夕焼け金魚 

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猿鬼伝説

2017-08-05 | 創作
この辺りの山には、昔、猿鬼という大きな猿が住んでいたと言います。
猿鬼は、時々町に出で来て家畜や人に害をなしたそうです。
そこで土地の氏神様に猿鬼の退治をお願いしたそうです。
しかし、猿鬼はたいそう強くて氏神様でもなかなか退治できなかったというのです。
そこで村人が菅笠をかぶって舞を奉納する姿を見せたそうなのです。
猿鬼は人まねが好きなので、猿鬼も菅笠をかぶって踊ったのです。菅笠をかぶって紐でしっかり菅笠をあごの処に縛って、傘が外れないようになった時を見計らって氏神様が猿鬼に斬りつけたそうです。
猿鬼は一度は逃げたものの、菅笠で視界が遮られていて氏神様がどこから飛びかかってくるか分からず、あわてて菅笠を取ろうとしたのですけど、なかなか取れず、転げ回って逃げたのですけどついに氏神様が猿鬼の首を切り落とすと、菅笠の付いた首がコロコロ転がったというのです。
この町に猿丸神社と言うところがあって、昔、猿丸太夫の笠が風で舞って地名が付いたと言われていますが、いくら有名な人といっても笠が舞った程度で地名には残らないでしょう。第一、猿丸太夫が実在したかどうかも分からないのに、笠が舞っただけで地名に残ると思いますか。
今だと、高倉健がこの町に来て、帽子を飛ばしたところだから高帽子町と地名にするようなものでしょう。
まさか、それはありませんよ。
残酷な地名だと後々忌み嫌って、猿丸太夫の名前を持ちだしたと思われます。

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