京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。
1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町
4.京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング
珈琲店で朝食をいただいた後は、清水五条から京阪電車に乗って鳥羽街道へ。紅葉の名所で知られる東福寺の塔頭 (たっちゅう) 光明院を訪れました。光明院は「虹の苔寺」の異名を持ち、重森三玲作庭のみごとな枯山水庭園で知られますが
ここ数年はアートギャラリーとしても人気が高まっているようです。2023年7月1日~30日は、「すごい畳」で知られる山田憲司さんの個展があると知り、今回是非訪れたいと思っていました。
門をくぐると、建物入口までのアプローチまでもが庭園のような佇まい。白砂に水紋が描かれ、白砂青松の風景でした。
建物の中に入ると、白砂に石を配して大海を表現した主庭のダイナミックな風景に圧倒されました。
山田健司さんは、岐阜県で創業150年という老舗、山田一畳店の五代目ですが、2018年頃から伝統的な畳を使った新しいデザインを考案し、畳のアーティストとして国内外で活躍していらっしゃいます。
畳をいろいろな形に作ってパッチワークのように組合せ、ひとつの絵を作り上げていますが、おもしろいのは畳の色を変えるのではなく、織目の角度を変えることで光の反射を利用して、色のグラデーションを作り出していることです。
本展では、光明院の紋である鶴を畳で表現していますが、二間続きの部屋に二羽の鶴がそれぞれ羽を広げていて、大迫力でした。畳のまわりをぐるりと歩くと、光の反射によって色が少しずつ変化していくのがわかりました。
鶴もすばらしかったですが、私の心をとらえたのはこちらのお部屋です。
六角形の小さな畳が敷き詰められていますが、これらはすべて同じ畳です。置く向きによって織目が60°ずつ変化し、6色のグラデーションを作り出します。色の濃淡を利用して、模様や絵を作ることもできますね。
庭もすばらしいですが、それを取り囲む建物もみごとでした。
階段を上ったところにある離れの間には、龍の絵に敷き詰められた畳がありました。お寺という空間をみごとに生かしたアートでした。