某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

仕方が無いといえばそうかもしれない

2008年03月26日 21時42分19秒 | 真面目な独り言
チベットをめぐる認識ギャップ 西側はそう見るかと中国、怒る――フィナンシャル・タイムズ(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース

フィナンシャル・タイムズの分析はなかなかおもしろい物が多いですが、これも納得させられました。
中国がなぜここまで愚かな行動を政府だけでなく国民レベルで行っているかを合理的に説明されていると思います。

中国の言動に、少なくとも反対側(この場合はチベット側)の主張を耳にしている人間は違和感を感じるでしょう。
中国の主張は、あまりにも稚拙で時代遅れ。
自国以外の政府や人々を納得させる以前に、論理的なものですらありません。

それはなぜなのか。

単純に言えば、それは現在の中国という国家体制を維持するためといえるのではないでしょうか。
国をまとめるには、外か内どちらかに敵を作るのが最も簡単です。
さらに情報の統制が必須なのは言うまでもありません。

内なる敵である異民族、外の敵である外国、一方的な情報…
少なくともこれでは中国の主張するような愚かな主張でも、信じ込んでしまうのは仕方が無いというもの。

これが偏狭の独裁国家ではなく、世界有数の巨大国家で起こっているわけです。
中国のように歴史上類を見ない超巨大な国家をまとめるためにはこの位しなければいけないともいえるのでしょうが、そのせいで孤立を深めるのは当然。

中国政府は体制を守りたいが国家の威信も高めたい。
そのために無茶な主張をしながらオリンピックを開催しようとしていますが、それは失敗しようとしています。

しかし、中国国内で「知識人」と呼ばれている人ですら中国政府の情報統制下でコントロールされています。
仮に中国の威信が地に落ちたとしても、彼らは中国政府を支持し続けるでしょう。

世界の五分の一の人間が孤立し、それが対立へと向かっていけば、これ以上無い地政学的リスクとなります。

いったい中国は何処へ行こうとしているのか。
日本に火の粉が飛んでこないように祈るばかりです。