セレンディピティ ダイアリー

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あさつきのベーコン炒め & カリフラワーのオーブン焼き

2020年01月31日 | 料理

スーパーの春の山菜コーナーで「庄内地方のあさつき」というのを見つけたので、買ってみました。

あさつきといえば細い青ねぎで、刻んで薬味にしていただきますが、これは短くて、ややずんぐりとしています。なんでも山形県庄内地方で冬に栽培される野菜で、伸び始めたあさつきの新芽を収穫したものだそうです。

パッケージに、酢味噌和え、おひたし、卵とじ、ベーコン炒めと、おいしい食べ方が紹介されていたので、私はベーコン炒めを作ってみました。

スキレットにオリーブ油を熱して拍子木切りにしたベーコンを炒め、最後にさっとあさつきを合わせて塩で味を調えました。わずかなほろ苦さがクセになるおいしさで、ビールのおつまみにも最高でした。

今の季節は、カリフラワーもおいしい。この日はオーブン焼きでいただきました。

カリフラワーを小房に分けて、みじん切りのにんにくとともに耐熱容器に入れ、オリーブ油をざ~っとかけて、200℃のオーブンで20分ほど、様子を見ながら焼きます。粉チーズをあえてさらに5分ほど焼き、塩味を調えてできあがり。

この日はメカジキのトマト煮込みを作ったので、クスクスといっしょにつけ合わせにしました。むっくりとした風味が味わえて、こちらもこたえられないおいしさでした。

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パラサイト 半地下の家族

2020年01月28日 | 映画

韓国の鬼才ポン・ジュノ監督による、コメディ・テイストの社会風刺ドラマ。昨年のカンヌ国際映画賞で、パルムドール(最高賞)を受賞。来る2月10日に発表される米アカデミー賞では、作品賞、監督賞、国際映画賞にノミネートされています。

パラサイト 半地下の家族 (Parasite)

昨年末、オバマ大統領がお気に入り映画のひとつに選んでいたこともあって、気になっていた本作。ひと足先に見た息子から、おもしろかった~!(ちなみに彼にとっては初韓国映画) と勧められて、見に行きました。

格差をテーマにした作品と聞いていましたが、息子からはあまり気にしないで見た方がいいとアドバイスされ、フラットな気持ちで見に行きました。私にとっては、これまで見た韓国映画(そんなにたくさんは見ていませんが)の中で一番とっつきやすくておもしろかったです。エンターテイメントとして楽しめますが、あとからじわじわと考えさせられる作品でした。

最初に登場する貧乏なキム家の描写は「万引き家族」のようで、時にしたたかさに辟易とする場面もありましたが、その後に登場するお金持ちのパク家がコミカルに描かれていて救われました。特に天然のお母さんが最高でした!^^

後半は「ジョーカー」を思わせる場面も。私はキム父がなぜあのような行動をとったのか、映画を見ている時にはとっさのことで理解できなかったのですが、彼にとっては超えられない壁を感じた瞬間だったのでしょうか。この作品では、においが分断を象徴するカギとして描かれていたのが興味深かったです。

キム家の人たちは、就職にいたるプロセスはともかく、一応労働の対価として収入を得ているので、まだいいとして... その後に知ったほんもののパラサイトに背筋が凍りました。

洪水のシーンも衝撃でした。2005年のハリケーン・カトリーナの時に、アメリカで災害と格差の関係が大きな社会問題となりましたが、地球温暖化の影響で、昨年から今年にかけて、日本、ベネチア、スペイン、オーストラリアなど、世界各地で大きな洪水災害が起きています。

でも被災した人たちに思いが行かないパク家の行動は、私たちの姿でもあるのかも... と考えさせられました。

【関連記事】チャパグリ(ジャージャー麺) @パラサイト (2020-02-16)

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Plein de Citron

2020年01月24日 | グルメ

目黒通りに新しいカフェがオープンしていたので、お昼を食べに行きました。場所は柿の木坂交差点の近く、碑文谷警察署の隣りです。鮮やかなレモンイエローのシェードとフラッグが目を引く小さなお店は Plein de Citron (プランドシトロン) 。

”レモンがいっぱい” という名前の通り、レモンのスイーツをメインにしたカフェのようです。ランチは2種類あったので、ひとつずついただきました。

私のセットについてきたグリーンサラダ。みずみずしい野菜と、レモンがさわやかなドレッシングがおいしい。

こちらはもうひとつのセットについてくるアントレスタンド。パンと前菜が2つのお皿に盛り合わせてあり、わくわくします。

下のお皿にはグリーンサラダ、キャロットラペ、ポテトサラダ、パテ、ピクルス。シンプルに見えますが、例えばポテトサラダなど、何が入っているのか想像できない複雑な味わいでした。パテはレバーの風味がして、パンにぬっていただくとおいしい。

カラフルなパンの数々。ベーグルがあるのが個人的にはうれしい。^^

デミグラ味がマイブームになっている私は、またもやハッシュドビーフをいただきました。トマトの酸味がさわやかでおいしかったです。彩りの揚げ野菜も美しい。

こちらはアントレスタンドとセットになっている煮込みハンバーグです。ナツメグの香りがふわっとして、こちらもおいしかったです。彩り野菜とポテトのフライがついています。

この日はいただきませんでしたが、ショーケースにはレモンのパウンドケーキやタルトがありました。まだお店をはじめたばかりで慣れていらっしゃらないのか、メニューは今のところ少ないですが、お料理はどちらもおいしかったです。

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クーパー家の晩餐会

2020年01月23日 | 映画

Amazon Prime Videoで鑑賞しました。2015年に公開された、ハートウォーミングなクリスマス・コメディです。

クーパー家の晩餐会 (Love the Coopers)

実は見始めてから、クリスマス映画と知りました。^^; 見る時期が若干遅れてしまいましたが、クリスマスデコレーションに彩られたアメリカ郊外の美しい住宅街や、クリスマス準備に忙しい人々、華やいだ街の様子にわくわくし、すぐに映画の世界に引き込まれました。

アメリカ版ラブ・アクチュアリーといった感じで、いくつかのエピソードが平行して描かれるクリスマスの群像劇です。登場人物は、いずれもクーパー家の一員か、家族とつながる人物。終盤のクリスマスパーティでクーパー家の面々が勢揃いし、そういうつながりだったのか!とわかります。

ラブ・アクチュアリーと同じく、登場人物たちはそれぞれに悩みや問題を抱えていますが、最後はダンスで締めくくり、なんとなく丸く収まります。^^

物語の中心となるのは、結婚40年目にして離婚の危機を迎えているシャーロット(ダイアン・キートン)とサム(ジョン・グッドマン)の夫婦。そこに、職を失った息子、不倫をしている娘、シャーロットに贈るプレゼントを衝動的に万引きしてしまった妹など、それぞれに秘密を抱えた家族たちのエピソードが加わります。

私が気に入ったのは、娘エレノア(オリヴィア・ワイルド)のエピソードです。地元の医師と不倫関係を続けているエレノアは、実家に帰るのが気が重く、空港のバーで知り合った、好青年の軍人ジョー(ジェイク・レイシー)を恋人と偽って、家族に紹介することを思いつきます。

リベラルな家庭に育ったエレノアと、南部の保守的な家庭で育ったジョー。最初は何かと話がかみ合わないのですが、ちょっぴりお疲れ気味で、心がすっかりささくれ立ってしまっているエレノアが、健やかでまっすぐなジョーといっしょにいる間に、少しずつ変わっていくところがとてもよかったです。会話のキャッチボールも楽しかった。

オリヴィア・ワイルドがすてきだな~と思ったら、彼女は今「リチャード・ジュエル」に出ているんですね。ますます見なくちゃ!と思いました。そしてジェイク・レイシーは「女神の見えざる手」(Miss Sloane)に登場するエスコートサービスの彼だったんですね。(この映画の彼も惚れぼれとするいい男でした!)

このほか、アマンダ・セイフライドやマリサ・トメイなどが出演。また、ブレイクする前のティモシー・シャラメが、いけてない高校生役で出ています。

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ハッシュドビーフ & 白菜とベーコンの蒸焼き

2020年01月21日 | 料理

最近作ったお料理から、まとめてアップします♪

久しぶりにハッシュドビーフを作りました。先日、牛タンの煮込みをいただいてからというもの、私の中のデミグラ熱に火がついて?無性にこういうお料理をいただきたい気分が続いていました。

古いお料理本のレシピで、ハインツのデミグラスソース缶を使っていますが、他にもいろいろ調味料を足しているので、複雑な味わいに仕上がります。隠し味にお醤油も入っていて、ごはんに合う家庭らしい味です。今回は、赤ワインだけでなく、コニャックも少々加えたので豊潤な味わいになりました。

いつもは青みにグリーピースを入れることが多いですが、今回は家にあったスナップえんどうをのせました。家族が「この形には何か意味があるの?」ときいたので、とっさの思いつきで「染色体!」と答えたら「???」という顔をしていました。^^;

白菜とベーコンの蒸焼きです。オリジナルのレシピではキャベツを使っていましたが、私は家にあった白菜を使って作りました。芯をつけたままざっくり切った白菜とマッチ棒状に切ったベーコンを厚手のお鍋に入れてオリーブ油をぐるぐる~っと回しかけ、塩少々をかけて蒸焼きに。余熱を加えて仕上げます。

野菜はゆでるより、蒸焼きにする方が断然おいしくて好きです。

さわらの揚げ煮です。久しぶりにお気に入りの魚屋さんに行って、お魚をまとめ買いしてきました。さわらは塩をふって少しおいてペーパーで水気をふき、小麦粉をまぶして野菜 (スナップえんどう・かぼちゃ・しいたけ)といっしょに揚げ焼きにします。

あらかじめ作っておいた煮汁(だし汁・しょうゆ・砂糖・みりん・酒)をかけて、大根おろしをのせました。甘辛い煮汁がしみて、ほっとするおいしさです。

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She お肉とお野菜 & ニュートーキョー数寄屋橋本店

2020年01月20日 | グルメ

映画を見る前に、日比谷シャンテ地下2階のオーガニックカフェ、She お肉とお野菜 でお昼をいただきました。グリーンとブラウンを基調にした、解放感のあるナチュラルテイストのお店です。テーブルが広く、席がゆったりとしていてくつろげました。お料理は、5種類あるランチセットから選びました。

手前は、ローカルグリーンサラダ。淡路島産の新たまねぎと広島産の有機栽培大葉で作られたオリジナルのナチュラルドレッシングは、お店でも販売しています。奥に見えるのは ”鶏挽肉と冬野菜の生姜クリームスープ”。薬膳のような優しい味わいでした。

私は、”牛ハチノスとスジ・もも肉・白菜のラグーソース~リングイネ” をいただきました。お肉のいろいろな部位をトマトで煮込んだラグーソースは、複雑で深みのあるお味でとってもおいしかったです。

こちらは、山形豚特上ロースと鳥取県寝かせ熟成生姜を使ったポークジンジャー。発酵塩キャベツとローカルグリーンサラダが添えられています。お肉は薄切りではなく、厚みのあるお肉をそぎ切りにしたもので、柔らかく旨味がぎゅっと感じられました。どちらのセットにも食後に、コーヒーか紅茶がつきます。

***

映画のあと、軽くビールを飲んで帰ろうということになり、ニュートーキョービヤホール 数寄屋橋本店 に寄っていきました。

2015年に閉館した数寄屋橋のニュートーキョービル。ビルの中に入っていたニュートーキョーは、銀座ではライオンと並んでよく行くビヤホールだったので寂しく思っていましたが、いつの間にかすぐ近くのビルで再オープンしていました。

1階と2階があり、私たちは1階のブラウハウスに入りました。規模は以前のお店に比べるとだいぶ小さくなりましたが、かつてのお店の面影も少し感じられ、ほっとしました。

まずは生ビールを、ドイツの陶器製シュタインジョッキでいただきました。グラスと比べて、冷たさが長持ちするそうです。クリーミィな泡がジョッキの上まで持ち上がっていて、最初のひと口が特においしかったです。突き出しは、小さいカップに入ったカッペリーニ・菜の花・ベーコンのスープでした。

おなかが全然すいていなかったので、軽くおつまみだけいただきました。これはアンチョビポテト。塩の効いたアンチョビソースがポテトにからみ、クセになるおいしさでした。

花畑牧場のラクレットチーズと、旬野菜グリル。ブロッコリーニやあやめ大根、エリンギなど。とろりとしたチーズがからんでこちらもとってもおいしかったです。

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ジョジョ・ラビット

2020年01月19日 | 映画

ナチス政権下のドイツを、ヒトラーに心酔する10歳の少年の目を通してコミカルに描いたヒューマンドラマです。

ジョジョ・ラビット (Jojo Rabbit)

前評判がすこぶる高くて、アカデミー賞の作品賞にもノミネートされていたので気になっていた本作。日経金曜夕刊のレビューでも絶賛されていたので、イーストウッドの新作と迷って、まずはこちらを見ることにしました。劇場もほぼ満席という盛況ぶりでした。

でも... 私にとっては期待を大きく上回るものではなく、まあまあ...といったところでした。戦争を題材にしたコメディは、判断が難しいですね。レトロな映像は美しく、子どもたちもかわいかったのですが...

何が引っかかったのか、ずっと原因を考えていたのですが、たぶん、ナチスやヒトラーを美化している(マイルドにしている)ように感じられたのが、私の中では受け入れられなかったのだと思います。ワイティティ監督自身は決してそんなつもりはなかったのだと思いますが。

本作と比較される「ライフ・イズ・ビューティフル」(1997) は私も大好きな作品ですが、ナチスを美化した場面はなかったと思います。「ライフ~」では、暴力や憎しみを、息子の目に一切触れさせなかった父親の愛に心を打たれましたが、本作のジョジョは日常的に暴力や死を見せられていたのが気になりました。

それから、反ナチス運動に関わり、ユダヤ人の少女を匿っている母親(スカーレット・ヨハンソン)に育てられた子どもが、はたしてヒトラーに心酔するかしら? 映画を見ている時は、そんなところも違和感を覚えました。

でもあとから、ジョジョが10歳で入隊させられていたヒトラーユーゲントについて検索していくうちに、映画でははっきりとは描かれていませんでしたが、当時のドイツの子どもたちは洗脳され、親さえも拒絶するように教育されていたことを知り、少し考えを改めました。

10歳のジョジョが入隊したヒトラーユーゲントとは? ワイティティが描く人間の愛情深さと希望(シネマズ)

ちょっと辛口の感想になってしまいましたが、もちろんすてきな場面もたくさんありました。なんといってもジョジョがかわいかったし、お友だちのヨーキーがいい味を出していて最高でした。それからジョジョと、ユダヤ人の少女エルサとの姉弟のような友情も微笑ましかった。

サム・ロックウェル演じる鬼教官の、愛ある行動には泣けました...。ワイティティ監督演じる(空想上の)ヒトラーははじけすぎでしたが、いつもそばでジョジョを見ていて励ましてくれる父親代わりの存在だったのでしょうね。

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高村薫「冷血」

2020年01月17日 | 

遅ればせながら、昨年読んだ本の感想を書き残しておきます。

高村薫「冷血」

カポーティの「冷血」を思い出させる本作。すなわち、ある善良な一家が、何の理由もなく残酷無慈悲に殺される事件が描かれています。カポーティの小説とは時代も舞台も違いますが、高村さんの緻密な背景描写や人物描写はリアリティたっぷりで、閉塞感のある現代の日本で、いつでも起こりうる事件となっていることに恐怖を感じました。

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2002年の年末。都内の閑静な住宅街で、一家4人が無残な姿で発見されます。両親はともに歯科医、子どもたちは国立大付属校に通っているという堅実な家庭で、周囲とのトラブルも見当たりません。姉はスタンダールを愛読し数学オリンピックを目指す知的に成熟した中学生で、捜査員は一同深いため息をもらします。

粗雑な犯人たちは痕跡を数多く残しており、やがて戸田と井上という2人が逮捕されます。いわゆるチンピラの井上と、寡黙な新聞配達員の戸田。むしゃくしゃしていた井上と戸田はネット上で知り合っただけの関係で、2人はわずか数日の間に、東京近郊で器物損壊やコンビニ強盗を重ねた挙句、その流れで一気にこの殺人事件へと突き進んだのでした。

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上巻では犯罪が起こるまでと、犯人たちが逮捕されるまでがドキュメンタリーのように克明に記されていきます。これだけでも十分読み応えがありますが、そこで終わらないのが高村さんの小説。上巻と同じボリュームで、下巻では戸田と井上、2人の内面の物語が緻密に描写されていきます。

それは、被害者である善良な家族4人も、加害者である2人の凶悪犯も、命の重さは同じなのだ、という高村さんのメッセージなのだと受け取りました。(とはいえ、それは心情的に、とても受け入れられるものではありませんが...)

犯罪自体は許されることではありませんが、どんなに凶悪な犯行にも必ずそこに至るまでの正当な理由があり、それを解明して初めて事件は完結するのだ、ということ。高村さんは、そのことを合田雄一郎という刑事を通して追及し続けているのだと思います。

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井上というのは高村さんの小説によく出てくる、躁鬱が激しくて、頭の中がゲームとパチスロだけでできているようなキャラクターで、正直私にはまったく理解できないタイプ。 (そしてこういうはちゃめちゃな頭の中を言語化できる高村さんてすごい!といつも感心しています。^^;)

戸田は、今でいうところの教育虐待の被害者で、彼のこれまでの孤独と絶望の人生を思うと、胸がしめつけられるような苦しみを覚えました。彼はどうやら日本の伝統工芸に興味を持っていたようですが、もしも母親が自分の価値観を押し付けず、彼の気持ちを尊重して育てていれば、犯罪の道に走ることもなかったのでは?と思わずにはいられませんでした。

現代ならではの社会問題がさりげなく織り込まれている高村さんの作品は、いつも読んだあとにもいろいろと考えさせられます。

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ワイン食堂 ル・プティ・マルシェ

2020年01月13日 | グルメ

映画を見た後は、六本木駅近くの ワイン食堂 ル・プティ・マルシェ (Le Petit Marche) で遅めのお昼をいただきました。3階建ての建物の中に、フレンチ、イタリアン、ワインショップ、パン屋さん、ケーキ屋さんという5つの系列店が入っています。

私たちは、パン・アミューズ2品・前菜(2品から)・メイン(2品から)・デザート・カフェで構成されるコースをいただきました。飾らない雰囲気の中、お料理はどれもおいしかったです。

パンは、1階のラトリア・デュ・パンさんのパンが食べ放題です。スタッフの方が3種類ずつ3回持ってきてくださり、私は5種類くらいいただきました。バゲットとフォカッチャが気に入ったので、帰りに1階に寄って買っていきました。

アミューズ2品。黒いプティシューと鶏のレバークリーム & 炙った烏賊とオレンジ、マジョラム風味 です。

前菜は2品をシェアしていただきました。こちらは、燻製にかけたオーロラサーモンのフォンダンです。スモークドサーモンのたたきとなっていて、食べやすくおいしかったです。ラディッシュやイクラがアクセントになっていました。

私は、たまねぎのデクリネゾン(キッシュ・ピクルス・サラダ)をいただきました。キャラメリゼしたたまねぎのキッシュは、たまねぎの甘さと香ばしさが広がって、絶妙なお味でした。

メインも2種類をシェアしていただきました。こちらは、若鶏もも肉のこんがりロティ、生ハム風味のコンソメ添えです。根菜をあしらい、見た目がどことなく筑前煮風。1月らしく和を取り入れているのが心憎かったです。お肉もジュ―シィで絶品でした。

私は、柔らかく煮込んだ牛タンのアッシェパルマンティ風をいただきました。アッシェパルマンティというと、たいていひき肉とじゃがいもを重ねたグラタン風のお料理をいいますが、これはベイクトポテトに牛タンのシチューをかけて、ズッキーニのグリルをアクセントにのせています。

柔らかい牛タンの煮込みに、ほくほくのベイクトポテトがよく合っておいしい。グラタン風よりあっさりいただけて、私好みでした。

デザートは、1階のパティスリー ココアンジュさんからの提供です。この日は、ほうじ茶のムースにバニラのソースでした。とろけるようなお味でした。

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フォードvsフェラーリ

2020年01月12日 | 映画

今年最初に見た映画です。マット・デイモン&クリスチャン・ベール主演、1966年のル・マン24時間レースで、フォードが王者フェラーリに挑んだ伝説の熱い戦いを描いた作品です。

フォードvsフェラーリ (Ford v Ferrari)

車やレースを題材にした映画が好きなので、早速見に行ってきました。映画ごとに、役に合わせて体形改造を含め、すさまじいなりきりぶりを見せるクリスチャン・ベールの演技も楽しみにしていました。

前から5番目中央の席を予約しましたが、前方に誰も座っていなかったので、レースの場面も大迫力でした! カメラがレーサーの視点に合わせてあるので、視界が低く、まるで助手席に座っているような臨場感を味わいました。エンジン7000回転で展開される、激しいハンドルさばきを体感しました。

60年代、王者フェラーリにル・マンで打ち勝つために、米・フォード社の2代目社長は元レーサーでレーシングカー・デザイナーのシェルビー(マット・デイモン)の助けを借りて、レーシングカーを開発します。

ル・マンに出るにあたって、シェルビーはレーサーとして車を知り尽くしている男ケン・マイケルズ(クリスチャン・ベール)を推しますが、フォード2世は自由奔放なマイルズは社風に合わないと難色を示します...。

タイトルから、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダの友情を描いた "ラッシュ” みたいな作品をイメージしていましたが、想像していたのとはちょっと違って、米・フォード社の風通しの悪さ、自由のなさ、商業主義、スポンサーとしての強引さなど、大企業ならではの悪いところばかりが見えて、複雑な思いになる作品でした。

スポンサーは、お金は出しても口は出さないのが正しい在り方だと思いますが、企業としては自社の発展と利潤の追求こそが目的であり、シェルビーにも無理難題を押し付けます。社会人としての常識を持ち合わせながら、マイルズの思いを理解し、守ろうとするシェルビーは、マット・デイモンにぴったりの役どころでした。

最後の無茶ぶりは、私はシェルビーは自分の胸にしまって、マイルズには言わないのではないかと思いましたが、彼は大人の対応で、マイルズに決断を委ねます。そして自由人であるマイルズが、最後に組織のためにとった行動に泣けました...。その後のフォード2世と副社長には、心底むかつきましたが。

ル・マンを見たのは初めてだったので、レース自体も興味深かったです。スターティングは車に乗り込むところから始めるんだ!というのも新鮮でしたし、技術チームの神業には感動しました。そしてドライビング・テクニックの戦いだけでなく、心理戦でもあるところがおもしろかったです。

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