セレンディピティ ダイアリー

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Nature/Pizza TOSCANA (2023・冬)

2023年01月22日 | グルメ

久しぶりに、学芸大学駅の高架下にあるイタリアン、Nature/Pizza TOSCANA (ナチュールピッツァ トスカーナ) にお昼を食べに行きました。

ランチセットは、メインとなるピッツァかパスタを選ぶと、東京野菜ゴチソウサラダ、本日の野菜スープ、ドリンクがつきます。

以前と違ってドルチェがオプションとなっていましたが、その分お料理の量が増えているように感じました。最近私は甘いものをなるべく控えるようにしているので、ドルチェがオプションというのはかえって好都合でした。

ゴチソウサラダは、トッピングを6種類から3種類選びます。私はいつものように野菜ばかりの選択で、キャロットラペ、タラのポテトサラダ、ひよこ豆のトマト煮込みにしました。

ドレッシングは3種類から選びます。私はさっぱりと、白バルサミコドレッシングにしました。ケールなどの緑の濃い葉物野菜がたっぷり。わしわしいただきました。

こちらのトッピングはお肉系ばかり3種類。切りたてふあふあ生ハム、自家製ハーブ入り豚バラ肉、低温調理鶏ハムです。ドレッシングは有機焼き玉葱ドレッシング。

シェアしたので6種類のトッピングが楽しめました。

本日の野菜スープは、たまねぎのポタージュでした。たまねぎは焼き玉葱でしょうか。濃厚なお味で体のすみずみにまで栄養が行き渡るような感覚。冬にいただくスープは、格別おいしく感じられます。

メインはピッツァとパスタを1種類ずつ選び、シェアしていただきました。ピッツァは、しらす、唐辛子、トマトソースの入ったサルデッラ。

しらすというと、家でパスタを作る時は、あっさりオイル系のソースで仕上げることが多いですが、トマトソースというのが新鮮。しらすがアンチョビのような感覚でさりげなく存在を主張していました。

パスタは無添加たらこのスパゲティにしました。こちらのお店のパスタはすべて生パスタで、もちもちとした食感が楽しめました。

ドリンクは食後にコーヒーをいただきました。ふだんは紅茶やハーブティを選ぶことも多いですが、こちらのお店のコーヒーはおいしいので、ついコーヒーを選びたくなります。深々とした味わいがランチの〆にぴったりでした。

【過去記事】
Nature/Pizza TOSCANA (2021.08)
Nature/Pizza TOSCANA (2021.09)

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先日SNSで流れてきて気に入った動画を共有します。「ベイビー・ドライバー」「ラストナイト・イン・ソーホー」のエドガー・ライト監督が作った、マクドナルドのCMです。

お店もハンバーガーも出てこないのに、これだけでマクドナルドとわかるのがすごい。ライト監督の遊び心とセンスが光っています。

Fancy a McDonald's? #RaiseYourArches

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SHE SAID シー・セッド その名を暴け

2023年01月21日 | 映画

ハリウッドの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの長年にわたる性暴力の事実を告発した、ニューヨーク・タイムズ紙の2人の記者の奮闘を描いた社会派ドラマです。

SHE SAID シー・セッド その名を暴け (She Said)

題材が題材だけに見るのを躊躇していましたが、SNSでの評価が高かったのと、大好きなキャリー・マリガンの演技を楽しみに見に行ってまいりました。

ワインスタインの被害者となった俳優やスタッフに丹念に取材を続け、事件を告発するために奮闘するミーガン(キャリー・マリガン) とジョディ (ゾーイ・カザン) の真摯な姿に引き込まれました。

映画の序盤で、当時のトランプ大統領のロッカールーム・トーク問題、そして映画「スキャンダル」(Bombshell) の題材となったFOXテレビのスキャンダルに触れられてます。それに続く本事件がとどめとなって #Me Too問題という一大ムーブメントを巻き起こしたのです。

本作は「スキャンダル」と同じく、映画という華やかな世界で起こった性暴力を題材にしていますが、事件を追うニューヨークタイムズの記者の立場から描かれていて、テイストとしては「スポットライト」に近かったです。

本事件は卑劣極まりないものですが、映画の中で性描写はなく、ワインスタインの姿さえ登場しなかったことに作り手の良識を感じました。監督はドイツの女性監督マリア・シュラーダー。そしてブラッド・ピットが製作総指揮を務めています。

大金によって口封じをされ、報復を恐れて家族にさえ話ができなかった被害者たちが、ついに自分の名を公表して証言することを決意した勇気をに心を動かされました。

彼女たちの勇気が記事をリアリティのあるものにし、世界にインパクトを与え、映画界で絶対的な権力を握っていたワインスタインを失脚へと導いたのです。

ミーガンとジョディが、子育て真っ盛りのワーキング・マザーだったというのも、すごいことだと思いました。ミーガンにいたっては、この大仕事の間に出産もしているのですから。2人の夫もあたりまえのように家事や育児に参加していて、妻を支える姿が印象的でした。

本作、バディ・ムービーとしても楽しめました。2人を支える先輩記者(パトリシア・クラークソン) や上司 (アンドレ・ブラウアー) もとてもよかった。見た後で爽快な余韻の残る作品でした。

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小林食堂 &giccaのケーキ

2023年01月15日 | グルメ

五反田と目黒の間、池田山にあるレストラン 小林食堂 にお昼を食べに行きました。

食堂というと定食屋さんを想像しますが、お料理はイタリアンとフレンチをベースに和の食材もうまく生かしたオリジナル。飾らない雰囲気ながら、季節の素材を生かしたお料理はどれもシェフのアイデアと技が生かされていて、とてもおいしかったです。

以前から気になっていたお店ですが、当日に思い立ってだとなかなか予約が取れなかったりして、ようやく足を運ぶことができました。この日は前菜と主菜、ドリンクをそれぞれ1品ずつ選ぶランチのセットをいただきました。

車ででかけましたが、私だけスパークリングワインをいただきました。1月上旬のことで、店内にはお正月のお花が飾られていました。

前菜です。鴨肉とドライイチジクのテリーヌ、セロリとオレンジのサラダ。鴨肉がまろやかでクセがなく、まるで地鶏のような味わいでした。セロリとオレンジをさっぱりとしたドレッシングで軽くマリネしたサラダがおいしくて、家でも真似して作ってみたくなりました。

私は、ローストビーフのタルタルステーキと、ピーマンのローストマリネにしました。細かく刻んで円く型抜きしたローストビーフの上に、ローストしたピーマンがのっています。上にルッコラをあしらって。粗挽きの胡椒がいいアクセントとなっていました。

主菜です。牛肉のカツレツとポテトサラダ シュガートマト、モッツァレラチーズ、バジルのカプレーゼ。ナイフでカットするのに苦労するくらい、大きな分厚いビーフカツレツにびっくり。焼き加減(揚げ加減?)もミディアムでパーフェクトでした。

私は、ミートソースと蓮、春菊のラザニア 茹で上げた蕪の柚子風味にしました。クリームソースとミートソース、それぞれのお味が存分に堪能できました。蓮の食感。春菊の香り。和の素材がみごとに調和していて感激しました。

写真はありませんが、手作りのフォカッチャもおいしくて、大満足のランチでした。

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これはまた別の日。小林食堂のすぐ近くにあるレストラン gicca (ジッカ) 池田山 にケーキを食べに行きました。こちらのお店は以前ランチをいただいたことがありますが、ケーキもおいしそうだったのでいつか食べに行きたいと思っていました。

アップルパイ。甘酸っぱいりんごのフィリングがたっぷり入って、ボリュームたっぷり。

私はレモンタルトにしました。レモンのフィリングだけでなく、何層にもクリームの層があってデリケートなおいしさ。いっしょにいただいたコーヒーも、紅茶もおいしくて、すてきなティタイムになりました。

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小泉八雲旧居 ~ 庭園茶寮 みな美 ~ 羽田空港

2023年01月14日 | +島根

2年越しの島根旅行記も今回でようやく最終回です。これまでの記事はこちらです。

1.島根ひとり旅 出雲大社
2.出雲・稲佐の浜 ~ 松江へ
3.足立美術館
4.玉造温泉散策 ~ MOSOROのお刺身御膳
5.松江城(天守・松江神社・興雲閣)

松江城山公園から堀川をわたって、武家屋敷の並ぶ塩見縄手方面に向かいました。

稲荷橋の上から見る堀川の眺めです。ちょうど堀川をぐるりと巡る、観光遊覧船が来ました。今回私は乗らなかったのですが、風情ある観光船の中から、のんびり松江の街を眺めるのもよかったかな、と後から思いました。

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最初に向かったのは、小泉八雲記念館です。(撮影不可のため、写真はありません)小泉八雲 (ラフカディオ・ハーン) といえば「耳なし芳一」「雪女」などの日本の怪談話をまとめた『怪談』の著者として知られています。私も彼の著作を子ども時代に読みましたが

今回は、彼の生涯や、どのようないきさつで日本の松江まではるばるやって来たのか、また松江での生活の一端を知る、いい機会となりました。1850年にギリシャの島で生まれた小泉八雲は、ご両親が国際結婚で、自身もヨーロッパ、アメリカ各地、カリブの島に移り住み

当時ではまだめずらしい文化的な多様性をもったジャーナリストであり、文筆家でした。夏目漱石や、私の好きな彫刻家のイサム・ノグチとも接点があったことを知り、うれしく思いました。

次に、小泉八雲記念館の近くにある、小泉八雲旧居を訪れました。八雲は日本では、松江のほか、熊本、神戸、東京に住みましたが、住居が残っているのはここだけということです。こじんまりとした住居ながら、三方にそれぞれ趣のある庭があります。

枯山水を意識しつつも、整然とはしていなくて、家庭的な温もりの感じられるお庭が好もしく感じました。

八雲が執筆に使っていた机です。

八雲の妻、セツ夫人が家族を呼ぶときに使っていたほら貝だそうです。想像したら、なんだか楽しくなってきました。

小泉八雲旧居のある塩見縄手には、修復保存された武家屋敷が並んでいます。中も見学できますが、私は入らず、前を通って雰囲気だけ味わいました。

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お昼は、明治21年宍道湖畔に創業、多くの文人に愛されたという旅館 皆美館にあるレストラン庭園茶寮 みな美さんで、美しいお庭を眺めながら、名物の鯛めしをいただきました。

鯛めしのセットです。カレイの白醤油焼き、胡麻豆腐、もずくの小鉢がついています。

そして、こちらが皆美皆伝の鯛めしです。お皿にのった、そぼろにした鯛の身、ゆでた卵の白身のみじん切り、裏ごしした黄身をごはんの上にのせ、ワサビ、大根おろし、ねぎ、海苔を添えて、だし汁をかけていただきます。

鯛めしといえば、愛媛でいただいた松山鯛めしと宇和島鯛めし、箱根でいただいた瓔珞(ようらく)さんの鯛めしなどが思い出されますが、それらのどれとも違う味わいで、ゆで卵をあわせるというのが新鮮でした。おいしくいただきました。

食事の後は、レストランに隣接する美しい日本庭園を見せていただきました。宍道湖を借景とし、樹齢300年の名木を中心とした、白砂青松の枯山水庭園です。

そしてこちらのお庭、足立美術館が1位にに選出されている、アメリカの日本庭園専門雑誌 Sukiya living : the journal of Japanese gardening で、第3位に選出されています。こじんまりとした、手入れの行き届いた名園でした。

最後に宍道湖を見て、松江を後にしました。

帰りの飛行機からの眺めです。赤く染まった水平線が美しく、私たちは今、地球という天体にいるのだと実感する風景でした。

まもなく羽田。東京湾から見る富士山のシルエットにほっとした気持ちになりました。

羽田空港に夫が迎えに来てくれたので、空港内にあって以前から気になっていたカレーうどんの cuud (クウド) で夕食にしました。数種類ある中から2種類選んでハーフ&ハーフでいただきました。

スタイリッシュな空間でいただく、スパイシーでシンプルなカレーうどんは、辛さの中にまろやかさがあってとってもおいしかったです。

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松江城(天守・松江神社・興雲閣)

2023年01月07日 | +島根

だいぶ間が空いてしまいましたが、島根旅行記の続きです。なんと2年越しになってしまいました...。これまでの記事はこちらです。

1.島根ひとり旅 出雲大社
2.出雲・稲佐の浜 ~ 松江へ
3.足立美術館
4.玉造温泉散策 ~ MOSOROのお刺身御膳

旅行3日目の最終日は、ホテルに荷物を預けて松江市内を巡りました。まずは松江駅前からバスに乗って、松江城を訪れました。県庁前から堀川を渡り、石垣に沿って遊歩道を歩きながら、徐々に天守に近づきました。

石垣越しに天守が見えてきました。

天守を中心に、堀川で囲まれた敷地は、松江城山公園として整備されています。石垣の周りは緩やかな起伏のある美しい遊歩道となっていますが、朝は人がほとんど歩いていなくて貸し切り状態。贅沢なお散歩となりました。

途中で石段を上がると、天守の横に出ました。

こちらが正面です。ちょうど開場がはじまったたばかりで、ほとんど一番乗りでした。

1611年、関ヶ原の戦で功績を上げた出雲・隠岐の大守、堀尾吉晴が築城しました。国内に現存する12天守のひとつで、2015年には国宝に指定されています。4重5階地下1階。落ち着いた佇まいのお城です。

築城ブームで木材が不足していた当時、心柱を使わず2階分を貫く通し柱を多用して天守を支えているのが特徴で、柱を鎹(かすがい)や鉄輪(かなわ)で補強して包板(つつみいた)で覆うなど、さまざまな工夫で築き上げた質実剛健なお城です。

また、石落としや鉄砲狭間など、実戦に備えたさまざまなしかけを設えています。

最上階は天狗の間とよばれています。望楼となっていて、松江の街をぐるりと見渡すことができました。

南には、宍道湖(しんじこ)がよく見えました。

下を見下ろすと、そろそろ見学の人たちが増えてきたので、下に降りることにしました。

天守と同じく松江城山公園にある松江神社です。松江藩松平家藩主の松平直政、松平治郷、松江開府の祖 堀尾吉晴、徳川家康など松江の発展に貢献した人たちが祀られています。

その隣には興雲閣(こううんかく)があります。1903年に明治天皇の行幸を願って建てられた洋館ですが、実際には皇太子(後の大正天皇)がご宿泊されました。ミントグリーンがさわやかなかわいらしい洋館です。

赤い絨毯が敷かれた風格のある階段。

2階は大広間と、皇太子が宿泊された貴顕室があります。秋の日差しが柔らかく、ベランダから見る紅葉・黄葉もすばらしい眺めでした。

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ベルファスト

2023年01月03日 | 映画

1969年 北アイルランド・ベルファストを舞台に、イギリスを代表する俳優 ケネス・ブラナーが監督した自伝的作品です。

ベルファスト (Belfast)

公開時に見逃した本作が Amazon Prime に上がっていたので、新年早々に鑑賞しました。昨年のベストに選んでいた方がいらしたのも納得の、監督の家族愛、故郷への愛がノスタルジーたっぷりに描かれた、すてきな作品でした。

監督の子ども時代がモノクロームで描かれているといえば、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」を思い出しますが、本作は、カラー映像で始まるので、最初は間違えて再生してしまったのかとあせりました。

静の ROMA に対して、動の BELFAST といった感じで、カトリックとプロテスタントが敵対する北アイルランドを舞台にしながらも、そこで明るく、力強く生きる人たちの姿がポジティブに描かれているのが印象的でした。

そもそもケネス・ブラナーはイングランド出身と勝手に思い込んでいたので、もとは北アイルランド出身ということを本作で初めて知りました。アイルランド独立運動や、独立後のイギリスとの紛争については

ケン・ローチ監督の「麦の穂をゆらす風」等で多少の知識はありましたが、北アイルランドはイギリスといっても文化的にはアイルランドに近く、安全を求めて家族でイングランドに移り住むことは当時どれほど覚悟がいることだったか、両親の胸の内に思いを馳せました。

映画を見ていて、心に残ったシーンをいくつか。

ラスト近くのダンスパーティで、父が「君が必要とする時に、そばにいてあげられなかった」と歌うシーン。生活のためにロンドンに出稼ぎし、家を空けることの多かった父が「これからはいつもいっしょだよ」と歌い、母とダンスするシーンがすてきでした。

少年バディが父に「(カトリック教徒の)キャサリンといつか結婚できる?」と尋ねた時、父が「もちろんできるよ。彼女がカトリックでも、ヒンズー教でも、バプテストでも」と答えるシーン。思いがこみあげてきて、胸がいっぱいになりました。

祖父の算数の教え。「1か7かわからないように書けば、〇がもらえる確率が上がる」のちに祖父が亡くなった時に「おじいちゃんは僕に算数を教えてくれた」といったバディに、父が「おじいちゃんの教えはいつも深かった」と答えたのに、にんまりしました。

それから家族全員で「チキチキバンバン」を見に行ったシーン。映画の中で車が落ちそうになって、家族全員わ~っと首をすくめるところが大好きです。

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千羽鶴 <SENBAZURU>

2023年01月02日 | グルメ

あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

今年のお正月は恒例の家族旅行は見送り、元日に都内のホテルに集まって、お祝いの食事をいただくことになりました。場所はホテルニューオータニにある料亭、千羽鶴<SENBAZURU> さんです。

少し早めに着いたので、お部屋で家族が揃うのを待ちました。この日の東京は、日本晴れと呼ぶのにふさわしいみごとな青空。おひさまが燦々と降り注ぐお部屋は明るく、外気の寒さを忘れるほどでした。室内に設えた坪庭の愛らしさが目に和みました。

テーブルに置かれた小さなアレンジメント。添えられている和紙の折り紙でできた24面体が、個人的にはツボにはまりました。各席にも店名にちなんだ折り鶴が置かれています。

やがて家族が勢揃いし、ノンアルコールのスパークリングワインで乾杯。健やかに新年を迎えられた喜びに感謝しつつ、お祝いの食事がはじまりました。

(先付)ふぐ南蛮漬け赤酢ゼリー掛け 車海老 花穂

南蛮漬けというので、衣をつけて揚げ、甘酢につけたものと思いましたら、湯引きして薄造りにしたふぐを、赤酢のゼリーで和えたものでした。繊細なふぐが、さっぱりといただける一品でした。

赤地に金の模様の入ったみごとなお椀に気分が華やぎます。

(お椀)松葉蟹真薯と蓮根豆腐 薄葛仕立て 蟹内子 三つ葉 柚子

中を開けますと、松葉蟹をふんだんに使ったふわふわの真薯がなんとも贅沢。葛でとろみをつけたお汁に、体がじんわりと温まりました。

(お造り)炙り羽太薄造り ポン酢 鮪 甘海老 むら芽 寿海苔 山葵

右は羽太 (はた) を使った和風のカルパッチョ。これは家でもまねして作ってみたい。左の鮪と甘海老は甘くてやわらかく、口の中でとろけるようでした。

(焼物)蒸し鮑香味焼 子持ち若布と菜花

蒸し鮑と海藻のグラタン風の一品。焼き茶椀蒸し?のようでもありました。海の幸の旨みを生かした濃厚な一品でした。子持ち若布はこりこりとした食感が楽しめました。

(進肴)黒毛和牛フィレロースト 和風デミグラスソース 旬野菜

少し厚めにカットされたローストビーフが、口の中でとろけるように柔らかい。和風デミグラスソースは主張しすぎないものの、お肉をしっかりと受け止める適度な濃厚さがありました。

器の赤い実の模様が愛らしい。同じ模様のドーム形のふたがついていて、一見北欧食器のような趣がありました。

この後、写真はありませんが
(食事)山椒と天然鯛炊き込みごはん 竹の子と若布のお吸い物 香の物
(水菓子)メロン 苺 メロンジュレ ほうじ茶アイスクリーム
と続きました。

伝統的な和食に洋の要素を取り入れた会席料理は、ほっとする味わいの中にも新鮮な驚きがあり、どれもおいしくて大満足でした。よい一年のスタートとなりました。

食事の後は、ホテルの庭園を散策しました。元日のホテルは、宿泊や食事を楽しまれるご家族でにぎわっていて華やいだ雰囲気。お正月のイベントもいろいろ催されていました。

ホテルニューオータニは1967年公開の「007は二度死ぬ」(You Only Live Twice) の中で、敵の組織スペクターの秘密基地として登場します。東京オリンピック後の高度成長期の日本を舞台にしたこの作品は

「ウルヴァリン SAMURAI」のようなとんでも日本が描かれていますが、つっこみを入れつつ楽しめる作品です。Wikipedia をチェックしたら、脚本を児童文学のロアルド・ダールが手掛けていたと知ってびっくりしました。

メインビルディングのロビーに飾られていた大掛かりな生け花

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