続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『冬のスケッチ』36。

2015-02-25 06:48:04 | 宮沢賢治
   わがもとむるはまことのことば
   雨の中なる真言なり
   あめにぬれ 停車場の扉をひらきしに
   風またしとゞ吹き出でて
   雲さへちぎりおとされぬ


☆有(存在)の宙(宇宙)に神(不思議な力を持つもの)が現れる。
 帝(最高の神)の赦(罪や過ちを許す)は常に秘(奥深くてはかり知れない)であり、封(とじている)。
 推しはかることを遂(やりとげる)運(めぐりあわせ)である。

『城』1890。

2015-02-25 06:24:38 | カフカ覚書
それは、この弟の将来は彼自身の将来、まだ一介のこわっぱにすぎない彼自身の将来よりもはるかに洋々たるひろがりをもっている、と考えているという点である。


☆これは特に子孫の昔の嘆き(苦痛の訴え)であった。この願いは不変であって、ハンス(国/団体)はKを氏族の少年のように見ているが、先祖の新しい未来は彼自身の未来よりも洋々たる広がりを持っていると思った。

変遷。

2015-02-24 06:56:14 | 日常
 一軒の家にも歴史がある。
 三十年のうちにも六つの家庭が順次移り住んだ家が近所にある。

 今また新しい家族の入居が決まったと家主は言った。
 三番目に住んだ人は町内のもう少し大きな家に買い換え転居。四番目の住人が結婚と同時に購入したけれど間もなく離婚し、その親御さんが今の家主ということらしい。
「なんでこんな家を買っちゃったかなぁ」と家主さんはつぶやいた。六番目の住人が出て行ったあと、「メンテナンスに七十五万円もかかり、まだその上、網戸や給湯器を新しくしなければならない」という。
「それにね、前の住人、破産したということで、家賃は未払いのままなんだよ。わたしも退職してから十八年、こんなことで苦労したくないよ」と、嘆いた。

 わたしの知人からも同じような愚痴を聞いたことがある。ご主人を失くし息子さんと同じマンションに移り住み安心したものの、元の住居を貸家にしたら、余禄どころか、家賃収入は税金や補修費などを考えると恐くて使えず、別の通帳にしていると言う。
 借り手のつかない貸家をやむなく解体、さら地にしたけれど、今度は雑草取りに追われ面倒で仕方ないという話もある。

 持てる者の悩みといえばそれまでだけれど、家が余るという状況は今後ますます深刻化して行くように思う。憧れだった家が捨てられて行く事情は高齢化の影響が大きいかもしれない。それにしてもどの街角にも溢れるようにいた子供を今は見かけなくなってしまったのは淋しい限り・・・。


 家のなかで家族が笑いさざめく幸福が、幻のように消えていく。失ったものを取り戻すのは難儀である。
「昔はねぇ・・・」年寄りの愚痴より未来への再生、《今日より明日がきっと良くなる》そういう信念をもって生きていきたい。

『冬のスケッチ』35。

2015-02-24 06:46:09 | 宮沢賢治
一二
    日輪白くかゝり在はせど
         *
    さっきのごりごりの岩崖で
    降り出したのは雨ではなかったぜ
    霙らしかったよ。 霙だぜ。


☆化(形、性質を変えて別のものになる)が輪(順番に回ること)を吐く(言う)。
 罪を含む涯(はて)を講(解き明かす)ことを推しはかる。
 迂(まわりくどく)翳(ものにおおわれたもの)を営(こしらえる)。

『城』1889。

2015-02-24 06:26:12 | カフカ覚書
この気も遠くなるほどはるかな将来とそのあいだになされるはずのかがやかしい発展とが、彼を魅了した。そして、彼は、この将来の値段で現在のKを先物買いしようとおもったのだ。この願いには、特別に子供らしいこましゃくれたところがあった。


☆この賞賛を回って、現代のKは(状態を)取引しようと考えた。なかんずく、この不変の願いはかつての子孫の苦痛の訴えであった。

背包族(ペイパオツー)

2015-02-23 06:40:57 | 日常
 中国人の爆買いが話題になっているが、その中で格差というか若い人たちの背包族のことも紹介されている。

 背包族、一日はこの金額内で過ごしましょうとか、買い物などのリストを一年も前から計画し、日本に来ている人たち。・・・字のごとくリュック族のことである。若い人の好奇心が新鮮で痛いほどに伝わってくる。
 
 昨日笑った者に、今日は笑われる。
 あの勢いある中国人たちの漠買いを見ていると、そんな気が過ぎる。かつて、スカーフなどの製版業も韓国へ仕事を依頼していたけれど、いつの間にか韓国が優位になり、こちらの仕事は激減どころが倒産の憂き目。
 広大な土地を持つ中国にたいし、自給自足を放した狭い日本の未来。
 どんな風に世界は動いて行くのだろう。

 永遠という呑気さは歴史の上から見ても皆無である。
 あの背包族のこれからは・・・羨望の眼差しで見ている。


 ちなみにわたしも二十年ほど前から背包族の仲間入り。買い物が重くて両手では持ちきれなくなってしまったからで、中国人のそれとは違い、年配族の行き着くスタイルである。
 それにしてもリュックを背負い『さぁ行くぞ』の気概は大同小異、前向きではないかと思う。(と、思いたい)

 これからもペイパオツーで行く!

『冬のスケッチ』34。

2015-02-23 06:33:59 | 宮沢賢治
   ならび落つる
   泉を見んと立ちどまりしとき
   かれ葉かさかさと鳴り
   透明の雨はふりきたる
   雑木のこずゑに


☆絡(すじみち)を詮(あきらかにする)ことを兼ねる律(きまり)を要する。冥(あの世)の等(平等)や明(この世)の有(存在)の像(すがた)を黙っている。

『城』1888。

2015-02-23 06:22:13 | カフカ覚書
このような矛盾にもかかわらず、いまはなるほどKの身分は低くておぞましいものだけれども、ほとんど想像を絶するほど遠い将来にはあらゆる人びとに卓越したような人物になるにちがいないという確信が、ハンスの心にめばえたのである。


☆この繰り返される言葉によって、Kは今はまだなるほど低い身分であるが、恐れをなさせる信念があり、想像もつかないほど遠い未来には、先祖のあらゆることに対し、改宗するのではないかと思えた。

『冬のスケッチ』33。

2015-02-22 06:24:02 | 宮沢賢治
   和賀川の浅葱の雪代水に
   からだのりだす栗の木ら
   その根は赤銹によりて養はる


☆話の化(形、性質を変えて別のものになる)は千(たくさん)の散(ばらばらな)想いを接(つなぎ)他意を遂しているという律(きまり)を黙って混ぜている。
 釈(意味を解き明かす)は修(つくろう、ととのえる)を要する。