続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

🈞マグリット『呪い』②

2018-07-26 06:36:45 | 美術ノート

『呪い』と『雲』・・・『呪い』=『雲』
 この公式を満たすものは何だろう。
 精神界と物理界に共通事項はない(はず)。

 しかし、これらをつなぐものがあるとしたら存在の根拠かもしれない。

 雲は水の三態の一現象であり、わたし達の棲家である水地球にある。地球原初からあり、今もその量を変らず保っている水(雲)。
『呪い』とは、人の存在と共に在る感情であって、赤ん坊でさえお乳が不足すれば恨めしく思い、さらには胎内にいたときでさえ・・・証明は出来ないが推測は可能である。

 人は正しくあろうと努力し、短くも美しく燃えるべきだと己を律して生きて行く。
 呪いなどという悪感情は、負と心得え、消去・弾圧に努める。

 しかし、どんなに抑えても抑えがたく不意に顔を出す『呪い=悪意』。自分はこのほど左様に卑小な人間である、という失意の囁き。

 制御不可の自然、行雲流水。
 ゆえに雲の散在は『呪い』にも等しい不測の形態を示唆しているやもしれない。感情も自然の形態も循環するものである。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)


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