『不穏な天気』
波静かな海の景…ただ、陸地は不毛地帯のようである。緑なき土あるいは黒色、岩礁ならば納得できるが遠景に至ってこの盛り上がりは山々と認識できるのではないか。
並べて緑・人家(食物の生産・生活)が皆無なのである。
平穏さを示す青空が描かれているが、白雲の代りに純白の《椅子・チューバ・トルソ》に置換されている。
この三体の意味…《椅子は地位/権力・チューバはラッパ(命令)・トルソは人間に非ず》ということではないか。むしろこの三体は分かりやすい提示である。
権限ある独裁者のラッパ(命令)により大衆は自由なきトルソ(物)扱いの予兆を孕んでいる。
『不穏な天気』は《反戦》としての静かなる抗議である。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
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