セレンディピティ ダイアリー

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MOZU

2018年05月30日 | グルメ

六本木ヒルズで映画を見た後、裏通りをぶらぶら歩き、お肉料理に定評のあるカジュアルフレンチのMOZUさんにお昼を食べに行きました。場所は、東京ミッドタウンや国立新美術館の近く、トライセブンのすぐ裏です。

お店は奥に細長く、カウンター席が多め。1、2組待ったあと、私たちもキッチンに面したカウンター席に案内されました。若いシェフたちがきびきびと働く様子を見るのは気持ちのよいものです。お昼はパスタとお肉のコースがあり、私たちはお肉のコースをいただきました。

前菜は4種類から選びます。こちらは”燻製サーモンとクリームチーズのキャンディテリーヌ レデュイエールバルサミコ”です。スモークサーモンとクリームチーズが、アイスキャンディのように成形されているのが楽しい。2種類のソルトが添えられています。

私は、”ビーツ・林檎・ゴルゴンゾーラのサラダ カッテージチーズとローストミックスナッツ”をいただきました。ビーツのピンクが美しい。ゴルゴンゾーラがいいアクセントになっていました。

主菜のお肉料理は、10種類から選びます。そのうち5種類がビーフでした。サーロインが売切れで、シェフのお勧めで”A3等級和牛イチボのグリル 赤ワイン塩と山葵”になりました。紫芋のマッシュにピンクのお肉、ピンクのお塩とこちらもピンクが美しい。

イチボというのはお尻のえくぼのお肉なのですね。(macaroniより)お塩とわさびでシンプルにいただくと、お肉のおいしさが引き立ちました。

私は、”牛ハラミのコンフィ 赤ワインベースのステーキソース”をいただきました。牛ハラミのコンフィは、こちらとさっぱりネギポン酢とソースが2種類あって、私は洋風のソースが気分だったのでこちらにしたのですが、想像と違っておしょうゆとにんにくを効かせた焼肉風のソースでした。これはこれでおいしかったのですが、気分に合わなかったのがちょっと残念。

デザートは3種類から選びます。こちらは”NYチーズケーキ”。

私は”オレンジ風味のババロア”をいただきました。さっぱりつるんとおいしかったです。

ランチということもあり、盛付けにはあまり力を入れていないようでしたが、シンプルなお肉料理はボリュームたっぷりで素材のおいしさが引き立ち、質実剛健といった感じでした。お肉ビストロとよびたくなる、しっかりいただけて満足感のあるお料理でした。

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アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

2018年05月29日 | 映画

1990年代にアメリカのフィギュアスケート選手として活躍するも、1994年にライバル選手にケガをさせたとして後にスケート界から永久追放された、トーニャ・ハーディングの半生を描きます。マーゴット・ロビーがトーニャを演じ、製作にも名を連ねています。監督は「ラースと、その彼女」のクレイグ・ガレスピー。

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル (I, Tonya)

貧しい家庭で、一流のトップスケーターになるべく母親の暴力と罵倒によって厳しく育てられたトーニャは、やがて努力と才能によってトップフィギュアスケーターとして頭角を現していきます。1991年には全米で初めてトリプルアクセルを成功させ、1992年にはアルベールビル・オリンピックに出場。

ところが2年後の1994年、オリンピック選考会の会場でライバル選手であるナンシー・ケリガンが何者かに襲撃され、トーニャの元夫が関わっていたことが明らかとなります...。

ハーディング vs ケリガンのスケートバトルの過熱と、それに続くトーニャの身内によるナンシー・ケリガン襲撃事件は、全米を揺るがしたスケート・スキャンダルとして鮮明に覚えています。事件後、オリンピック代表選手に選ばれたものの動揺したトーニャが、本番で靴紐が切れたと審査員に訴える場面は、テレビで何度も放送されました。

そんな懐かしさもあって、あの事件の背景や真相を知りたいと楽しみにしていた作品です。しかもトーニャを演じるのが、ハーレイ・クインのはじけた演技が記憶に新しいマーゴット・ロビーというので、ますます期待が高まりました。ロビーは今回製作にも加わっています。

本作は、トーニャ、母親、元夫、コーチ、そして犯行を手配した友人、という関係者へのインタビューをもとに構成されていて、観客に語りかけるスタイルが舞台演劇のようでもありました。それぞれが自分に都合よく話をするので、多少の食い違いはあるものの、最後には全体像が見えてくるという作りにになっています。

事件の騒動の頃は、ハーディングの立ち居振る舞いに嫌悪を覚え、彼女が汚い手を使ってライバルを蹴落とそうとしたのだと思っていましたが、映画を見ているうちに、彼女が悪いのではない、むしろ彼女を取巻く環境が悪かったのだという同情が募り、最後には愛おしささえ感じました。

なにしろアリソン・ジャネイ演じる毒親ぶりが半端なく、コメディとしか思えないほど。それでも高いレッスン料を払い、女手ひとつで育ててきたのだから、ほんとうはトーニャのことを愛しているはず。と信じていたので、事件後のシーンには衝撃を受けました。では彼女は何のために、トーニャにスケートを続けさせたのだろう?最後まで疑問が残りました。

DV夫のジェフとの関係を断ち切れなかったことも間違いでした。トーニャの心を取り戻したくて、彼女のためにライバルを傷つけるという発想も理解できませんし、妄想癖の友人に至っては言わずもがな。結局トーニャを取巻く環境が悪すぎたことが、不幸な事件を引き起こしてしまったのだという他ありません。

それからフィギュアスケートを盛り上げるために、ケリガンをヒロイン、トーニャを悪役と仕立て上げたマスコミにも責任の一端があったと思うし、フィギュアスケートの芸術点という曖昧や採点方法や、技術だけでなく品性が求められたことなど、背景にはハーディングを追い詰めるさまざまな要因があったようにも感じました。

エンドロールの時に、実際にハーディングのスケーティングが長回しで映し出されましたが、スケートをしている時の彼女はほんとうに喜びにあふれていて、心からスケートが好きだということが伝わってきました。そんな彼女からスケートを奪ったのは何だったのか。複雑な思いが残りました。

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THE KITCHEN KANRA

2018年05月25日 | +京都

伏見稲荷のあとは、京都駅にもどって遅めの昼食をいただきました。前日に街歩きをしている時に見つけた THE KITCHEN KANRA へ。東本願寺の隣のデザイナーズホテル、ホテル カンラ京都の地下にあります。ランチのラストオーダーの時間ぎりぎりに間に合いました。この日はパスタに前菜などがつく、ランチのセットをいただきました。

最初に運ばれてきた野菜ジュースは、たしか小松菜・りんご・キウィ。小松菜とりんごは家でもよくスムージーにする大好きな組合せです。食前酒の感覚でおいしくいただきました。

菜園風サラダ。パリッと揚げたれんこんがアクセントになっています。お皿のデザインを生かしたアシンメトリーな盛付けでした。

季節感溢れる10種類タパスの盛合せ。白木の2段のお重で運ばれてきて、目の前で開けてくださった時にはわ~っと感激しました。手前は黒の重、奥は白の重。それぞれ黒ごま、白ごまが敷き詰められていて、石庭みたい。すてきなアイデアです。

黒の重。左から、りんごと芋味噌餡、そら豆の羊羹 酒盗と山椒、大森農園フルティカトマトのコンポート、椎茸のブリゼ、マンゴーほうじ茶。

白の重。左から、京赤地鶏のパテ・ド・カンパーニュ、ホワイトアスパラガス昆布締め、梅肉と舌平目のリエット、かぼちゃチュロス、新牛蒡リゾット。奥に見えているのはピッツァフォカッチャ。しっかりと噛み応えのあるパンでした。

京都の食材をさりげなく取り入れた10種類のタパスは、見た目も和菓子のように愛らしく、まさにアミューズとよぶのにふさわしい一品でした。(タパスは一覧をつけてくださったので、これだけはお料理名が判明しています。^^;)

パスタは3種類から選びます。記憶があやふやですが、たしか豚ばら肉と白味噌が入っていたような...。和素材を使ったあっさりとしたお味でした。

デザートです。こちらも記憶があやふやですが、禅を意識した盛付けが美しい。器はサラダのお皿と色違いです。コーヒーとともにおいしくいただきました。

東本願寺の唐門の向うに京都タワーを望んで。何気なく撮った一枚ですが、新旧の京都がマッチして、どことなく山口晃さんの新浮世絵みたい?になりました。傘の男性もいいバランスで入っています。(と自画自賛)

奈良・京都旅行記はこれでおわります。おつきあいくださり、ありがとうございました。

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伏見稲荷でハイキング

2018年05月24日 | +京都

伏見での観光が思いのほか早くおわったので、京都にもどりがてら伏見稲荷に寄ってみることにしました。伏見桃山からは京阪電車で5駅目です。

伏見稲荷大社は、全国にある稲荷神社の総本社。京都で今一番の観光スポットとも言われていますが、駅から数分の参道がお正月の初詣かというほどのにぎわいで、人気のほどを実感しました。千本鳥居の写真は時々SNSで見かけることも。私は写真家 Murad Osmann氏の写真が記憶にありました。

実はよくわかっていなかったのですが、伏見稲荷は山の麓の本殿のある一画だけでなく、稲荷山全体が神域となっているのだそうです。千本鳥居は本殿からすぐのところにありますが、その先にも鳥居は続いていて、山全体がハイキングコースのようになっています。

最初はたくさんの人が歩いていましたが...

いつしか上る人もまばらとなりました。さてどこまで行こうか? 頂上までは歩いてどのくらい? どこにも書いていないので不安に思いつつも、疲れたら途中でもどればいいや、と歩き始めました。

途中で見晴らしのいい場所に出ました。向うに見えるのは京都市街。中央にうっすらと京都タワーが見えます。この日は小雨で霞んでいましたが、晴れたらもっと遠くまで見渡せそうですね。

途中のところどころに、こんな感じの小さな社や休憩所があります。何もない山道をひとりで歩くのでは退屈したかもしれませんが、不思議なもので鳥居が続いていると、もう少し歩いてみようという気分になります。

頂上は展望台があるわけでなく、小さな社があるだけですが、達成感がありました。麓の本堂から頂上までは歩いて1時間ほど。思いつきで訪れたので、私はスニーカーでなくはき慣れた革のローファーでしたが、道は舗装されていて問題なく歩けました。

下り道。緑に赤い鳥居が映えてきれいです。

途中のお社で。伏見稲荷の絵馬はキツネです。顔に書き込みをして、ひとりひとり違う表情をしているのがおもしろい。下りも鳥居に導かれるようにして無事に本殿までもどりました。

稲荷山の全体図。思いがけず楽しいハイキングになりました。

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伏見 月桂冠大倉記念館と、寺田屋

2018年05月22日 | +京都

京都旅行記の続きです。

翌日は朝からそぼ降る雨でした。ホテルのシャトルで京都駅に向かい、駅構内のイノダコーヒ 八条口支店で”京の朝食”をいただきました。(本店については以前コチラで記事にしています)

ボリュームたっぷりの朝食を楽しんだ後は、JR奈良線に乗って桃山へ。このあたりは伏見桃山という地域で、酒蔵の町、水運の町、そして幕末志士たちの町として知られています。伏見稲荷からは数駅先となります。

駅から酒蔵が集まっているエリアに歩いていくと、途中になにげなく鳥羽・伏見の戦いの銃弾の痕が残っている古い家があり、歴史の足跡を目の当たりにしました。

しばらく歩くと、酒蔵の趣のある板壁の建物が続きます。伏見という地名は伏水に由来し、古くから良質の地下水や名水に恵まれ、酒どころとして栄えてきました。月桂冠や黄桜など、全国的にも有名ですね。この日は伏見の酒造りと月桂冠の歴史を紹介する「月桂冠大倉記念館」を訪れました。

気持ちが引き締まる凛とした佇まいの建物です。実は駅からここまで他の観光客に会わず、どうしたことかと思っていましたが、この記念館の前に大型バスが何台も停まる駐車場があり、外国人観光客のツアーのコースに組み込まれているようです。私が入る時は、ちょうどドイツからの団体さんといっしょになりました。

中には酒造りに使われる道具が展示され、パネルを使ってプロセスが紹介されています。

中庭には発酵に使われた大きな酒桶が。私がゆっくり見学している間、3つの団体さんが次々とやってきて15分ほど見学し、試飲し、ショップで買い物し、またバスに乗って次に向かいました。なんとも慌ただしいですが、時間の限られているツアーでは仕方がないかもしれませんね。

月桂冠大倉記念館の裏手にある弁天橋から「伏見十石舟」という観光船が出ています。江戸時代に伏見と大阪の間を、宇治川・淀川を経由して運航する輸送船があり、それによって伏見の酒が広く知られることとなりました。この観光船はその輸送船を今に復刻したもので、伏見を流れる濠川を往復しています。

舟から眺める酒蔵の町もまた、情緒があってすてきでしょうね。

この濠川沿いに、薩摩藩士による寺田屋騒動(1862年)、坂本龍馬が襲われた寺田屋事件(1868年)の舞台となった船宿「寺田屋」があります。当時の建物は鳥羽・伏見の戦い(1868年)で焼失し、その後再建されました。このあたりには何軒もの船宿があったそうです。

坂本龍馬の資料が展示されているほか、龍馬に急を知らせるためにお龍さんが駆け上がったという階段も再現され、当時の船宿の雰囲気を味わうことができました。

 

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レディ・プレイヤー1

2018年05月21日 | 映画

京都旅行記は一回お休みします。

スティーヴン・スピルバーグ監督のSFアドベンチャー。アーネスト・クラインが2011年に発表した小説「ゲーム・ウォーズ」を原作に、2045年のVR(ヴァーチャル・リアリティ)の世界を描きます。

レディ・プレイヤー1 (Ready Player One)

世界が荒廃している2045年。スラム街に暮らす若者たちにとって、VRの世界「オアシス」だけが、唯一希望がかなえられる場所でした。そんなある時、オアシスを創設したジェームズ・ハリデーが亡くなり、オアシスに隠された3つの謎=イースター・エッグを見つけた者に、莫大な遺産とオアシスの運営権を与えるという遺言が発表されます...。

予告を見た時には、ハンガーゲームのような若者向けサバイバル映画かな?と実はあまり食指が動かなかったのですが、ひと足先に見た息子から”すごいよ”と聞いて、期待して見に行ってきました。タイトルは、ゲームがはじまる時のコールから来ているのですね。

80年代とゲームの世界を映像化した作品ということで、私は愛すべきB級映画「ピクセル」を思い出してしまったのですが、”全然違う”とダメ出しされました。^^; 冒頭のVan Halenの"Jump"から一気に物語の世界に引き込まれ、過去と未来、仮想と現実がめまぐるしく入れ替わるファンタジーの世界を堪能しました。

それにしても「ペンタゴン・ペーパーズ」のような骨太の社会派作品から、おもちゃ箱をひっくり返したようなスピード感あふれるエンタメ作品まで作ってしまうスピルバーグ監督はすごい。まさにオアシスを造ったジェームズ・ハリデーみたい。ハリデーをマーク・ライランスが演じていたのも意外性があっておもしろかったです。

映画やキャラクターなど、サブリミナル的に登場するのもあれば、しっかり描かれているのもありましたが、宝探しの感覚で楽しめました。Tears for Fears の "Everybody Want to Rule the World"や Bee Geesの "Stayin' Alive など、懐かしい音楽もたくさん。

映画関係ではデロリアンやターミネーター2ににやり...でしたが、”シャイニング”がかなりしっかりフィーチャーされていたのに驚きました。ジャック・ニコルソンがいつ出てくるかと待ち構えていましたが、空目だけでこれだけ存在感がアピールできるってすごい。^^

でも一番うれしかったのはアイアン・ジャイアント。大好きな思い入れのあるキャラクターだったので、メインで登場していてわくわくしました。

日本の映画やキャラクターなどもたくさん登場していて驚きました。ファイナリストの5人のうち2人がアジア系というのもめずらしいのでは? ゲームに慣れていないので、今ひとつついていけないところもありましたが、大いに刺激を与えてくれる作品でした。

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西本願寺の大銀杏と、京町家イタリアン ろんくす

2018年05月20日 | +京都

京都に着いてから、スマホの充電を兼ねてホテルの部屋で1時間ほど休みました。旅先では地図をよく使うのでバッテリーの減りが早いです。私自身もエネルギーをチャージしてすっかり元気になったので、夕食の時間まで街歩きを楽しみました。まずはホテルから近い西本願寺へ。

対をなす東本願寺とともに、親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗のお寺です。堂々たる風格に圧倒されますが、心安らぐような包容力も感じました。御堂に入って床の木の感触を確かめながらゆっくり歩いて回りました。

境内には樹齢400年の大銀杏があります。ふつうイチョウは上に高く伸びますが、このイチョウは横へ横へと枝を伸ばしています。葉っぱを見なければ、イチョウとはわからないほど。剪定に剪定を重ねてこのような姿に形作ったそうですが、重厚な寺院にふさわしい貫禄がありました。

この後、小路を足の向くまま気の向くままに歩きつつ祇園まで買いものに行きました。歌舞伎の南座は耐事工事中、鴨川にはもう川床ができていました。高瀬川沿いの道は趣があって大好きな通りです。日が暮れてそろそろ辺りが薄暗くなり、料亭のぼんぼりに明かりが灯りはじめました。

夕食はゆっくりとコースのお料理を楽しみたくて、ひとりでも入りやすそうな京町家イタリアン ろんくすさんを予約しました。キッチンに面したカウンターの席で、すぐ横にはガラス越しに風流な坪庭が見えます。家庭的な雰囲気で落ち着けました。

前菜の盛合せです。左手前はホタルイカと春菊のフリッタータ、奥は山菜の白あえ、右手前は鶏ハムをガーリックソースで。ノンアルコールのカクテルとともにおいしくいただきました。

鮮魚と新鮮野菜のサラダ仕立て。

コンソメに浮かべた鴨と筍のパートブリック包み揚げ。パートブリックというのは春巻のような皮で、パリッとした食感が楽しめました。

桜海老といんげん豆のペペロンチーノ。カラスミを散らして。香ばしいお味でした。

甘鯛のうろこ焼きと、ホワイトアスパラのピュレ。さっぱりとした香草のソースで。

イタリア産豚肩ロースとフルーツトマトのピッツァイオーラ。

ベリーのシブーストと、ピスタチオのジェラート。上に乗っているのはメレンゲのスティック。深煎りのコーヒーとともにおいしくいただきました。

最近フルコースがおなかに重く感じるようになって避けていましたが、こちらはひとつひとつのお料理の量が少なめで、その分品数が多く、最後までおいしく楽しみながらいただけました。京の食材もさりげなく取り入れられ、旅の気分を満喫しました。

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宇治上神社と、花の寺 三室戸寺

2018年05月17日 | +京都

平等院のあと、宇治川をはさんで対岸にある宇治上神社を訪れました。平等院からは歩いて15分ほどの距離ですが、こちらは訪れる人も少なく、しんとしています。

一見何の変哲もないこじんまりとした神社ですが、ここの本殿は日本最古の神社建築とされ、平等院と同じく世界遺産に登録されています。数年前に修復工事を行ったばかりということで、朱の鳥居が鮮やかで、新緑が気持ちのよい木陰を作っていました。

参道を抜けると正面に鎌倉時代前期の建築とされる寝殿造の拝殿があり、その後ろに、平安時代後期に造営されたという日本最古の本殿があります。実際にお参りやお祝いに使われているらしい拝殿に対し、本殿は扉をぴたりと閉じ、沈黙の中に厳かな雰囲気をたたえていました。

このほか、お茶どころ宇治の唯一現存するという湧き水が手水舎として設えられていたり、注連縄の張られた苔むしたが岩があったりと、古くからの信仰の形をそこここに見ることができる神秘的な空間でした。

このあと、宇治の閑静な住宅街をぶらぶらと歩いて、三室戸寺というお寺を訪れました。

770年に創建したという古いお寺で、阿弥陀堂、三重塔などありますが、何より庭園が広大で、5月のつつじ、6月の紫陽花など、花の寺として知られているようです。

5000坪の大庭園は、枯山水・池泉・広庭からなり、燃えさかるような緑の競演が美しかったです。

そして山の斜面一帯に2万本ものつつじが植えられています。奈良と平等院のつつじがちょうど見頃だったので期待して来たのですが、ここは高度が少し高いのか、つつじはまだ3分咲きといったところでした。今頃はきっとみごとに咲いているでしょうね。

つつじの山を上り下りする前に、おなかがすいたので境内にある”花の茶屋”で宇治名物の茶そばをいただきました。つつじを目の前にしていただく冷たい茶そばのおいしいこと。汗ばむほどの陽気だったので、お水もごくごく飲み干しました。

つつじはちょっとフライングでしたが、名残の八重桜が美しかったです。6月の紫陽花も見事でしょうね。

三室戸寺から宇治駅方面へのゆるやかな坂道を下りていくと、幹線道路沿いに宇治茶の伊藤久右衛門さんの本店茶房があったので入ってみました。抹茶スイーツがいろいろあって迷いに迷いましたが、結局お店の看板メニューの”宇治抹茶パフェ”をいただくことに。

パフェをいただくのは何十年ぶり?でしたが、お茶のほろ苦さと甘さのバランスが絶妙でとてもおいしかった! 右の棗にお抹茶が入っていて、好みでかけていただけますが、かけすぎるとむせるのでご注意を。^ ^

JR宇治駅前に 、茶壺をかたどった郵便ポストがありました。

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宇治 平等院

2018年05月15日 | +京都

翌日は朝から宇治を訪れました。平等院でおなじみの宇治は京都市の南に位置し、奈良から京都に向かう途中にあります。お茶どころで知られる宇治。JR宇治駅を下りて平等院に向かう途中、辻利や福寿園など、名前を聞いたことのあるお茶の名店がそこここにありました。

きれいに整備された参道を通って平等院へ。入口でみごとな藤棚に迎えられました。

やわらかなグリーンと薄紫色のコンビネーションが、まるで印象派の絵画のよう。夢のような風景でした。そして表門から中に入ると、さらなる夢のような風景が広がっていました。

10円硬貨でおなじみの平等院鳳凰堂です。池に浮かび上がるその姿は圧倒的な美しさで、浦島太郎が訪れたという竜宮城はここだったのでは?と思ったほど。実際、極楽浄土の宮殿をモデルにしたとされています。数年前に屋根の葺替え、柱の塗り直し修理をしたばかりなので、朱色がことのほか鮮やかで美しく感じられました。

朝9時頃に訪れたので、まだそれほど人も多くなく、壮麗な姿をじっくり眺めることができました。中には平安時代の作となる国宝・阿弥陀如来坐像が安置され、見学することもできますが、次の回が1時間後ということだったので迷って今回は止めにしました。

正面から見たところです。横が長すぎて写真に収まり切れていませんが^^; シンメトリーな美しさに心を奪われました。このあと、併設されている鳳翔館というミュージアムに入りました。シンプルモダンな建築ですが、半地下で高さが抑えらえていて、景観を損なわないデザインになっています。

中には、梵鐘、(鳳凰堂の屋根についている)鳳凰一対のオリジナルが展示されていて、間近で見ることができます。特に感激したのは、鳳凰堂の内部の壁を飾る雲中供養菩薩像・全52体のオリジナルを見ることができたこと。雲に乗った小さな菩薩像で、52体のうち28体は楽器を演奏し、24体は踊っています。

   

(画像はサイトよりお借りしました)

なんとも愛らしい姿に心が和みました。宮廷の音楽会の様子を表しているのでしょうか? アコーディオンやパンフルートのような楽器もあり、興味深かったです。「源氏物語色紙絵」の中にも同じような音楽の練習風景が描かれているそうです。

鳳翔館を出たところにあった梵鐘。オリジナルは鳳翔館の中にあり、こちらはそっくり同じに作られたフェイクです。繊細なレリーフ、しゅっとした形が優美です。

南門。右に見えているモダンな建物が鳳翔館です。

この後もう一度、正面から鳳凰堂を見ましたが、この頃には団体客でごったがえしていてゆっくりと見れませんでした。早めの時間にお出かけされるのがよいかもしれません。

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春日大社神苑 萬葉植物園の藤

2018年05月13日 | +奈良

先月、奈良・京都を一人旅してきました。といっても奈良での目的は息子に会うこと。ふだんLINEでやりとりしているので、あまり久しぶりという感じはなかったですが、元気な顔を見てほっとしました。待合せはJR奈良駅前のスターバックスです。

昔の奈良駅を移築した建物で、和洋折衷の帝冠様式に古都奈良の威厳が感じられました。中はスタバが併設された観光案内所となっています。(写真は翌朝撮影) 奈良公園や東大寺、春日大社などの中心地は、ここからおみやげ街を通って歩いて15分ほど。途中でお昼を食べてから奈良公園に向かいました。

奈良公園の緑の杜に入るや、いたるところに鹿、鹿、鹿...。人懐こくて怖がらず、あちらこちらでこんな光景が繰り広げられています。^^

ねえねえ、ボクたちにもちょうだい。

ちょうどツノが生え変わる時期なのか、立派なツノをもつ鹿はいなかったです。今にもツノが生えそうに頭が盛り上がっている鹿や、20cmくらいの短いツノが生えた鹿は時々見かけました。おとなしい動物ですが、気がつくとすぐ後ろにいたりしてびっくりします。^^

奈良も京都に劣らず、観光客がものすごく多かったです。京都駅でJR奈良線の特急みやこ路に乗り換えましたが、車内は通勤ラッシュ並みの混雑でした。ただ、奈良の町は建物も道路も空間も広々として余裕があるので、ゆったりした気分で散策できました。

奈良に来たのはたぶん修学旅行以来??でしたが、特に観光らしいことはせず、おしゃべりしながらただひたすら歩いていました。唯一、春日大社神苑 萬葉植物園で藤が見頃だというので入ってみました。

万葉植物園というのは「万葉集」の歌に詠まれている植物を栽培している植物園で、全国津々浦々にありますが、こちらの万葉植物園が日本でもっとも古いそうです。(1932年開園) 3ヘクタールの園内に万葉集に詠まれた約300種の植物が栽培されています。

また、春日大社の社紋が藤であることから”藤の園”が作られていて、20品種200本の藤の木が植栽されています。どの藤も藤棚ではなく、目の高さで鑑賞できるように作られていて、飾らなく素朴な印象でした。万葉歌人になったつもりで?藤から藤へと移り歩きました。

まずは藤の種類の多さに驚きました。青紫色から赤紫色、白色、濃い色から淡い色まで。そして長さ30㎝もの長い房から、ぶどうのような丸っこい房まで。花びらも大きいのから小さいのまで、ふっくらしたものとさまざまです。

そして藤の香りがこんなに強いなんて、と発見でした。(名前は失念しましたが)香りの強い白い藤があって、近くに寄っただけでめまいがするほど。でも決して嫌いな香りではありません。そういえば藤の香水ってあるのかな~?と思いましたが、お香はきっとあるでしょうね。すれ違いざまにこの香りがしたらドキッとしそうです。

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