セレンディピティ ダイアリー

映画とアートの感想、食のあれこれ、旅とおでかけ。お探しの記事は、上の検索窓か、カテゴリーの各INDEXをご利用ください。

港の見える丘公園の花々

2019年05月31日 | おでかけ

間が空いてしまいましたが、横浜元町の洋食屋さんの続きです。このあとは、何十年かぶりに港の見える丘公園を訪れましたが、しばらく見ない間にすっかり美しく変わっていて驚きました。@@

元町から、かつてのフランス領事館の跡が残るフランス山を上ると、新緑の木立の間から、白い貴婦人のようなマリンタワーが見えました。さらに上ると視界が開け、展望台に出ます。

展望台からは横浜港全体が見渡せますが、山下公園や大さん橋などのいわゆる横浜港らしい風景ではないので、私が子どもの頃はよく、”港の見えない”港の見える丘公園と揶揄されていました。^^ でも今は、横浜ベイブリッジがちょうど目の前に見えて、横浜港らしい風景になりましたね。夜景もきっときれいでしょうね。

展望台には華やかな花壇があって、ガーデンベアというキャラクターがお出迎え。さらにその先、沈床花壇からイギリス館にわたって、広大なフラワーガーデンとなっていて驚きました。園内の案内を見ると、2016年にリニューアルされたそうです。

沈床花壇は「香りの庭」として整備されていました。噴水を中心に、ダマスク、フルーツ、ティー、ミルラという4つのエリアに分かれていて、それぞれのテーマに合わせた香りのバラが集められているそうです。

バラの季節にはやや早く、まだ花数は少なかったですが、ノースポールやビオラなど、足元を飾る花壇の花々がきれいでした。

4つのエリアには、バラのアーチが設けられていて、花が咲く時期には、バラの香りが降り注ぐ中を散策できるようになっています。また、バラの時期以外にも100種類以上の香りのある植物が植えられていて、季節ごとにいろいろな植物の香りが楽しめます。

香りの庭からイギリス館の方に移動すると、かつてのバラ園が「イングリッシュローズの庭」として、より美しく整備されていました。

ハーブや野草を取り合わせた、優しい彩りに心がやすらぎます。

イギリス館は、かつてイギリス総領事公邸だったところで、内部が公開されているほか、コンサートや集会などにも利用されています。

野ばらを思わせる素朴なバラが、とても愛らしかったです。

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ピンクフレンチレース

2019年05月25日 | 日々のこと

来週提出する課題が4教科、テストが1教科あるので、しばらく更新をお休みします。

写真は、先週 神代植物公園にバラを見に行った時にひとめぼれして買った、ピンクフレンチレースというバラです。写真だとわかりにくいですが、少しグレーがかったピンクで、落ち着いた大人かわいい色味です。

買った時には開きかけの小さな花でしたが、このところの暑さで次々と咲き始め、あっという間に大輪のバラになりました。お花がひと段落したら、地植えにしようか、大きな植木鉢で育てようか、迷っているところです。

明日も夏のような陽気で、東京は33℃まで上がるとか??
どうぞ皆様ご自愛ください☆

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横浜元町 KITCHEN JO'S

2019年05月24日 | グルメ

この日は横浜元町方面へ。元町商店街から一本入ったところにある洋食屋さん、KITCHEN JO'S さんでお昼をいただきました。

創業1978年とありますが、知らなかった...。最近教えていただいて、洋食好きの家族と是非行きたいと思っていました。人気のお店ですが、開店してすぐの時間だったので、待たずにそのままテーブルのお席に案内していただきました。

暑い日だったので、まずは冷たい飲み物でのどを潤しました。

お料理はオムライスが一押しのようで、そのほかハンバーグやチキンカツ、ポークかつ、海老フライ、それらのコンビネーションと、洋食の定番メニューが並びます。赤いチェックのテーブルクロスがレトロな感じ。店内には古いお料理道具などがセンスよく飾られていました。

オムライスとポークかつのコンビネーション。オムライスはデミグラスとケチャップの2種類のソースがかかっています。

こちらはオムライスとハンバーグのコンビネーション。メタルのお皿もいい感じです。

コンビネーションが昔ながらの巻きオムライスだったので、私はふわトロの特製オムライスにしました。こちらのソースはデミグラスです。(カレーソースも選べます) ケチャップライスを優しく包む、ふわとろの卵が絶品でした。

おかみさんが優しいお母さんといった感じでで、最後に「また来てくださいね」と自然におっしゃったのが印象的でした。はい、またうかがいますよ。(^_-)-☆

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代官山 Hacienda del cielo MODERN MEXICANO

2019年05月21日 | グルメ

この日は息子も交えて、代官山のメキシコ料理レストラン、Hacienda del cielo MODERN MEXICANO (アシエンダ デル シエロ モダン メキシカーノ) にお昼を食べに行きました。
前回の記事はコチラ。息子もきっと気に入るだろうなーと思っていました。

この日も、メインのお料理に前菜・デザート・ドリンクがつくホリデーランチでしたが、お料理のラインナップが前回と変わっていて、うれしかったです。

4種の前菜とサラダの盛り合わせ。前菜は左から、ワカモレ(アボカドディップ)とトルティーヤチップス、しらすとトマトのブルスケッタ、ひよこ豆のマッシュ、ひと口サイズのケサディーヤ(トルティーヤに具材をはさんで焼いたお料理)です。

ホリデイランチには小さなグラスに入った食前酒と、ドリンク(私は冷たいジャスミンティにしました)がつきますが、せっかくなのでマルガリータをデカンタでたのんで、シェアしていただきました。

ところがこのマルガリータ。おいしくて口当たりはいいものの、半端なくアルコール度数が高くて、ひと口で頭がくらくらしてしまいました。お酒の強い我が家の男性陣もてこずるほどの危険なドリンクだったので、くれぐれもご注意を...。

私はアロス・デ・チリコンカルネをいただきました。ごはんのうえにチリビーンズがかかったお料理で、野菜もたっぷりのっていてヘルシーなおいしさ。気に入りました。

こちらはオマール海老とシーフードのエンチラーダ。くるりと巻いたトルティーヤと魚介、トマトのオーブン料理です。

定番のタコスプレート。チキンと、ポークカルニタス(豚肉の煮込み)を、トルティーヤに巻き巻きしていただきます。

このトルティーヤの入ったウォーマーがかわいいんです。一見重そうに見えますが、プラスティック風の素材です。

ノリのいい音楽に気分が盛り上がります。アボカド色?サボテン色?の椅子が楽しい。

デザートはブラウニーでした。濃厚なチョコレートがおいしかったです。

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柿の木坂 LE MOMENT

2019年05月19日 | グルメ

この日は以前から気になっていた柿の木坂のフレンチレストラン、LE MOMENT(ルモマン) さんにランチにうかがいました。都立大学駅から歩いて5分、パーシモンホールの前にあるこじんまりとしたレストランです。

シェフは数々の一流レストランを経て、4年前にお店をオープンされましたが、1年も経たないうちに星を獲得された実力派。GWでおそらく材料の仕入れが難しい中、急に思い立って連絡したのにもかかわらず、快く対応していただいて、恐縮しつつも感動しました。

まずは、ロゼのスパークリングワインと、赤ワインで乾杯。アミューズは、そら豆のムースです。上に枝豆と、透明なトマトのジュレ、ピンクペッパーがのっています。ひんやりとして初夏にぴったりの一品でした。

パンかと思ったら、こちらはもうひとつのアミューズでした。グジェールといって、グリュイエールチーズを使った甘くないシューです。あとでググったところ、ブルゴーニュ地方でアペタイザーとして食されるお料理のようです。素朴な風合いがありました。

前菜は、サーモンのテリーヌ。緑色のブロッコリーのソースと、黄色の卵黄とサフランのソースの2種類が添えられています。完熟トマトはフルーツのような甘みがありました。

バターと小麦の香り高い、自家製パン。私は使いませんでしたが、好みでオリーブ油をディップしてあっさりといただきます。

静岡産新たまねぎのポタージュ。泡々のカプチーノ仕立てになっていました。新たまねぎの甘さがほっとする優しいお味。スプーンレストを兼ねたお皿のくぼみがユニークです。

メインのお料理は3種類から選びますが、今回は2人とも仔鴨のローストをいただきました。仔鴨は火が通っているのにレア感のある柔らかさで、クセがなくおいしかったです。スパイス(コリアンダー?)をまぶしてローストされていて、ほどよいアクセントを添えていました。

ソースは、にんじん、りんご、はちみつの3種類。右上と左下のグリーンの下に隠れているのはポレンタというコーンミールのお料理ですが、表面を焼き上げていて適度な食感が楽しめました。

デザートは2種類から選べて、こちらはショコラショーです。名前を聞いた時は、てっきりホットチョコレートだと思ってあまり気持ちが動かなかったのですが、フォンダンショコラの上にコーヒーアイス、キャラメルソース、チョコレートのパリパリが乗った芸術的な一品でした。

私はメロンのパフェをいただきました。角切りメロンにアイスクリーム、メロンのソルベ、パリパリと、メロンのジューシーで濃厚なおいしさが堪能できる、季節を先取りしたひと品でした。

最後の飲み物は4種類ありましたが、私はめずらしい屋久島のべにふうき茶というお茶にしてみました。紅茶ともほうじ茶ともまた違うふくよかな味わいのお茶でした。小菓子はアーモンドチュイール。ほのかにオレンジピールとスパイスのお味がしました。

こちらはカウンター風のお席ですが、私たちはテーブル席に着きました。席に面した大きな窓はマジックガラスになっているようで、外からはすりガラスで見えませんが、中からはパーシモンホール前の美しい広場が借景のように見渡せ、四季の移ろいを窓越しに楽しむことができそうです。

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抹茶のパンケーキと、ルバーブとりんごのクランブル

2019年05月17日 | 料理

GW中に作ったスイーツです。どちらも朝食にいただきました。

目黒の林屋茶園さんで抹茶スイーツをいただいたら、抹茶のお菓子が作りたくなって... 翌日の朝に、抹茶のパンケーキを焼きました。いつもの栗原はるみさんレシピですが、小麦粉のうち10gを抹茶に代えて作りました。

いちごとバナナ、缶詰のゆであずきを添えて...

メイプルシロップをたら~り。お抹茶の色も風味もしっかりして、とてもおいしくいただきました。夏も近づく八十八夜にぴったりのパンケーキとなりました。

***

今年もルバーブの季節がやってきました。最近は国内でも生産されるようになり、手に入りやすくなりました。弊ブログでも何度か登場していますが、レモンのような酸味のあるフルーツで、ジャムやクランブルなどにしていただくことが多いです。 

【関連記事】 ルバーブとストロベリーのジャム、ルバーブのジャム (2018-07-06)

私はよくイチゴと合わせますが、今回はりんごと合わせてクランブルを作りました。りんごとルバーブをひと口大にカットして、グラニュー糖をまぶし、パイ皿に敷き詰めます。

クランブル(小麦粉・砂糖・バターをあわせてぼろぼろにする)をのせて、オーブンで焼きました。

焼き上がりは、ルバーブのピンクがうっすらとして、素朴な風合いがいい感じ。

スコップでざっくりと取り分けます。いちごとバナナのスムージーとともに、おいしくいただきました。

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小石川 Pesce & 目黒 林屋茶園

2019年05月15日 | グルメ

小石川植物園へは、茗荷谷駅から歩いて、途中の播磨坂でお昼を食べていくことにしました。播磨坂は桜の名所で、以前コチラでちらっと記事にしています。今は青葉の並木道となっていました。

気持ちよさそうなテラスに惹かれてひょいと入ったのは、イタリアンレストランの Pesce (ペッシェ) さん。テラスの席は既にいっぱいでしたが、早い時間だったので中は意外とすいていました。奥の席に案内していただきました。

 

大きな窓から見える播磨坂の緑が美しい。この後、お客さんが次々とやってきてあっという間に満席になりましたが、地元で愛されているお店っていいですね。

週末のランチは、パスタとピッツァを中心としたアラカルトメニューでした。私たちはいつものようにパスタとピッツァをひとつずつ選んでシェアしていただきました。

ペスカトーレ。海老、イカ、あさり、ムール貝の入ったトマトソースのパスタです。魚介のうまみが効いて、おいしくいただきました。

5種のきのこのピッツァ。5種は、しいたけ、しめじ、舞茸、マッシュルーム、エリンギかな? こちらの生地は、最近人気のもちもち系ではなく、薄いクリスピーなピッツァでした。さくっ軽い食感が楽しめました。

他のテーブルで、サラダをたのんでいるグループが多くて、気になりました。あとから、食べればよかったとちょっと思いましたが、おなかはこの2品で大満足でした。

***

植物園の帰りは白山駅に向かい、途中どこかでお茶にしようと思ったのですが、GWのせいかどこもお休み。結局目黒に着いてから、駅前の目黒セントラルスクエアに入っている林屋茶園さんに入りました。京都発の抹茶と抹茶スイーツのお店、京はやしやさんが展開するカフェです。

ここでは、6種類のケーキと8種類のお茶から選ぶ、ケーキセットをいただきました。

お茶はどれも、煎茶やほうじ茶、紅茶を使った個性的なフレーバーティとなっています。これは「煎茶 バラとりんご」です。テーブルに置かれたとたんに、華やかな香りがふわ~っと広がりました。

抹茶のチーズケーキ。お皿にのった幾何学的なケーキが絵になって、まるでZENアートみたい。しっとりとしたおいしさでした。

私は「白桃ほうじ茶」にしました。桃の甘い香りが香ばしいほうじ茶によく合いました。

ケーキは、サンマルクをいただきました。抹茶ムースとバニラムースを合わせて、表面はパリッとキャラメリゼ。濃厚で大満足のお味でした。

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小石川植物園 ナンジャモンジャとハンカチの木

2019年05月14日 | おでかけ

GWの記録です。この日は文京区の小石川植物園に春の花々を見に行きました。もとは江戸時代に徳川幕府が開設した小石川御薬園で、明治10(1877)年に東京大学附属の施設となりました。

広大な敷地には、南のソテツから北の針葉樹林まで、何千種類もの植物が栽培されていて、園内を歩くとまるで日本を一周するように、さまざまな植生を体験できます。受付の方から、今はちょうど藤とつつじとハンカチの木が見頃ですとうかがいましたが、輝くような新緑の中、気持ちのいい散策となりました。

美しい青もみじ。種を飛ばすための小さな赤いプロペラがたくさんついていました。

林の中をのんびり散策しながら、一番奥にある日本庭園へ。背景に見える赤と白の洋館は旧東京医学校本館です。中に入るには植物園を出なければならないので、今回は外からだけ見ました。

日本庭園とレトロな洋館が不思議とよく合います。きれいに刈り込まれたツツジがとても美しかったです。

そろそろ終わりかけでしたが、サトザクラ 晩都(オソミヤコ)という愛らしい八重桜。

オフィーリアが出てきそうな池

楚々とした美しさに惹かれました。サクラバナ(学名:Rosa Uchiyamana Makino)という名前がついていました。(あとで調べるとサクライバラとも)

最近は園芸種でもよく見かけますが、タニウツギかしら? これも大好きな花です。

園の中ほど、林の中にハンカチノキがありました。ハナミズキに似ていますが、こちらは少し長めの白い苞葉が2枚。ひらひらとして、ハンカチのようです。

石の上に落ちていました。2枚の苞葉は、大きさが違うのですね。

ゴッホの「アイリス」を思い出しました。奥に見えるのは改築中の温室です。

ツツジ園では、赤・白・ピンクのツツジがきれいでしたが、見慣れない黄色いツツジに目が留まりました。北アメリカ原産で、Rhododendron Austrinumという学名がついていました。アメリカでは、Native AzaleaとかYellow Azaleaとか呼ばれているようです。

最後に、この季節に咲くナンジャモンジャの木を探しました。案内図に名前がない...とその場でスマホで調べたら、正しくはヒトツバタゴというんですね。

清々しい白い花がとてもきれい。心が洗われました。

林の中で、ひときわ輝いていました。

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上野風月堂本店 &酒悦さんでお買いもの

2019年05月12日 | グルメ

クリムト展のあとは、上野公園から不忍池を通って、上野広小路へ。

ひと月前に満開だった桜並木も、すっかり青葉となっていました。不忍池のほとりでは、獺祭梅酒のイベントが開催されていました。梅酒に並ぶ行列を横目に上野広小路に向かい、上野風月堂さんでひと休みすることに。2階は洋食屋さんで、1階はカフェとなっています。前回の記事はコチラ

ゴーフレーシュと、東京カステラを使ったロールケーキをいただきました。

ゴーフレーシュは、風月堂さんの看板商品ゴーフルを、もちもちの柔らかい生地で焼き上げた、上野の本店限定のお菓子です。この日は季節限定の”抹茶”にしましたが、生地も中のクリームも抹茶味で、ほどよい甘さの中に抹茶が香る大人のお味でした。

私はロールケーキをいただきました。周りは柔らかいスポンジ生地ではなく、本店限定の東京カステラの生地で、しっかりと弾力があります。どこか懐かしさも感じられるお味で、おいしかったです。

***

この後、すぐ近くの酒悦さんの本店でお買いものして帰りました。

酒悦さんといえば、(所説あるようですが)福神漬を最初に開発したとされる創業1675年の老舗です。オリジナルとしょうがを効かせた薄味の2種類の福神漬、べったらと春キャベツのお漬物。他に目に留まったのは、珍しいひよこ豆の甘納豆です。ひよこ豆も甘納豆も好きな私としては、見逃せません。^^

金時豆や白いんげん豆の甘納豆と比べるとやや硬めで、その歯応えが病みつきになるおいしさ。気に入りました。

最近シリーズ化している?老舗の包装紙。今回は酒悦さんの包装紙です。やはり味わいがありますね。

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クリムト展 ウィーンと日本1900

2019年05月10日 | アート

京都・奈良旅行記をようやく仕上げたので、今度は大型連休のことをぼちぼちと...。連休中は近くでのんびりとすごしていました。まずは、東京都美術館で開催中の「クリムト展 ウィーンと日本1900」を見に行きました。

今年は没後100年のクリムト・イヤーで、現在、クリムトとウィーン世紀末美術を題材にした展覧会が、国立新美術館と目黒区美術館でも開催されています。本展は、日本初公開を含むクリムトの絵画25点以上が展示され、過去最大規模の展覧会です。耽美で官能的なクリムトの世界を堪能しました。

ポスターのビジュアルは、クリムトの代表作で旧約聖書に題材を求めた「ユディト I」(1901)の一部です。実物の作品は、将軍の首を抱えたユディトの裸の半身が、恍惚の表情とともに描かれています。クリムト自身がデザインした黄金の額に縁どられ、神々しいほどの輝きを放っていました。

ヘレーネ・クリムトの肖像 1898

クリムトが金箔を使う前の初期の作品から。描かれているのはクリムトの弟の娘ヘレーネで、6歳の時の肖像画です。あどけない横顔には少女の神秘性も感じられ、心に残った作品です。「レオン」のマチルダを思い出しました。

女友だち I(姉妹たち) 1907

日本美術からも影響を受けたクリムト。極端に細長い絵は掛け軸を模しているのでしょうか。二人の女性は美人画のようで、下の方には平面的な市松模様も見えます。

赤子(ゆりかご) 1917

日本の着物を感じさせる色とりどりの布地の重なりの上に、赤ちゃんの顔がのぞいています。

ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製) 1984(オリジナルは1901-02)

クリムトら前衛的な芸術家たちは、保守的な芸術家組合に対抗して、”ウィーン分離派” を結成しました。本展では、クリムトがウィーン分離派展に出品した、3面からなる壁画「ベートーヴェン・フリーズ」の実物大の複製を見ることができました。

テーマはベートーヴェンの交響曲第9番。上は最後を締めくくる1面で「歓喜の歌」を表現しています。

アッター湖畔のカンマ―白 III 1909/10

オーストリアの避暑地にあるアッター湖の風景です。点描で描かれた緑と建物、湖は、夏のきらきらとした光をとらえていて、まるで印象派絵画のよう。はかなくも美しいです。

オイゲニア・プリマフェージの肖像 1913/14

パトロンだった銀行家の妻を描いた肖像画。華やかな色使いに豊かさが感じられ、魅力的な作品です。右上には鳳凰が描かれていて、東洋の影響が見られます。

女の三世代 1905

ローマ国立近代美術館所蔵で、日本初公開となる作品。”生命の円環” をテーマに、人間の一生の幼年期、青年期、老年期の三段階を寓意的に表しているそうです。私は、ナオミ・ワッツの「愛する人」(Mother and Child)を思い出しました。

***

最後に下世話な話を少々。クリムトは生涯結婚していませんが、愛人が14人?もいて、子どももたくさんいたそうです。一番驚いたのは作曲家マーラーの妻も(マーラーとの結婚前に)クリムトの恋人だったことがあるとか。でもそうした奔放な恋愛の数々が、作品を生み出すエネルギーとなっていたのでしょうね。

そしてクリムトの芸術家としての出発点は、弟らとともに工芸学校で学んだ彫金でした。本展では、クリムト兄弟による初期の頃の彫金作品も見ることができました。のちに油彩画の中に金箔を取り入れたのも、クリムトにとっては自然な芸術表現だったのでしょうね。

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