東寺塔頭観智院で宮本武蔵の絵を見てから、宮本武蔵について書かれた本を読んでいます。いろいろ図書館で借りたのですが、あまり面白いとは思いませんでした。田中啓文さんの書かれた「文豪宮本武蔵」が読んだ中で1番面白かったです。江戸時代からタイムマシーンを使ったかのように明治時代に宮本武蔵が現れます。樋口一葉や正岡子規、夏目漱石、森鴎外などに出会います。そして奇想天外な小説を書くことになります。全然宮本武蔵の人物像とは違いますが、強くて卑怯なことはしないなど、とても面白く、案外宮本武蔵の本質が書かれているのかもと思いました。
こちらの本も半分以上読みましたが、図書館の返却期限が来たので返却しました。友達の質問「なんで宮本武蔵が好きなん?人切りやでぇ~」にはどう答えようかと思います。「見切る力」「卑怯なことはしない」「物の本質を見極める」などに惹かれるのかなと思います。それに絵も描かれ、書にも精通し尊敬するところがたくさんあります。「独行道」には
- 世々の道をそむく事なし
- 身にたのしみをたくまず
- よろづに依怙の心なし
- 身をあさく思、世を深く思ふ
- 一生の間よくしん(欲心)思はず
- 我事におゐて後悔をせず
- 善悪に他をねたむ心なし
- いづれの道にも、わかれをかなしまず
- 自他共にうらみかこつ心なし
- れんぼ(恋慕)の道思ひよる心なし
- 物事にすき(数寄)このむことなし
- 私宅に老ゐてのぞむ心なし
- 身ひとつに美食をこのまず
- 末々什物なる古き道具を所持せず
- わが身にいたり物いみする事なし
- 兵具は各(格)別、よ(余)の道具たしなまず
- 道におゐては、死をいとはず思ふ
- 老身に財宝所領もちゆる心なし
- 仏神は貴し、仏神をたのまず
- 身を捨て名利はすてず
- 常に兵法の道をはなれず
生き方の心得をしっかり持っているというのも尊敬できます。お風呂が嫌いで臭かったようです。身近にはいないので好きと言っていますが、そばにおられたら嫌いだと思ったかも(笑)ええ加減なわたしです。
2023-4-23(日) 図書館資料 請求番号:913/B/タナ