいる日本バブテスト京都協会の大谷心基牧師、応益負担反対京都実行委員会の峰島厚立命館大学教授の5人の呼びかけで、24地区医師会や老人クラブ等の賛同も得て開催されました。
国が進めてきた財政優先の「構造改革」は、医療や介護、障害者福祉や生活保護などの給付を抑制し、府民に大きな痛みをおしつけています。今集会は、こうした状況に対して、あらゆる政治信条・立場を超えて、社会保障充実を求める一致点での共同をすすめる目的で開催されました。
チエーンスピーチでは、年間2,000時間働いて年収140万円の非正規雇用の青年、障害を抱えた子どもたちが生きる上で必要不可欠な療育を奪った自立支援法に苦しむお母さん、朝8時過ぎに家を出て19時まで働いても移動時間を除いた賃金は実働5時間分だけという介護ヘルパー、国保証を取り上げられた家庭の乳幼児を診察した医師、この半年で174人が新たに就職して41人が退職した月10回の夜勤をこなす国立大学付属病院の看護師、年収平均270万のタクシー労働者、月125,000円で夫婦と中学生の子どもで生活する自営業者などから厳しい生活実態を告発する発言がされました。この集会には共産党と民主党の国会議員も参加しました。
集会後はパレードを行い「国の責任で社会保障を充実させよう」と市民に訴えました。
この集会の様子は京都新聞、朝日新聞、赤旗新聞全国版でも紹介されています。