太宰治作「晩年」を読みました。この作品は太宰治の第一創作集でありながら、遺書のつもりで書かれた作品集です。昭和11年、太宰治27歳の時に出版されました。この本に収められている15作品の大半は23、4歳の頃に書かれたものらしいです。太宰治は人が一生かかってする経験をたった23、4歳ですべて経験したのではないかと思いました。頭が抜群によくて感受性が豊かすぎて、傷つきやすく、いつも過緊張の連続だったのではないかと思いました。旧家も悲しい、頭が良すぎるのも悲しい、無学も悲しい、金持ちも貧乏も、器量の悪いのも良いのも、真面目も不真面目もみんな悲しすぎます。それでも私はしばらく、太宰治の作品を読み続けようと思います。
お気に入り度:★★★★★ 図書館資料 分類番号:B/ダザ