セレンディピティ ダイアリー

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フェタチーズを使って(1)

2017年02月28日 | 料理

先日神楽坂にでかけた折に、チーズ専門店の「アルパージュ」さんでフェタチーズを買ってきました。

フェタは、羊や山羊の乳で作られるギリシャのチーズ。保存のために塩漬けにするので、塩味がしっかりついているのが特徴です。四角いブロック状のチーズが水につかっていて、見た目はお豆腐に似ています。アメリカではオイルとハーブでマリネしたキューブ状のフェタもよく見ました。

それほど硬くなく、カットするとほろりとくずれるほど。薄くスライスしたり、キューブにカットしたり、細かく刻んだりして、サラダやオムレツに入れるのが定番の食べ方です。塩味が強いものは塩抜きが必要ですが、今回買ったのはほどよい塩味だったので、このまま使いました。

まず作ったのは、アポロのグリークサラダ。お店で食べてからすっかり我が家の定番メニューになっていますが、ふだんはフェタが手に入らないので、カッテージチーズで作っています。フェタがアクセントになって、よりグリークサラダらしい味になりました。

ハンバーグを作る時に、上にモッツァレラをのせてとろ~りとさせるのが好きなので、ためしにフェタでやってみましたが、柔らかくなっただけでとろ~りとは溶けなかった。でもフェタの風味がよく合いました。生地に入れてもよさそうです。

おだしの茅乃舎さんでいただいたレシピをアレンジして、ギリシャ風ひじきサラダを作ってみました。もどしたひじき、パプリカ、フェタチーズをドレッシング(茅乃舎だし、オリーブ油、酢、しょうゆ)であえます。意外な組み合わせですがおいしかった!

きのこ、ほうれん草、フェタチーズを入れて、オムレツを作りました。具だくさんのオムレツは生焼けになりやすいので、全体を大きく混ぜるようにしながら、しっかりめに焼き上げます。フェタを味わうために、ケチャップやトマトソースをかけず、このままいただきました。

ほんとうはパスタにも入れたかったのですが、これで全部使い切ってしまいました。今度手に入った時のお楽しみにします。

【関連記事】 フェタチーズを使って(2)(2017-03-24)

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未来を花束にして

2017年02月24日 | 映画

1910年代のイギリスで参政権を求めて闘った女性たちの姿を描いた歴史ドラマ、「未来を花束にして」(Suffragette)を見ました。キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム・カーター、メリル・ストリープが共演しています。

1912年ロンドン。夫と幼い息子と暮らすモード(キャリー・マリガン)は、洗濯工場で働きづめの毎日でした。当時はサフラジェットとよばれる活動家たちが、女性の参政権を求めてテロまがいの過激な活動を行っていましたが、モードは日々の暮らしに精一杯で、選挙権なんて自分とは無縁のものだと思っていました。

しかし、ひょんなことから友人に代わって公聴会で証言する機会を得ます。洗濯工場で働く母から生まれ、4歳の時に母がやけどで亡くなったこと。それから母に代わって働きはじめ、過酷な労働のために健康を害していること。同じ工場で働く夫より労働時間が長いのに、賃金がずっと安いこと。

身の上を話していくうちに、もしも女性が政治に参加していたら、自分も違う生き方ができたのではないか、という思いを強くしたモードは、未来を変えるために、息子の主治医であるイーディス(ヘレナ・ボナム・カーター)や、同僚のヴァイオレットたちとともに、女性参政権の運動へと身を投じていきます。

アメリカの黒人が参政権を求めて闘う「グローリー/明日への行進」(Selma)では、キング牧師主導のもと市民たちが非暴力で闘う姿に心を打たれましたが、本作に登場する女性たちは、カリスマ的指導者エメリン・パンクハースト(メリル・ストリープ)のもと、投石、爆破、自爆テロと、その過激さに驚きました。

当時、合法的な活動をしていたグループもあったようですが、ほとんど効果がなかったために、エメリンたちのグループはどんどん過激化していったそうです。家族を捨ててまで運動に傾倒していくモードには正直なかなか共感できませんでしたが、公聴会での証言には議員ならずとも心を揺さぶられました。

エメリンやイーディスには、妻の運動を陰で支える理解ある夫がいましたが、モードは投獄されたのを機に、優しかった夫(ベン・ウィショー)から家を追い出されてしまいます。愛する息子とも引き離され、見ている方もつらかったですが、夫自身も工場に雇われる身で、当時はこうするしかしかたがなかったのかもしれません。

題材は重いですが、キャリー・マリガンはじめ俳優たちの演技がすばらしく、歴史のひとコマを知ることができてよかったです。モードがセクハラ工場主に反撃する場面や、彼女を味方に引き入れようとする警部との駆け引きや攻防戦など、スリリングな展開もあって引き込まれました。

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つるとんたんのモダンうどん

2017年02月22日 | グルメ

映画を見た後に、東急プラザ銀座10階にある「つるとんたん」さんでお昼をいただきました。

こちらのお店、銀座にお店ができるまで知らなかったのですが、大阪で人気のうどん屋さんだそうです。最近ニューヨークに出店したと聞いて、気になっていました。開店当初からいつも列ができていましたが、この日はタイミングよく数組しかいなくて、まもなく席に着くことができました。

お店のサイトからお借りしました)

広々とした店内は、モダンなダイニングバーといったインテリア。上の写真を見ると夜の雰囲気ですが、昼間は自然光あふれる明るい空間でした。

こちらのお店、なんといってもメニューがユニークです。鍋焼きや天ぷら、きつねといった伝統的な日本のうどんのほかに、明太子やクリームを使ったパスタ風のうどん、さらには中華風のうどんまで。国籍フュージョンのお料理と華のあるスタイリッシュな盛付けが、いかにもニューヨーカーに受けそうです。うどん以外に、モダンなロール寿司などもありました。

和風のうどんではつまらないかな?とあれこれ迷って、銀座店限定という「酸辣湯のおうどん」をいただきました。器が運ばれてくると、まずはその大きさにびっくり。直径30㎝近くあるのです。麺は太麺・細麺と選べますが、お店の方の勧めで太麺に。まさしく酸辣湯のお味ながら穏やかな味わいで、不思議と和のうどんにしっくりなじみます。

おなかがすいていたので2玉にしましたが(3玉まで無料)さすがに多かった。^^; でもきのこに豚バラ、たまごといろいろなお味が楽しめて、最後まで飽きることなくおいしくいただました。

こちらは「カレーのおうどん」。ほろほろと柔らかく煮込んだ牛肉が和風だしの効いたカレースープになじみ、こちらもおいしかったです。

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ザ・コンサルタント

2017年02月21日 | 映画

ベン・アフレック主演のアクションドラマ、「ザ・コンサルタント」(The Accountant)を見ました。庶民に優しい町の会計士が、裏社会で大金を動かす凄腕の殺し屋だったというお話です。

幼い頃に高機能自閉症と診断されたクリスチャン(ベン・アフレック)は、人とのコミュニケーションがうまくとれない、自分の思い通りにならないとパニックを起こす、といった症状がありましたが、数字に抜群に強いという能力を生かし、大人になってからは町の会計士として地道な生活を送っています。

一方、彼は軍人の父親から”自分の身は自分で守る”という教育方針のもと、小さい頃から格闘技と強い心をみっちり鍛えられてきたのでした。格闘技にいたっては、インドネシアまで行って修行を受けるほど本格的。狙撃の腕前も半端なく、何百メートル先のターゲットもはずしません。

そうした2つの特殊技能?を生かし、クリスチャンはマフィアたちの裏帳簿を操って大金を生み出し、必要とあらば殺しにも手を出すという、もうひとつの顔を持っていたのでした。ある時、シカゴのロボット会社から会計監査の依頼を受けた彼は、15年分の帳簿を一晩で洗い、問題点を見つけますが、なぜか突然解雇され、命を狙われることに...。

荒唐無稽といってしまえばそれまでですが、おもしろかった! 少々無理やりなこじつけもありますが、パラレルに展開するいくつもの話がひとつにつながる結末にすっきりしました。ダーティヒーローと思いきや、タイガーマスク的な一面?もあり、最後はほっこりさせられました。

アメリカ映画では、所有する車がその人のキャラクターを表わしていることがあって興味深い。例えば「リンカーン弁護士」では主人公がリンカーン・コンチネンタルを仕事場として使っていましたが、本作ではクリスチャンが、エアストリーム社のキャンピングトレイラー(34' PanAmerica)を移動用住宅兼倉庫として使っていたのが印象的でした。

ひとつの町で仕事を片付けると、エアストリームで次の町へと移動して...アメリカの大地を風来坊のようにさすらうクリスチャンが、現代のアウトローのように感じました。

【関連記事】 クリスチャンが作る”3”の朝食(2017-03-16)

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伊豆・河津町の河津桜

2017年02月20日 | +静岡・愛知

関東に春一番が吹き荒れたこの日、伊豆・河津町に河津桜を見に行きました。

河津桜まつり 公式サイト

東京は朝からいいお天気でしたが、伊豆は”微雨”という微妙な予報。雨が降ったら行先を熱海に変更することにして、とりあえず出発しました。強風で雲の流れが速く、小雨が降ったり止んだりの変わりやすいお天気でしたが、思い切って行ってよかった。華やかで愛らしいピンクの桜並木に圧倒されました。

河津桜は、大島桜と寒緋桜の自然交雑種と推定され、60年前に苗が発見されました。発見した方のお家の庭には、今も原木が保存されています。河津川の河口から川に沿って、約3㎞にわたって続く桜並木は圧巻でしたが、ほかにも家々の敷地や里山など、あちらこちらで河津桜を目にし、町のシンボルとなっていることを実感しました。

駅の近くはやや混雑していましたが、離れるにしたがって人がまばらになり、ゆったり散策できました。ソメイヨシノよりもピンクが濃く、あいにくの曇り空にも負けない存在感がありました。周囲の山々からは水蒸気が立ち上り、薄もやの中、なんとも幻想的な風景でした。

いかにも”ふるさと”といった雰囲気の、のどかな風景に心がなごみます。

ソメイヨシノははかなく幽玄な美しさがありますが、河津桜の美しさは例えるならば、健やかで愛くるしいお姫様といった感じでしょうか。花期が約1ヵ月と長く、しばらく楽しめるのもうれしい。今後は各地に植えられて、ますます人気が高まるような気がします。

峰小橋まで歩いて折り返しましたが、ここまで歩く人はほとんどいなくて、この風景を独り占めでした。帰りは川の反対側をぶらぶらと...。桜のお菓子や(隣の稲取の名産という)つるし雛など、屋台が並んでにぎやかでした。

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マリアンヌ

2017年02月16日 | 映画

ブラッド・ピット&マリオン・コティヤール主演の第2次世界大戦時を舞台にしたラブストーリー、「マリアンヌ」(Allied)を見ました。ロバート・ゼメキスが監督し、「イースタン・プロミス」のスティーヴン・ナイトが脚本を手掛けています。

 1942年。モロッコで合流したイギリス諜報員マックス(ブラッド・ピット)とフランス諜報員マリアンヌ(マリオン・コティヤール)は、夫婦を装いドイツ大使の暗殺ミッションを成功させます。恋に落ちた2人は結婚し、ロンドンで幸せに暮らしていましたが、マリアンヌに二重スパイの容疑がかけられます...。

恋愛がからむスパイ映画はがっかりすることがままありますが(例:ツーリスト)、これはロマンティックでスリリングで、セピアな映像の美しさもあって、私はとっても楽しめました。「カサブランカ」へのオマージュも感じられ、美男美女が演じる正統派のクラシックムービーの世界を堪能しました。

おそらくマックスとの結婚は、マリアンヌが仕組んだ罠ですが、それでも彼を愛する心に偽りはなかったのでしょう。任務と自分の気持ちの間で苦しみながら、マックスへの愛ゆえに最後の決断をしたマリアンヌ。なんとなく「蜘蛛女のキス」のモリーナが語る映画を思い出しました。

いつもより若々しく見えるブラッド・ピットもすてきでしたが、なんといっても40年代のファッションに身を包んだマリオン・コティヤールが魅力的。パーティでもひときわ目立つ存在で、堂々たる美貌でフランス語を話す彼女は、まるで水を得た魚のように輝いて見えました。

マリアンヌの二重スパイ疑惑を知らされてからのマックスは、わかりやすくそわそわして、とてもスパイとは思えませんでしたが^^ これはブラッド・ピットがわざとヘタウマに演じていたのでしょうね。そんなところも昔の映画らしくてよかったです。

モロッコでの派手な銃撃戦や、ロンドンでの空襲のシーンなど、ゼメキス監督らしい迫力ある映像が楽しめましたが、それ以上に2人のドラマがていねいに描かれていて引き込まれました。最新ガジェットを使わないアナログなスパイ活動がかえって新鮮に感じられました。

Mr. & Mrs.スミスがきっかけでアンジーと結婚したブラッド・ピットが、本作がきっかけ?で離婚したともいわれていますが...真相はともかくとして、2人があまりにもすてきだったので、アンジーが嫉妬したとしても不思議はないと思いました。予定調和ではありますが、素直に楽しめる作品でした。

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ハートのガトーショコラ & 芽キャベツのロースト

2017年02月15日 | 料理

バレンタインデーにガトーショコラを焼きました。

日本では女性から男性にチョコレートを贈る日となっていますが、アメリカでは恋人同士に限らず、家族や友人、親しい人の間で気軽にカードやプレゼントを贈り合う習慣がありました。我が家の場合は、ハートやチョコレートのお菓子を作り、家族で食べるのが習わし?になっています。

数年前に無印良品で見つけたシリコンのフラワー型。6等分にカットするとハート形になるすぐれものです。ガトーショコラはほろほろと崩れやすいので、ケーキを出しやすくするために、型にあわせてペーパーをカットして底に敷きました。

ケーキが焼けたら6等分にカットして上から粉砂糖をふるいます。泡立てた生クリームとフルーツを添えて♪ 外はほろり、中はしっとりとおいしくいただきました。

家族からはチューリップの鉢植えをもらいました。もらった時はつぼみでしたが、暖かいリビングに置いていたらみるみる咲き始めたので、今は廊下に避難させています。愛らしいピンクにほっと心が和みます。

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相変わらず寒い日が続いていますが、そろそろ春野菜が出始めていますね。先日、大粒の芽キャベツを買ってきました。

シチューにどうぞ!というPOPが踊っていましたが、今回は丸ごとざくざくせん切りにして、ローストしてみました。耐熱容器に入れて塩こしょうし、オリーブ油をかけて、200℃のオーブンで30分くらい焼きました。

薄いところがチリチリしてくるので、時々オーブンをのぞいて上下をひっくり返します。なるべく固い芯が上にくるようにして、オリーブオイルをまぶしながら焼きました。

チキンソテー(しょうゆ・バルサミコ酢・にんにく)の付け合わせにしていただきました。ほどよいほろ苦さがクセになり、とまらなくなるおいしさ。ひと足早い春の味を満喫しました。

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ホテルニューグランドのナポリタン

2017年02月14日 | グルメ

三渓園で梅を観たあとは、山下公園前のホテルニューグランドに移動して、少し遅めお昼をいただきました。外国人向けホテルとして長い歴史をもち、戦後まもなくGHQ将校の宿舎として接収されたニューグランドは、開業当初から日本の洋食文化を先導してきました。

中でも「ナポリタン」「ドリア」「プリンアラモード」はニューグランド発祥のお料理として知られています。ホテル1階のコーヒーハウス、ザ・カフェで当時の様子に思いを馳せながら、これらの名物料理をいただきました。

シーフード ドリア。初代料理長を務めたサリー・ワイル氏が、体調を崩した外国人客から「何かのど越しのよいものを」と要望され、即興で考案したお料理だそうです。バターライスに海老のクリーム煮をのせ、グラタンソースをかけてオーブンで焼いたお料理です。

カロリーを気にしてふだんはなかなか食べませんが、久しぶりにいただくドリアはとってもおいしかったです。バターライスとグラタンがみごとに調和し、シーフードのまろやかさが引き立ちました。

 

スパゲティ ナポリタン。2代目総料理長 入江茂忠氏が、GHQ接収時代、米兵たちがスパゲティに塩こしょう、ケチャップを和えて食べているのを見て、ホテルで出すのにふさわしく、アレンジを加えて作りました。トマトソースのさわやかな酸味。お味は本格的ながら、厚切りハムとマッシュルームというシンプルな組み合わせにノスタルジーを感じました。

プリン・ア・ラ・モード。GHQ時代、アメリカ人将校夫人たちを喜ばせるために、当時のパティシエが考案しました。将校夫人たちは見た目が華やかでボリュームのあるデザートを好んだので、プリンにアイスクリーム、アメリカから送られてきた缶詰の果物を組み合わせたそうです。コルトンディッシュというこの器は、今も使われています。

クラシックな2階ロビー

1階廊下には、ゆかりの品々や資料、写真などが展示されています。

ヨーロッパ調の明るい中庭

帰る頃には、港から5時を知らせる時報の汽笛が聞こえてきて、ロマンティックな気分を満喫しました。

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横浜 三渓園の梅

2017年02月13日 | おでかけ

熱海に梅を見に行こうと家を出たら、渋滞で3時間近くかかりそうだったので、急遽、行先を横浜本牧の三渓園に変更しました。三渓園は子どもの頃、写生などでよく訪れた懐かしい場所。駐車場がすでにいっぱいだったので、裏手の横浜市民公園の駐車場に停めて、南門から入りました。

横浜の姉妹都市・上海から贈られた緑萼梅(りょくがくばい)がお出迎え。

三渓園は、生糸貿易で財を成した横浜の実業家、原富太郎(原三渓)が開いた広大な日本庭園です。本宅の鶴翔閣(かくしょうかく)のほか、京都などから移築した17棟の歴史的建造物が点在し、四季折々の花々が楽しめます。梅はまだ3分咲きほどでしたが、楚々とした花々が冬枯れの景色に春霞のような彩りを添えていました。

可憐な花々にうっとり。

三渓園のランドマークである三重塔は、京都・木津川市の燈明寺(とうみょうじ)から移築された室町時代の建造物。関東最古の木造の塔だそうです。

この日は寒い一日でしたが、目の覚めるような青空でした。

庭園の奥に建つ旧矢箆原家(やのはらけ)住宅。江戸時代後期の白川郷の合掌造りの民家を移築したもので、中も見学できました。重厚な床や柱、いろりや衣装箱、箪笥など、昔の豪農の暮らしぶりを興味深く見ました。大きな味噌樽や、でんぷんを沈殿させる桶?など昔の台所道具を見るのも楽しかったです。

大池に浮かぶ小舟と梅。絵になる風景です。本宅の鶴翔閣は今は結婚式場となっていて、この日も庭園で何組か撮影をしていました。

庭園の一部は、三渓が私庭として使っていた内苑というエリアで、古建築から構成されるみごとな空間が広がっていました。

内苑の中心をなす臨春閣(りんしゅんかく)は、和歌山の紀州徳川家の別邸を移築したもの。数寄屋風書院造で、内部には狩野派の絵師による障壁画があるそうです。

寒い中を3時間も歩いていたので、体がすっかり冷えて、翌日風邪をひいてしまいましたが、古い記憶を手繰りよせながら、楽しく散策できました。これから梅を見に行かれる方は、体を温かくしてお出かけくださいね。

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イーグル・ジャンプ

2017年02月12日 | 映画

イギリス史上初のスキージャンプのオリンピック代表選手となったマイケル・エドワーズの、実話に基づくコミカルなスポーツドラマ、「イーグル・ジャンプ」(Eddie the Eagle)を見ました。

公開を心待ちにしていましたが、日本ではまさかのDVDリリースのみ。主演の俳優さんが無名だからかな~?と思ったら、なんと「キングスマン」のタロン・エガートンではないですか。体重を増やして厚底眼鏡をかけていたので、映画が終わるまでまったく気がつきませんでした。ヒュー・ジャックマン、クリストファー・ウォーケンが共演しています。

子どもの頃からオリンピック選手になるのが夢だったエディ(タロン・エガートン)は、ひょんなことからスキージャンプ選手を目指すことを決意。ドイツの雪山で練習している時に、スキー場の整備係ピアリー(ヒュー・ジャックマン)と出会います。彼はかつて天才スキージャンパーでしたが、傲慢な性格と素行の悪さからスキージャンプ界を追放されたのでした。

エディはピアリーにコーチを依頼するも相手にされず、自己流で練習していましたが、どんなに無様な転び方をしても決してあきらめないエディの姿に心を動かされたピアリーは、コーチを引き受けることにします。やがてイギリスのスキージャンプ出場資格を得たエディは、夢に見たカルガリーオリンピックに出場することとなりますが...。

 太っちょのド近眼で、お世辞にもアスリートには見えないエディが、オリンピックに出たい、ただその夢だけを追いかけて愚直にチャレンジし続ける姿に心を打たれました。そもそもスキージャンパーを目指す人たちは6歳から英才教育を受けているというのに、彼がスキージャンプをはじめたのは22歳。しかも指導者さえいないのです。

無謀なチャレンジをして、笑われても馬鹿にされても決してめげないエディ。彼をオリンピック代表選手にしたくないイギリスのオリンピック事務局は、出場資格を厳しくするなど何かと理由をつけて妨害しますが、練習時の記録が正式記録として認められ、エディはすべりこみで出場資格を得るのです。

このまま出場しても笑い者で終わると危惧したピアリーは、力を蓄えて4年後の大会をめざそうと提案しますが...私もエディと同じく、せっかくのチャンスを逃さず、このとき出場してよかった、と思いました。オリンピックは参加することに意味がある。何より彼のがむしゃらにがんばる姿に大きな勇気をもらいました。

すっかり落ちぶれていたもののエディの姿を見てかつての情熱を取り戻していくピアリー。そして、途方もない夢をあきらめて地に足をつけて生きて欲しいと願いながらも、最後には誰よりも応援していた両親。見た後にさわやかな感動が残りました。

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