某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

流石にこれはあからさま過ぎます

2008年03月02日 17時57分17秒 | 真面目な独り言
ネットで共産党熱 若者ら、志位委員長に「SGJ」(朝日新聞) - goo ニュース

派遣労働問題にかんして、共産党の志井委員長へネットでの共感を集めているとか。
赤旗で報道されている時は、あまりにも胡散臭すぎて失笑してしまいましたが、他の報道機関も報じ始めた様子。
これには失笑では済まなくなってしまいました。

労働問題について大学時代にちょこっとかじっていた私としては、現在の派遣法の問題は見当違いのところで議論されているとしか思えません。
そもそも、なぜ正社員ではなく派遣社員が重宝されるかといえば、正社員のクビを切ることが非常に難しいという問題があるからです。
大きなミスでもしない限り、精神的に追いやって自主退職へ追い込む以外、クビにするのは不可能。
これも正社員を大事にしようという判例の積み重ねの結果なのですが。
(労働関係法だけに限って言えば、一定の手続きさえ踏めば簡単にクビにできます。)

簡単にクビにできないから、簡単に雇うことが出来ません。
なぜなら賃金を簡単に下げることは出来ませんし、賃金のトータルを増やすなんてこともできませんからね。
だからこそ簡単に雇えて簡単にクビにできる派遣社員が重宝されているわけです。

派遣法を改正し、派遣社員の権利を拡充したところで、企業はただ派遣社員を使わなくなるだけ。
何らかの別の手段へと移行するだけでしょう。(それはおそらく外国人労働者でしょうが)

そうなれば、派遣労働者を守るつもりが、逆に派遣社員の首を絞めるだけです。
共産党などの言っていることは、短期的に見れば派遣労働者を守るようであっても、長期的には今よりもさらに厳しい状況に追いやる結果になるのは明白です。

変えねばならないのは正社員の方。
でないと苦しい苦しいといっている派遣社員の現状の生活水準ですら維持できなくなるでしょう。


派遣労働問題にかんしてはこれくらいにして、今回の共産党への異常なまでの盛り上がりは、明らかに共産党支持者の扇動に他ならないといえるでしょう。
そして現状に不満をもっている派遣労働者たちへの甘言がさらにそれを燃え上がらせたといったところでしょうか。
共産党の主義主張を考えれば、労働問題だけで、それまで特に支持していたわけでもないのに、共産党に投票すると決める人なんて日本にいるんでしょうか。
共産党は確かに必要ですが、衆参それぞれ10議席あれば十分だと思っています。

ネット上で特定勢力を応援するように扇動する人たちは確かにいます。
しかし、ここまで下手糞なやり方だと、逆に支持を失ってしまうのでは、と不安になってしまいます。
共産党が次の選挙で議席を大幅に失うなんてことにならないことを祈ります。