コンサートの後、そのまま余韻にひたりながら、乃木坂の国立新美術館によって「ダミアン・ハースト 桜」展を見に行きました。桜を描いた大型作品ばかり24点で構成される、日本初の大規模個展です。(5月23日で終了しました)
ダミアン・ハーストはイギリスを代表する現代美術のアーティストです。私は2011年にヨコハマトリエンナーレで蝶をコラージュした Kaleidoscope シリーズ、2012年に渋谷ヒカリエのギャラリーでカラフルな円を並べた Spot Paintingシリーズを見たことがあり
どちらも印象に残っていますが、今回はピンクと水色を使った色彩構成がとてもラブリーで、楽しみにしていました。桜といえば、多くの日本画家が好んだ画題であり、2018年に山種美術館で見た「桜 さくら SAKURA」展も心に刻まれています。
日本で桜といえば、どちらかというと儚いイメージがありますが、ダミアンが描く桜は大胆、パワフル、そしてカラフルです。ぱっとみたところピンクの花に見えますが、よく見ると赤や緑、青、茶、その他たくさんの色の点描となっています。
ダミアンの作品を見ながら、桜には晴れた空が似合う、ということを再認識しました。
展示室の広いスペースの白い壁に、桜の作品だけが展示されています。タイトルを含め、説明が一切ないので、作品と無言で向き合うことができたのがよかったです。後で作品リストを見ると、神の桜、生命の桜、真実の桜... とそれぞれタイトルがついていましたが
見る人がそれぞれの桜を好きなように鑑賞すればよいのだろうな、と思いました。
会場には作品のほかに、30分ほどのダミアン・ハーストのインタビュー映像があり、こちらも興味深かったです。イギリス出身のダミアン・ハーストは無骨な職人さんといった雰囲気で、ケン・ローチ監督の映画に出てきそうなおじさん(失礼!)です。
作品を作る様子を見ると、ポロックのアクションペインティングを彷彿とさせましたが、ダミアン自身はフランシス・ベーコンの影響を受けているとおっしゃっていました。
今回の桜の作品や、私が過去に見た彼の作品からすると、ちょっと意外に思いましたが、あとでググったところによると、ダミアンは動物のホルマリン漬けにした作品が有名だそうで、なるほどそれならベーコンのグロテストさに通じるものがある、と納得しました。
ダミアン・ハーストの作品については、こちらをどうぞ。
話題のダミアン・ハーストって一体誰?初期〜最新作まで代表作20選をご紹介 (NEW ART STYLE)