秋晴れというのに
今日の都会の空気は窮屈だ
あまりにもすばらしいブナの空気を吸ってしまったからだろうか
越後の棚田は
コシヒカリよろしく
頭を垂れて挨拶をしてくれ
野菜畑の老婆は
異国人を快く迎え入れ
白い歯を覗かせる
畦道で仰向けに休息せば
青空にどんどんと雲が育ち
廃墟と化したスキー場のリフト跡には
うすばかげろうが罠を仕掛け
まぼろしのゴンドラの音が風の中に消える
ブナの森は熊の爪痕よろしく
火照った身体をクールダウンさせ
雪の重みだろう
幹の根元が柔らかい曲線となり
曲線と曲線のあいだには
あちらこちらでその子供らが発育している
緑色の光の中で
静寂の時が生まれ
大地と森の空間は
無重力となる
ブナに混じって数少ない楓が
冬に向けて緑の唇に紅をつけている
鈴が鳴る
さる
今日の都会の空気は窮屈だ
あまりにもすばらしいブナの空気を吸ってしまったからだろうか
越後の棚田は
コシヒカリよろしく
頭を垂れて挨拶をしてくれ
野菜畑の老婆は
異国人を快く迎え入れ
白い歯を覗かせる
畦道で仰向けに休息せば
青空にどんどんと雲が育ち
廃墟と化したスキー場のリフト跡には
うすばかげろうが罠を仕掛け
まぼろしのゴンドラの音が風の中に消える
ブナの森は熊の爪痕よろしく
火照った身体をクールダウンさせ
雪の重みだろう
幹の根元が柔らかい曲線となり
曲線と曲線のあいだには
あちらこちらでその子供らが発育している
緑色の光の中で
静寂の時が生まれ
大地と森の空間は
無重力となる
ブナに混じって数少ない楓が
冬に向けて緑の唇に紅をつけている
鈴が鳴る
さる