セレンディピティ ダイアリー

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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

2017年09月12日 | 映画

薬物依存症でホームレスだったストリートミュージシャンが、一匹の野良猫との出会いによって再生していく姿を描いた、実話に基づくヒューマンドラマ。世界的ベストセラーとなったノンフィクション「ボブという名のストリート・キャット」を映画化。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ (A Street Cat Named Bob)

猫というと、気まぐれで何者にも束縛されない自由なイメージがあったので、あまり人になつかないんじゃないか...なんて思っていましたが、決してそんなことはないのだと知りました。本作では、ボブの愛らしい姿やしぐさにハートをわしづかみにされましたが、それ以上に傷ついた人間に寄り添う愛情の深さに心打たれました。

犬の俳優は多かれど、猫の俳優ってめずらしいのでは?と思ったら、演じているのがボブ自身だということにも驚きました。飼い主のジェームズを演じるルーク・トレッダウェイとの息もぴったり合って、その賢さと堂々たる名演技に感心しました。

イギリスの薬物中毒や貧困の問題も描かれ、それらを支える社会福祉制度にも触れられていて、単なる”心温まる話”になっていなかったのがよかったです。ボブの存在はジェームズの生きる力となり、立ち直る原動力を与えましたが、それ以外にケースワーカーや友人の助け、そして最終的には彼自身の強い意志が実を結んだのだと思いました。

舞台はロンドン。ジェームズは少年時代に両親が離婚して精神が不安定となり、ドラッグにおぼれるようになりました。やがて父と再婚した義母から家を追い出され、行き場を失ったジェームズは、観光客が集まるコヴェント・ガーデンでストリートシンガーとして生計を立てるようになります。

食べるものにも事欠く厳しい毎日でしたが、ソーシャルワーカーの助けで低所得者向けのアパートに住めるようになり、ようやく落ち着いたある日、部屋に一匹のとら猫が迷い込みます。飼い主が見つからず、ボブと名付けて世話をするうちに、ボブはすっかりジェームズになつき、どこに行く時も行動をともにするようになります。

ボブのおかげで人気が出て、取材や本の出版の話も舞い込みます。少しずつ人間らしい暮らしを取り戻し、ジェームズはいよいよ薬物中毒を克服することを決意します。よくわからなかったのですが、ジェームズが服用していたメタドンは、薬物依存の治療の過程で使われる薬で、最終的にメタドンを絶ってようやく克服したことになるのですね。

アパートの前では売人がうろうろしていたり、かつてのジャンキー仲間につきまとわれたり...数々の誘惑にも負けず、禁断症状にのたうち回りながら、ジェームズはようやく乗り越えることができたのでした。

ソーシャルワーカーのヴァル、ガールフレンドのベティ、猫好きの優しいおばさん、最後に和解する父親など、脇を固める俳優さんたちも魅力的でした。それからジェームズの歌う歌が、その時々の彼の状況や心情にぴったりマッチしていてすてきだな~と思ったら、これは映画用にプロによって作られたオリジナル曲のようです。^^;

ジェームズご本人も、最後に本屋さんのイベントの時にちょこっと登場しています。

ジェームズ(本人)とボブ

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簡単ポーチドエッグと、ヘルシーなエッグベネディクト

2017年09月10日 | 料理

休日の朝食に、エッグベネディクトを作りました。イングリッシュマフィンにポーチドエッグをのせ、(マヨネーズに似た)オランデーズソースをかけたもの。ニューヨークのウォルドルフ・アストリア・ホテルで生まれた、アメリカを代表するお料理です。

このお料理、なんといってもポーチドエッグを作るのが鬼門。過去にはいろいろ便利グッズにトライしたことがあります。

アメリカのアウトレットで買ったものですが、まるで役に立たなかった。

これは日本の雑貨屋さんでみつけたもので、きれいにはできるのですが、形が整いすぎて、マックのエッグマフィンみたい?になるのが少々不満でした。このほか、コーヒーフィルターを使う方法も聞いたことがありますが...

最近は、雑誌の bon appetit に載っていた The Perfect Poach というレシピが、一番簡単できれいにできて気に入っています。動画もあるのでよかったらサイトをチェックしてみてください。

卵はひとつづつカップに割り入れます。オリジナルレシピでは、カップにあらかじめお酢 1/2カップ入れたところに卵を割り入れていますが...

私はもったいないので、熱湯の方にお酢少々を入れています。沸騰したら泡だて器を同じ方向にぐるぐると回して渦を作るというのがポイント! そこに卵をひとつそっと流し入れると、遠心力できれいにまとまります。白身が固まったら穴あきお玉ですくってできあがり。時間がかかりますが、必ずひとつずつ作ります。

イングリッシュマフィンは手で半分に割って、軽くトーストし、片方にポーチドエッグ、もう片方にベビーリーフとプチトマトをのせました。ドレッシング少々をサラダの方にかけましたが、卵黄が十分ソースの代わりになるので必要なかったかな...。オランデーズソースも使いません。

両方あわせて、サンドウィッチ風に。

黄身がとろ~んとしていい感じ。おいしくいただきました。

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大阪グルメ 番外編

2017年09月09日 | +大阪

さて、最後にこれまで記事にしそびれた大阪グルメをまとめてご紹介して、大阪旅行記の最終回といたします。長くおつきあいくださり、ありがとうございました。

ぼてぢゅう 天保山店

海遊館に行った後、隣の「なにわくいしんぼ横丁」でお昼にお好み焼きをいただきました。「ぼてぢゅう」って東京にもあるよね?と話しながら、入ったことがないのでまあいいか、ということになりました。テーブルに大きな鉄板がついていたので、自分で焼くのかと心配になりましたが、お店の人が焼きたてを運んできてくださいます。

お好み焼きと焼きそばをひと通りいただいて、何かおもしろいものを...と注文したのが写真の”とんぺい焼き”。豚肉と九条ねぎの入ったふわふわの和風オムレツといった感じで、会津屋さんのねぎ焼き(こちらは牛肉ですが)にも少し似ていました。

フジオ軒 南森町店

落語の前にどこかでお昼を...と天神橋筋商店街を歩いていたら、次から次とお客さんが入っていく洋食屋さんがあり、思わずつられて入りました。オムライスもありましたが、A定食・B定食という懐かしい響きに惹かれ、それぞれ注文しました。写真はハンバーグ&エビフライのA定食。これにごはんとスープがつきます。

鉄板で供されるお料理やチェックのテーブルクロスも心憎く、この時はてっきり町の洋食屋さんだと思っていましたが、あとから親会社は”はらドーナッツ”や”ホノルルコーヒー”など多くのブランドを抱える一大フードチェーンと知りました。

たこ焼き道楽 わなか 天四店

落語のあと、天神橋筋商店街をJR天満駅に向かってぶらぶらと...。天神橋筋商店街は、1丁目から6丁目まで2.6㎞、600の店舗が軒を連ねる日本一長い商店街です。うなぎの魚伊さんや、フジオ軒さんもこの商店街にあります。行列のできるコロッケ屋さんや、パチンコ屋さんにしか見えないスーパー玉出さんなど、いろいろおもしろいお店がありました。^^

途中、たこ焼きのわなかさんでひと休みしました。難波の千日前に本店のある行列店ですが、ここは並ばずに入れました。たこ焼きは、今回3つのお店でいただきましたが、私はここのが一番気に入りました。ふわ~っととろけるような食感です。ミックスジュースもお味が濃くておいしかったです。

道頓堀今井 大阪のれんめぐり店

道頓堀に本店のある大阪うどんの老舗です。新大阪駅の新幹線構内にお店があると知り、新幹線に乗る前にこちらで夕食をいただきました。フードコートなので落ち着けませんが、最後に食べることができてよかったです。関西風のあっさりしたおだしが、しみじみと味わい深い。大きなお揚げもふっくらとしておいしかったです。

551蓬莱 JR新大阪駅 新幹線構内

新幹線に乗る前におみやげに買って、後日いただきました。なんばに本店のある人気の豚まんです。具は豚肉とたまねぎだけというシンプルさですが、たまねぎの甘さが引き立っておいしくいただきました。焼売もいただきましたが、おそらく豚まんと中身は同じだと思います。

蓬莱本館では、豚まん・焼売づくりも体験できますよ。(6名以上2週間前までに予約。詳細コチラ)

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上方落語を楽しむ @天満天神繁昌亭

2017年09月08日 | +大阪

今回の旅行では、大阪ならではの芸能に触れてみたいと思っていました。吉本新喜劇は満席、文楽は公演がない...う~んと考えて、そうだ、上方落語がある!と思い出し、旅行前日にぴあでチケットを買っておきました。中之島からぶらぶら歩いて、天神橋筋商店街を通り、上方落語随一の寄席、天満天神繁昌亭を訪れました。

周囲は広場になっていて見晴らしがよく、柳の青葉が美しい。それにしても古めかしい木造建築を想像していましたが、意外と新しい...と思ったら、これには上方落語が長年かかえていた事情と背景があったことを知りました。

上方落語は、明治から昭和にかけて隆盛を誇り、大阪市内に十数軒の寄席がありましたが、第二次世界大戦時にすべて焼失。それから長らく落語専門の定席(毎日公演している小屋)がありませんでしたが、2006年、大阪天満宮、天神橋筋商店街の協力を得て、戦後61年ぶりにこの地で念願の復活が実現したということです。

開場の時間が近づくと、小屋の周りにお客さんがわいわいと集まってきました。若手の落語家さんが一番太鼓を元気よくたたきはじめると入場開始。整理番号順の自由席です。夏休みということもあって、立ち見が出るほどの大入りでしたが、中ほどのいいお席に座れました。

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若手からベテラン、古典に新作、女性の落語家さんに似顔絵の芸人さんとバラエティ豊か。落語家さんもにぎやかなマシンガントークからしみじみと味わいのある語り口とそれぞれ個性があっておもしろかったです。旅行者が多いことを配慮して、文華さんが上方落語の特徴を楽しくわかりやすくレクチャーしてくださいました。

江戸落語は座布団ひとつで演じますが、上方落語は演者の前に見台とよばれる小さな机と、膝隠とよばれる衝立が置かれるのがおもしろい。また、扇子や手ぬぐいは江戸落語でも使われますが、小拍子という小さな拍子木をここぞというところで見台に打ちつけて鳴らし、合いの手や効果音として使います。

上方落語はもとは神社の境内など、屋外で行われる芸能だったので、人々の注目を集めるために、太鼓や三味線でお囃子が演奏されたそうです。そのお囃子は”はめもの”として今に受け継がれ、歌舞伎と同じく情景や心情を描写するBGMとして、お話を盛り上げるように演奏されます。

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古典落語は「転失気」「鯉盗人」など、どれも安定したおもしろさがありましたが、三四郎さんの新作落語もノリがよくスリリングで漫才のようなおもしろさがありました。鯉盗人のあさ吉さんは、鯉をおろす庖丁さばきが見事だな~と感心したら、あとから料理が趣味と知り納得しました。

そしてトリの鶴笑さんの落語は、冒頭から超高速、膨大な話のシャワーに圧倒され、たじたじとなりました。一応演目は「時うどん」(江戸落語の時蕎麦)ですが、なんとゴジラも飛び出します。@@ 海外でもご活躍されているそうですが、たしかに時蕎麦でしたらどこの国でも通じますものね。あれやこれやで貴重な経験でした。

落語家さんたちに見送られ、寄席を出た後は隣接する大阪天満宮へ。菅原道真に由来し、大阪市民から親しまれている神社です。繁昌亭設立の際には、無償で用地を提供されたそうです。天満宮のはす向かいには、川端康成生誕の碑がひっそりと佇んでいます。

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中之島散策

2017年09月06日 | +大阪

最終日の朝は、中之島を散策しました。中之島は、堂島川と土佐堀川にはさまれた細長い中州。大阪のマンハッタンと豪語する人もいるようですが^^ どちらかというとパリのシテ島に近いでしょうか。ちなみに面積を比べてみると中之島はシテ島の約3倍。時間の都合もあって、淀屋橋から東側を歩いてみました。

淀屋橋を渡って、中之島へ。中之島には20以上の橋が架かっていますが、歴史を感じさせる重厚でエレガントなデザインが多かったです。

橋を渡ってすぐのところに、日本銀行大阪支店。2週間前までの予約制で、内部を見学できます。東京にある日本銀行本店と同じく、辰野金吾さんの設計です。背景に見える高層ビルは、中之島の新しいランドマーク、フェスティバルタワーです。

中之島は古くから、大阪の経済・行政・文化の中心で、歴史的建造物がいくつもありました。整然とした街並み、川辺の風景も美しく、少々暑い日でしたが、セミの鳴き声を聞きながらの楽しい散策となりました。

すぐ近くには、大阪府立中之島図書館。ギリシャ神殿を思わせる壮麗な建物は、住友家の寄付によって建造、1904年に開館しました。

内部の中央ホールも優美なデザインですてきでした。ドーム型の天井には、ステンドグラスの円窓がついています。階段を上って書架ものぞいてみました。開架書籍はそれほど多くなく、一般書籍というよりは大阪関係の資料や公文書などが所蔵されているようでした。大阪創業の企業や、大阪出身の作家の著作などあり、興味深く見ました。

図書館と背中合わせに建つ、大阪市中央公会堂クルーズのところでも書きましたが、こちらも辰野金吾さんの設計です。1918年に完成した本格的な劇場・コンサートホールで、今もクラシックで壮麗な雰囲気を生かしたコンサートや講演会、イベントなどに利用されています。

月に何日か予約制でガイドツアーが設けられていて、ホールや集会室など見学することができますが、今回は日程が合わなくて残念。地下にある資料室だけ見ることができました。銅像は、公会堂建造のために尽力した株式仲買人の岩本栄之助氏です。

岩本氏は、渋沢栄一氏率いる渡米実業団に参加してアメリカを視察。アメリカの富豪や実業家たちが公共施設や慈善事業に貢献する姿に感銘を受け、帰国後、大阪市への寄付を決断したそうです。ご自身はその後、相場の変動で苦境に陥り、不幸なことになりましたが、氏の崇高な思いは形となって残りました。

階段の手すりの意匠、柔らかく差し込む日の光さえも美しく、うっとりしました。

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大阪の夜景とヘルシーな朝食

2017年09月05日 | +大阪

大阪(8)魚伊さんのうなぎ からの続きです。

今回の旅行では、動きやすさを考えて梅田から歩いていけるホテル阪急インターナショナルに宿泊しました。ホテルはビルの上層階にあって(最近こういう作りのところが多いですね)夜は28階のお部屋から大阪の夜景が見渡せました。

梅田の東方面で、特にランドマークはありませんが、星空のようなきらめきと、幹線道路や高速道路の光のベルトがとてもきれいでした。ふだん高層階から夜景を見る機会はほとんどないので、しばしこの美しさにうっとりしました。

朝食も落ち着けてよかったです。この日は「京懐石 美濃吉 竹茂楼」さんで和朝食を。本店は京都で300年続く老舗料亭だそうです。焼魚は干しがれいで、パリパリとした骨煎餅もおいしかった! ごはんは白米の代わりに名物のすっぽん雑炊をいただきましたが、朝からしみじみと体が温まりました。

朝食のお部屋から見た梅田の風景。右から1番目と2番目の高層ビルの間から、先日展望台に上った梅田スカイビルが見えます。

この日はメインダイニングの「マルメゾン」で洋朝食をいただきました。朝食は3種類あり、私はグラノーラとフルーツの盛り合わせのつくナチュラルブレックファストをいただきました。最近、卵料理が重く感じられるので、こういう朝食がうれしいです。トーストの焼き加減もパーフェクトでした。

こちらはエッグベネディクトの朝食。もうひとつはオムレツとベーコンのアメリカの伝統的な朝食です。どちらもスープやサラダ、ヨーグルトなどがつきます。

客室はシックで落ち着いたインテリアでしたが、共有部分は華やかな宝塚スタイル?でした。

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パターソン

2017年09月04日 | 映画

ジム・ジャームッシュ監督の最新作。ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手の穏やかな日常を、一週間にわたって切り取ったヒューマンドラマです。アダム・ドライバー主演、「ワールド・オブ・ライズ」(Body of Lies)「彼女が消えた浜辺」(About Elly)のゴルシフテ・ファラハニが共演しています。

パターソン (Paterson)

新聞のレビューを読んで心惹かれ、見に行った本作。久しぶりに武蔵野館に行ったら、いつの間にか新しくきれいになっていて驚きました。本作のコーナーには、ジャームッシュ監督の過去作品の人気投票などあり、劇場スタッフの気持ちが伝わってくる温かい演出でした。

本作は詩的なセンスにあふれた、アートのような作品。タイプとしてはブルックリンが舞台の「スモーク」や「フランシス・ハ」のテイストに似ているでしょうか。大きな事件は起こりませんが、平穏な日々こそが愛おしく感じられるすてきな作品でした。

パターソンに住むパターソン(アダム・ドライバー)はバスの運転手。朝早くベッドの中で妻とたわいのない話をして仕事に向かい、車庫係のドニ―とあいさつをかわします。一日の仕事を終えると、家で妻と夕食をとり、愛犬マーヴィンと散歩。途中、行きつけのバーでビールを一杯ひっかけるのがささやかな楽しみ、という規則正しい毎日です。

パターソンは詩を書くのが趣味で、毎日秘密のノートに詩を書きためています。妻はどこかに発表するべきだと進言しますが、彼は意に介しません。そんな妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)はモノクロのジオメトリック柄が好きで、部屋をペイントし、カップケーキを作ります。そして突然カントリー歌手を目指し、ギターの練習を始めます。

物静かなパターソンとポジティブ思考のローラ。パターソンが誰に見せるわけでもない詩をひたすら書いているのに対し、ローラがいいこと考えた~♪とばかりに、ペイントやお料理、新しいことにどんどんチャレンジしているのがおもしろい。ローラの作ったカップケーキがバザーで人気を博し、その売上げで2人は久しぶりに食事と映画にでかけます。

仲が良いけれどべたべたしていなくて、それぞれの世界をもっているのがすてきでした。2人の共通点はクリエイティビティでしょうか。実際、パターソンとローラを見ていると、なぜだかむくむくと創作意欲がわきあがってくるのを感じました。何かを作りたい、残したい、というのは人間の根源的な欲求なのかもしれません。

映画そのものが、詩が韻を踏むように、同じモチーフが繰り返し登場するのも印象的でした。なぜか度々双子が登場し、詩が好きな人たちとの出会いがあります。2人の部屋は、ローラが好きなモノクロのジオメトリック柄がどんどん増えていくし、思えば繰り返される毎日もしかり。

主人公の名前がパターソンで、街の名前がパターソン。そして日本からやってきた詩の好きな男性(永瀬正敏)が持っていた本が、パターソン出身の詩人、ウィリアムズ・カルロス・ウィリアムズが書いた「パターソン」という名の詩集。

永瀬さんの登場はやや唐突に感じられましたが、出会うべくして出会ったのだ、と納得のいくラストでした。

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